やっぱり幸せ♪

日常の色んなこと、特に発達障害を持つ息子との素晴らしき日々を綴っていきたいと思います。

鬱陶しい子

2017年02月27日 | 息子の広汎性発達障害と強迫性障害、適応障害

ASD(自閉症スペクトラム)の特性のせいだと思うのですが、息子は、少しのことで機嫌が悪くなり、言っても仕方がないことをぐだぐだぐだぐだと何時間にも渡って言い続けることがあります。

 

例えば、翌日にばあばと食事をする約束をしている時、それが、何分かかるのか、何時に帰って来られるのかがとても気になるようで、何度も私に聞きに来ます。

 

「どこに食べに行くのか、ばあばが一緒に買い物に行きたいのかによっても変わってくるよ。

往復の移動時間もあるから、2時間半ぐらいか、買い物に行ったら最高5時間ぐらいかかるんちゃう。」

そう答えても、息子はそれで納得してくれません。

 

「何時からご飯?」

「ご飯食べるのは、何分?」

「車に乗ってるのは、何分?」

そう聞いてくるので、

「だから、ばあばの都合とか、どこに行くかによっても変わってくるから分かれへんけど、全部で5時間ぐらいと思う、って!」

と、言っても、

「ママは、何分ぐらいと思う?」と。

 

「ご飯は、1時間半ぐらいちゃうか~?」と言うと、

「そんなにかかるの~?」

 

「お店が混んでるかどうかにもよるし、それより早い時も遅い時もあるよ。」

「ママは、混んでると思う?」

「どこに行くかも分かれへんのに、ママも分かれへん。」

「買い物も行くの? 何分かかるの?」

「ばあばが『連れて行って』って言ったら行くことになるし、行けへんかもしれへん。」

「ママはどっちと思う?」

 

・・・こういうのを、普通のトーンじゃなく、半泣きに近い状態で同じようなことを延々と聞いてくるのです

 

この日は、朝から学校へボランティアに行き、その後先生との懇談があり、家に帰って家事を済ませた後、すぐまた出かける用事があり、息子が帰ってくる前になんとか家に帰ってきて、疲れたなぁと思いつつ、もうひと頑張りだと思って夕飯の支度をしているところでした。

 

そこへ、息子のぐだぐだぐだ・・・

終いには、

「2時間半と5時間を平均したらいいんちゃう?」

「ママ、何時間と何分になる?」

平均する意味が分かりません。。。

 

「平均する意味ないで。」と、言えば、

「意味ないことない! ママ、平均知らんの~?」

と、またぐだぐだと・・・。

 

そして、ついに言ってしまいました。

 

「鬱陶しい子やなぁ~!!」

 

言ってしまって、やばい! と、思いました。

自分の心の温度が急速に下がっていくような気がしました。

 

息子は、質問をやめて、

「ヴォ~!」とか「ヴァ~!」とか叫んで、

「走ってくる!」と言って、外に飛び出して行ってしまいました。

(最近、イライラがおさまらないとき、息子は外に走りに行くことがあります。

大雨の中、時折大声を出しながら走っていることもあります

 

10分程で帰ってきましたが、その日、息子は夕食を二口三口食べただけで、

「無理・・・。」と言って、残してしまいました。

 

ますます息子が自信を失くし、不安を募らせるようなことを言ってしまいました。

とにかく、このことだけは伝えようと思って、息子に話しました。

 

「さっきな、ママ、言い間違えた。ごめん。。。

〇〇は、『鬱陶しい子』とちゃうで。

ママが言いたかったのは、『鬱陶しいこと言うな~』や。

どうにも出来へんことをず~っと言われてたら、ママは嫌になってくる。

〇〇の言ってたことが、鬱陶しかってん。。。」

 

〇〇は、頷いて、

「明日出かけるの、だいじょうぶやんな~?」と。

 

息子は、食事に出かけることも不安なのです。

きっと、買い物に行くのかどうかはっきりしないことも気持ち悪くて、時間がはっきりしていないことも不安になる原因のようです。

想像力の問題から、未来の予定を理解することはただでさえ苦手なのに、きっちり決まっていないスケジュールは不安で仕方がなかったのだと思います。

そんな気持ちを切り替えることが出来なくて、延々と私に質問を繰り返していたのです。

 

