2009年 7月22日(水)
仕事中に(・・・と言うよりも仕事をサボって)皆既日食を
無事に見る事が出来たので
ウハウハ気分で残業をこなしていたら・・・
「元THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのギタリスト、アベ フトシ氏が
7月22日未明に「急性硬膜外血腫」のために急逝しました。」と
かけ流していたFMから流れて来た。
一瞬、何を言っているのか分からなかった。
理解出来なかった。
今日の栃木FM「Radio Berry」のパーソナリティーの
岡田眞善氏が声を詰まらせながら繰り返した。
アベ氏と親好があったと岡田氏。
声が震えているように聞こえた。
辛そうに訃報を読み上げる姿勢にプロ意識を感じた。
読み終えた後に流れた「世界の終わり」を
一人で聞いていると泣きそうになった。
その後に岡田氏が何を言ったのか覚えていない。
一瞬で心が折れて仕事も手に付かなくなった。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANを最初に見たのはインディーズの頃。
なんとなく買った音楽雑誌の片隅に載っていた。
初めて見たカールコード。
威圧感のあるブラックスーツと、殺伐とした雰囲気。
一目みて「カッコイイ!」と思った。
これがこのバンドの第一印象。
音源を聞いてみたくて探し回ったが手に入れる事が出来ずに
何度もその雑誌を読みあさった事を覚えている。
再び目にしたのはメジャーデビューをしてからだった。
音、歌詞、ステージングとどれを取ってもこのバンドを表す言葉は
「カッコイイ!」の一言しか思いつかない。
単純にそう思わせてくれる数少ないRock'n'Roll Bandだった。
「THEE MICHELLE GUN ELEPHAN」と言うバンド名もクールで
カッコイイと思っていた。
こんなことを書いてしまうと危険な気もしないでもないのだが・・・。
てっきりボクは、名前の由来を、MICHELLE(≠神)のGUN(≠股間)は
ELEPHAN(≠像・・・子供の股間を比喩して像と言う事がある)という
スゴく大げさな和訳で拡大解釈をすると・・・
「THEE MICHELLE GUN ELEPHAN」
≠「神様のチ◎ポはクソガキ並みだゼ!(笑)」と
神を冒涜しているのか如く付けた名前は「究極のRock'n'Roll Band名」だ!
クールすぎる!
・・・と思って絶賛していたら、実際は違うみたい(汗)。
一人で勘違いをしていたようです(汗)。
(バンド名の本当の由来)
詩の響きを大切にして作っていると思われる歌詞。
ヴォーカルのチバ氏の独特の世界観。
並べた単語には意味を持たないモノもあるらしいが
まったく異なる単語と単語を組み合わせて作る歌詞の響きも
カッコイイのだ。
そんな歌詞の後ろで鳴り響くアベ氏のカッティング。
その切れ味鋭いカッティングが聞けないなんて残念だ。
あのテレキャスターのサウンドが聞けないなんて残念だ。
マシンガンのように素早く、連続して刻み込まれる、
まるで音の洪水の様なギターに酔えないなんて寂しい。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANのこの4人での
再結成を待ち望んでいたのはボクだけではないはず。
2003年の解散が発表されたその日の深夜のラジオ番組で
「日本のRockが死んだ」とか
「日本のRockの最後の砦が無くなる」とか
悲鳴に近いメッセージが次々と読まれていた。
今となっては日本のRockは瀕死の状態に思われる。
その「最後の砦」の再建を、
MICHELLEの再来を、
ずっと待ち続けていた、
それに掛けていた。
しかし、とうとう叶わぬ夢になってしまった。
享年43歳。
若すぎる。
本当に若すぎる。
ギタリストとしても、
一人の男としてもまだまだこれからだと思う。
まだまだ先の人生を歩むべき人のはず。
近年は、そのカッティングを武器に色んなアーティストの
サポートメンバーとして活動していた。
場数を踏んで経験を積めば、またそれも一つの武器になる。
世界のロックシーンに通用する数少ない日本人ギタリスト。
歌う価値の無いクソ野郎が歌い、
ヘドが出る様な音源を世に出しては生き長らえている。
それなのに、こうして実力のあるギタリストが
社会的にも認知してもらう前に
無名(一部のRockファンには有名だが)のまま召されてしまうことが
悔しくて、悔しくて・・・
本当に悔しい。
素晴らしいRock'n’Rollをありがとう!
今夜のヘッドフォンは思いっきり爆音で鳴らすよ♪
ご冥福をお祈りします。
世界の終わりは そこで待ってると
思い出したよに 君は笑い出す
赤みのかかった 月が昇るとき
それで最後だと 僕は聞かされる
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT「世界の終わり」