「だいじょうぶに決まってるやん。

もし、ご飯食べて調子が悪かったら、『しんどい』って言ったらいいねん。

買い物は、ママらだけで行ってくるから。

でも、きっとだいじょうぶやと思うで。」

 

息子とのやり取りは、自分が疲れていたり元気がないと、一気に悲惨な状況に陥ってしまうことがあります。

私が元気なら、さらっと無視して、息子が気持ちを切り替えられるように誘導することも出来るのですが、なかなか難しいです。

 

さらに、思春期。

ますますしんどくなっていく気がします。


通級の先生と話して・・・

2017年02月23日 | 日記(息子・小5)

息子の調子がなかなかよくなりません。

 

日曜日の夕方5時を過ぎた頃から、

「明日、学校や。だいじょうぶかな~!?」

と、落ち着かなくなり、歩き回り、ハグしにきたり、時に

「ヴォ~!!」

と、叫んだりします。

 

学校でも、週に数回、授業を抜けて通級教室でリラックスさせていただいているようです。

昨日も、1時間目から、

「なんか調子が悪い。イライラする。」

と言って、通級教室で過ごしていたそうです。

 

通級の先生方(通級の担任と副担任)との懇談があり、

「何が不安なんでしょうね~?」

と、3人で話し合いましたが分かりません。

息子自身も何が不安なのか分かっていないのか、それとも、言葉で説明することが難しいのか、息子から聞き出すことは出来ません。

不安が病的に膨らんいる状態で、そこから不安障害や強迫性障害が起こっているため、薬での回復を待つしかないのかもしれないのですが、不安となる原因を取り除くことが出来るなら、少しでも息子を楽にしてあげられるのですが・・・。

 

第2次成長期に入り、色々悩むことが多くなってくる時期なので、息子は人より不安の増幅が大きいのかもしれません。

未だに異常なほど私にハグしにくる息子に、通級の担任の先生は、母子密着を心配されていました。

体が大人になってきているのに、あまりにも私に依存し過ぎて、母親から離れられなくなってしまうのではないかと。

離れようとしたときに、その反動が大きく出ることを心配してくださっていました。

 

病院の先生からも、ハグは1日に10回以内にするようにしてだんだん減らしていくようにと言われていますが、現状では、

「そんなん言ってる場合じゃないねん!」

と、息子が訴えるほど、そうしなければ不安を抑えることが出来ないし、学校にも登校する力が出ないという状態なのです。

 

私は、息子が小さい頃に「3分の2ずつ成長していくつもりで見守ってください」と言われたこともあり、息子の凹の部分はまだ8歳ぐらいなのかなという思いがあって、体は大きくてもまだまだ幼いという感覚でいました。

まだ一緒に川の字で寝ていて、中学生になったらさすがに自分の部屋で寝るように息子には言い聞かせているのですが、「それでは遅い」と言われました。

 

中学生の壁は、息子にとって相当高いものになるので、「中学生になったら」というのは出来るだけ減らした方がいいのだそうです。

「中学生になったら」と思っていることを「6年生から」に変えて、身の回りのことが出来るように、また、自分の部屋で一人で寝られるようにした方がいいとも言われました。

「すぐにはうまくいかないし、色んなことが一度に出来るわけではないので、1年かけて、中学校に通う不安を出来るだけ少なくしてあげましょう」と。

 

そうしてあげたい、とは、思うのです。

息子のことを真剣に考え、力を尽くしてくださる先生方に感謝していますが、昨日は、「でも・・・」という気持ちでいっぱいになってしまいました。

 

不安で頭がいっぱいになって、体調まで悪くなってしまう息子に、私は何が出来るでしょう・・・。

 

さらに、先生は、

「もしかしたら、という私の考えなのですが、サッカーが、〇〇君の心を不安定にしているんじゃないでしょうか?」

と、言われました。

 

「サッカーが大好きで頑張りたいという気持ちと、運動が人より苦手な〇〇君なので、サッカーなんて無理だ、やめたいというという気持ちが、〇〇君の中で常に戦っている状態なのではないでしょうか?」 

「サッカークラブをやめることになったので、『自分には、ここしかサッカーする場所がないんや』と言って、6年生からスクールを週2回に増やしたいと言っていますが・・・。」

 

「そうですか。不安ですね。。。

〇〇君は、自分ではこういう風にプレーしたいと思っているのに、うまく出来ない。

うまく出来なくても、ちょっとずつ上達していくのを楽しめたらいいけど、〇〇君はこだわりが強くて、思った通りに出来ないと気が済まないから苦しくなるんじゃないかと思うのです。」と。

 

確かに、息子はこだわりが強く、また、0か100かで物事をとらえてしまう傾向があるのでその中間がありません。

いつでも全力を出し切って、それでうまく出来ればいいのですが、出来ないことの方が多いのです。

「まぁ、いいか」とか「仕方がない」という風には考えられないから、苦しくなってしまうのでしょう。

  

通級の時間に、物事をもっと柔軟に考えることを学ぶソーシャルを入れてくださるそうです。

「こういうのもありやな」ということに気付いて、心の角度を広げていってほしいと思っています。

 

ブログを書いているうちに、心が落ち着いてきました。

目先の毎日の目標は、今まで通り「息子の不安をなくす」

そして、未来の目標として「息子の自立」

息子の様子を見ながら教えていけばいい。

伝え続ければ、いずれその時が来れば出来るようになるさ!

 


「青い鳥」

2017年02月20日 | 読書・読み聞かせ

重松清さんの「青い鳥」を読みました。

 

中学の非常勤講師、村内先生は、吃音で言葉がつっかえ、うまく話すことが出来ません。

そんな先生が国語の臨時教員として赴任してきたことに、生徒達は驚き呆れてしまいます。

村内先生が、言葉につっかえながら一生懸命伝える「たいせつなこと」とは・・・。

 

中学生という揺れる年代。

場面緘黙症の少女、教師を衝動的に刺してしまった少年、いじめの加害者になってしまった生徒達、父親の自殺に苦しむ少年、等、合計7編の、悩んでもがいて苦しんでいる中学生に「たいせつなこと」を伝えるお話と、最後の1編は、教え子である生徒が大人になって恩師に再会するお話でした。

 

読んでいて切ないくらい苦しい思いをしている子ども達。

村内先生は、吃音ゆえ、思いを伝えられない苦しさを誰よりも分かっています。

 

話したくなくて口を閉ざしているのではない。

声を出したいのに、口が動かない。口が動いても息が出ない。息を出しても声にならない。

吃音でなくても、どう話せばいいのか、どうすればいいのか分からなくて、孤独のままただ思いを殺して生きている子ども達がいます。

 

村内先生は、そんな子ども達の前に臨時教員として現れて、彼らに寄り添い、本当の気持ちを理解しようとし、「そばにいること」「ひとりぼっちじゃないこと」を伝えようとします。

「先生は、ひとりぼっちの。子の。そばにいる、もう1人の、ひとりぼっちになりたいんだ。だから、先生は、先生をやってるんだ」

吃音で教師には向いていないと思われる村内先生が、教師を続ける理由です。

 

「たいせつなことと、正しいことって、違うんですか?」

生徒がそう問いかける場面があります。

 

村内先生は、「よく分からないけど・・・」とした上で、

「たいせつじゃないけど、正しいこと、あるよな。

しょうがなくても正しいこと、やっぱりあるし、ほんとうは間違っているのに正しいことも、あるよな。

正しくなくてもたいせつなことだって、あるんだ。

でも、たいせつじゃない、たいせつなことは、絶対にないんだ。」

恐らく何度もつっかえながらだと思いますが、そう答えました。

 

村内先生が子ども達に伝えてきた「たいせつなこと」

その言葉の奥に脈打っているのは、

「誰もが、そして、あなた自身が大切な存在なんだよ」ということだと思います。

 

そのことを伝えて、また次の学校へと去っていく、村内先生こそが「青い鳥」だったのでした。


プレイセラピーの先生

2017年02月18日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

昨年の1月から息子のプレイセラピーを担当してくださっている先生が、この3月で退職されることになりました。

4月以後、後任の先生が見つかるまで、またプレイセラピーはお休みになるかもしれません。

 

この2年間で3人のプレイセラピーの先生が退職されることになり、3人とも若い男の先生でしたが、改めて難しい仕事なんだと思いました。

今の先生は、息子の話を聞く限りでは、口数が少なくて自分からはあまり話をされない方で、ボールの蹴り合いをしながら、息子の話を静かに聞いてくれていたそうです。

1時間みっちり、文句も言わずにボールの蹴り合いをしてくれるので、息子は満足していたようです。

時には、友達に腹が立ったことなんかも、先生に聞いてもらっていたようです。

 

最近、息子は全く外に遊びに行かなくなりました。

学校でも調子が悪く、授業を抜けて、通級教室や保健室で休んでいることもあるようです。

サッカースクールにも、今週は、調子が悪くて参加することが出来ませんでした。

とにかく、「しんどい」「疲れた」と、言っています。

 

そんな状態ですから、プレイセラピーで先生と一緒に汗びっしょりになってボールを蹴ったりすることは、息子にとって良いストレス解消になっていたと思うので、残念で仕方がありません。

 

先日、以前療育に通っていた「こども発達支援センター」から、来年度から始まるグループ療育のお知らせと申込書が送られてきました。

お知らせには、「グループ療育という形で、自分らしくいられる場所の発見、自立生活に向けて行動や感情をコントロールする、社会性の向上を目指す場所作りをめざします。」と、書かれていて、毎月1~2回、土曜日に療育が行われる他、保護者研修も行われるそうです。

ぜひ息子にも参加してほしいと思いましたが、

「学校だけでもしんどいのに、無理!」と、拒絶されました。

 

しんどくならないための方法を勉強する場所なのですが、土曜日はメンタルクリニックを受診する日もあり、それ以上は絶対に無理で、家でゆっくりしていたいのだそうです。

息子にとって、新しい取り組みに参加することは、私の想像以上にエネルギーを要するのかもしれません。

 

今の息子にグループ療育は無理だとしても、すでに息子にとって毎月参加する場所として定着している「プレイセラピー」だけは、なんとか続けてほしいと思っています。

早く後任の先生が見つかりますように・・・。


元気なら、よし!

2017年02月16日 | 日記

昨日は、久しぶりに実家に帰ってきました。

実家で一人で暮らす弟は、長い間ひきこもったままでいるので、恐らく話をしたりするのは私だけ。

出来る限り実家に帰りたいと思ってはいるものの、ここのところ股関節の調子があまり良くなくて、片道40分の車の運転が心配で、なかなか帰ることが出来ませんでした。

 

久々に家に入ると、弁当やカップラーメン、総菜の入れ物などのプラスチックごみの山。

弟は清潔好きなので、ゴミと言っても全てきれいに洗って乾かしています。

それを所狭しと並べている状態で、どうやら自分一人で生活していると気兼ねすることがないせいか、なかなかゴミ出しまで出来ないようです。

それを一緒にプラスチックごみ専用の袋に入れ、3袋のごみはちょうど次の日が回収日になっていて、翌朝、収集場所に持って行くことになりました。

 

その後、ランチを食べに行って、空のペットボトルをスーパーに持って行くついでに買い物をしたり、市役所に出す書類を書いたり・・・。

息子が学校から帰ってくるまでには家に戻らないといけないので、慌しく、あっという間に帰る時間になってしまいました。

 

家の中は、父親が亡くなってからまだほとんど手付かずの状態で、早く片付けなくてはいけないと思うのですが、時間と体が思うようにいきません。

しかも、弟の中では片付ける順番が決まっているらしく、私が思い付きでちょこっと片付けることは許されないようです。

 

焦ってもしょうがないし、今は無事に生活していくことこそ大切なので、弟の元気な顔を見ることが出来ただけで、「よし」としましょう!

次は、いつ帰ることが出来るでしょうか・・・。

 


「コンビニ人間」

2017年02月12日 | 読書・読み聞かせ

村田沙耶香さんの「コンビニ人間」を読みました。

第155回芥川賞受賞作です。

 

主人公の古倉恵子は、36歳、未婚。

小さな頃から「自分はちょっとおかしい」と自覚があった彼女は、「他人の迷惑にならないように」「家族に迷惑がかからないように」と他者と関わることを避けながら成長していきます。

大学卒業後は就職せずに、コンビニのオープニングスタッフとして働き始め、以来18年、コンビニでアルバイトを続けてきました。

 

コンビニでは全ての仕事がマニュアル化されているので、このマニュアルの存在によって、正常で普通の「店員」になれると実感する恵子。

マニュアルのない部分ではどうすれば普通であるのか分からず、不都合が起きないようにと、職場の人達の行動を所々でコピーして過ごしているのでした。

 

恵子に限らず、人は、自分が生活している社会や周りの人達から影響を受け、その中で「普通」と言われるものを身に付けていくものだと思います。

大多数の人は、ほぼ無意識に、もしくは少し注意して自分流にコピーすることが出来るのですが、恵子のように意識的に努力を重ねてコピーするしかない人もいます。

 

完璧なマニュアルにそって、一生懸命みんなと同じ普通を演じているつもりでも、どこか不自然で、「変わった人」と思われてしまう・・・

なんだか息子のことを考えてしまいました。

 

先日の参観の始めと終わりの挨拶の時、

「よろしくお願いします!」

「ありがとうございます!」

を、大きな声で叫んでいた息子

すでに声変りを済ませた息子の声は、一人だけ低い怒鳴り声のように聞こえてきました。

 

家に帰ってから、

「あいさつは普通の大きさの声でいいんちゃう?」と、私が言っても、

「『あいさつは元気に大きな声で!』って、先生言ってた!」と、譲りません。

「大きすぎてもびっくりするよ。女の子は怖がってるかも・・・。」

と言いましたが、たまに参観する私には違和感があっても、クラスの中では、息子のあいさつはもう「ちょっと変わった『息子の普通』」になっているのかもしれません。

 

家族や友人、同僚など、恵子が「あちら側」と区別する「普通」の世界の人間は、恵子が恋愛も結婚もせず、就職もしないことを心配し、「普通でない」ままでいる理由を探ろうとします。

恵子自身はそのことに全く悩みを感じていないのに、彼らが奇異な目で見ることに悩みを感じて、「普通」であろうとするのです。

 

恋愛しているという「普通」を演じるために、恵子は、コンビニのアルバイトをすぐに首になった男・白羽と「同棲」し、「就職をする」ためにコンビニをやめてしまいます。

しかし、同棲自体が同棲とは呼べるものではなかったし、コンビニで働くために意識的に行っていた食事や睡眠・身だしなみを整えるようなことまで、何のために行うのか意味を見いだせずに疎かになり、彼女は自分で自分をコントロール出来なくなってしまいます。

 

仕事の面接に行く途中にふと入ったコンビニで、まるで本社から来た社員のように店員に指示を出しながらテキパキと店の仕事をやり始めた恵子。

彼女は、コンビニ店員として何をなすべきか、意識や体が勝手に動き出そうとする自分に、面接を断り、「コンビニ人間」として働くことを決意します。

 

小説はここで終わります。

「普通」って何?

私の中には、いつも葛藤があります。

息子が「普通」に困らずに過ごせるようにと、ソーシャルスキルを教え、「こういうときにはこうするんだよ」と教えているけれど、「普通」を強要すれば、息子を「普通でない」と追いつめることになって、強迫性障害を起こさせているのだろうか、と、悩んだりすることもあります。

 

コンビニのバイトであろうと、マニュアル通りスキルを磨き、人の役に立つ仕事をする恵子は立派な社会人だと思います。

衣食住、睡眠、生活の全てが「コンビニで働くため」ということが奇妙でも、仕事や生きがいのために生活の全てを捧げる人はいます。

アスリートなど、道を究める人はそうだと思います。

 

一方、同棲(?)相手の白羽も、恵子と同じ生き辛さを抱えて生きているのですが、「普通」を気にし過ぎて、周りを恨み、歪な感情を膨らませて、「社会から隠してほしい」と恵子にすがる、病んだ人間として書かれています。

彼に引っ張られるように、見せかけの同棲をし、コンビニをやめて就職しようとした恵子でしたが、無理して見せかけの「普通」を繕ったとしても壊れていくだけなのです。

 

ラストの「コンビニ人間」として生きることを決意した恵子は、とても幸せそうでした。

傍からどんなに奇妙に思われても、振り回される必要はないと思います。

「コンビニ」という自分を生かせる場所があるのですから、堂々と、彼女らしく生きていけばいいのです。

 


「まくらのせんにん~そこのあなたの巻~」

2017年02月10日 | 読書・読み聞かせ

2月の1週から2週目にかけて、小学校で読み聞かせを行いました。

今回から、1年生全員、2年生全員、3~6年生の希望者、という形になり、

1年生・2年生は、かがくいひろしさんの「まくらのせんにん~そこのあなたの巻~」「おしくらまんじゅう」

3~6年生は、「ウェン王子とトラ」チェン・ジャンホン 作・絵/平岡敦 訳

を読むことになりました。

 

私は1年生と2年生の「まくらのせんにん~そこのあなたの巻~」を担当させていただきました。

 

まくらのせんにん(枕の仙人)がお弟子のかけさん、しきさん(布団がモチーフ)と散歩をしていると、ぞう、きりん、うさぎ、たこが、謎の穴にはまってもがいていました。

ふんが~ ふんぎ~ ふんぐ~ ふんげ~ と、動物達が抜け出そうと頑張って発する言葉がおかしくて、子ども達は大喜び。

「う~む。こうなったら、『そこのあなた』にたのむしかないな」

と、まくらのせんにんが言うのですが、『そこのあなた』とは・・・。

 

参加型の絵本で、私が「トントントン!」と本をたたくと、子ども達もその場でトントントン!と、げんこつを動かしてくれます。

大盛り上がりの笑顔がいっぱい!

とっても楽しい時間を過ごして、私も元気をいっぱいもらいました。

 

1年生の読み聞かせは、「お~っ!?」とか「わ~っ!」とか、笑ったりびっくりしたりする子ども達の仕草がかわいくて、もう病みつきになりそうです。

1年先輩の2年生は、もちろんかわいいけど、1年でこんなに成長するんだ~と思うくらい、 声を抑えて、でも時々声を出しながら、しっかり聞いてくれました。

 

もう一つのかがくいさんの作品、「おしくらまんじゅう」は、1年生、2年生、それぞれベテランの方が読み聞かせをされました。

読む人によってこんなに感じが変わるのか、と、勉強になりました。

傍で見ていると、「ぎゅ~」とか「ふんっ」とか「ぐにゅ」とか、読む声に合わせて子ども達も一緒に力を入れ、「おしくらまんじゅう」している気持ちになっていることが分かります。

 

かがくいひろしさんが2009年にお亡くなりになられて、次回作を読めないことが本当に残念です。

ユーモアがあってほっこり心が温かくなる、かがくいさんの作品、

ぜひまた、子ども達に読み聞かせさせていただきたいな、と思っています。 

 

 


サッカークラブを退部

2017年02月07日 | 日記(息子・小5)

今日、長い間休部したままになっていたサッカークラブを退部しました。

 

息子がいつか復帰することを希望していたので、ずっとそのままにしていましたが、休部中の会費の返金分を清算することになり、未だ復帰の目途が立たないため退部することになりました。

 

この先、息子が復帰できる状態になれば、再入部すればいいのです。

今の息子の状況では可能性は低いけれど、そう思うことで、クラブ側からの申し出にほっとしました。

私からは、どうしても息子に退部を勧めることは出来ませんでした。

 

どんなにサッカーが好きでも、無理なのでしょうか・・・?

それは、強迫性障害など、不安障害のせい?

心の病気がなければ、発達障害があっても困難を乗り越えられたのでしょうか?

 

中学生になったら、クラブに入ってやっていけるの?

進学は? 就職は?

 

先のことは分かりません。

今を、一日一日を、無事に過ごしていくことが大事なのです。

 

今朝も登校前に30分くらい行き渋りがあり、リスパダールを飲んで、気持ちを落ち着かせて、なんとか学校へと送り出しました。

「何か心配なことある?」と、聞いても、

「分からん? 分からんけど、だいじょうぶかなぁ?って思ってしまうねん。」と。

 

息子は何を不安に思っているのでしょう?

担任の先生に学校での息子の様子を問い合わせたところ、普通に見えて、楽しそうに笑顔が見られる時もある、とのことでした。

いつものことですが、学校へ行けば、何かのスイッチが入るのでしょうか?

 

心配しても何も変わりません。

未来が見えないなら、想像もつかない未来が待っているということでしょう。

すぐ先の未来は分からなくても、ずっと先の未来は幸せであるはずです!

 

サッカークラブを退部して、戻ってきた3万円。

さてさて、心配よりも、このお金の有意義な使い方を考えることにしましょう!


抑肝散加陳皮半夏

2017年02月06日 | 息子の広汎性発達障害と強迫性障害、適応障害

土曜日は、息子のメンタルクリニックの日でした。

 

先生に調子を聞かれて、

「う~ん・・・」と、黙り込んで、

「良くなってるのか悪くなってるのか、全然分からん。。。」

と、答えていました。

 

なので、私が、

頭痛や震えなどはなくなったようですが、不安確認は増えたように思います。

今まで、サッカースクールの方は問題なく通えていたのに、ソックスやレガースの角度が気になって練習に集中できなかったり、コーチに怒って、物を蹴飛ばして壊してしまったりしました。

朝、学校に行くのもしんどそうで、『鉛筆入ってる?』『プリント入ってる』と、心配そうに聞いてきます。」

 

「そうですか・・・。」

と、先生も困った顔で、

「一度、漢方薬を試してみませんか?」

と、聞かれました。

「漢方薬ですか。飲みにくそうですね。」

と、私が言うと、

「確かに独特の味と匂いがあります。」と・・・。

 

「飲んでみる?」

と、息子に聞いたところ、頷いたので、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)という漢方薬が処方されることになりました。

漢方薬の名前って、何かの呪文のような響きがありますね。

小児夜泣きや小児疳症(神経過敏)などの症状にも効く薬だそうです。

 

「漢方薬は、他の薬との飲み合わせは比較的副作用がないのですが、漢方薬どうしの飲み合わせで肺炎になったりすることがありますので注意してください。

というような説明がありました。

 

「リスパダールOD錠0.5mg(1錠)と、レクサプロ錠7.5mg(3/4錠)」 に加えて、「ツムラ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒2.5g」が追加され、夕食後にレクサプロと一緒に服用することになりました。

 

漢方薬は、顆粒です。

ついこの間まで、粉薬が飲めなかった息子。

案の定、息子はその飲みにくさに悶えていました。

「後からくる~」

と、顔をしかめて何度も水を飲んでいましたが、「飲めない!」とは言いませんでした。

 

治したい!!

強い思いがあるからです。

 


おみやげいっぱい社会見学

2017年02月04日 | 日記(息子・小5)

社会見学から帰って来た息子は、インクの匂いでいっぱいでした。

朝日新聞社で夕刊を作っているところを見学させてもらったらしく、ハグしに来た息子の髪にも服にもインクの匂いが染みついていました。

 

息子がまず得意そうに私に見せたのは、インスタントラーメン発明記念館で作った「オリジナルのカップヌードル」でした。

 

カップラーメンが潰れないように空気のショルダーバックに入っていて、ばあばに見せるまでは開けないそうです。

カップには、息子の好きなアニメの「鷹の爪」のキャラクターとセリフが書かれています。

カレーベースのカップラーメンに、エビや卵や肉の他、キムチやチーズなど、普段息子があまり得意としない具材まで入れたそうで、いったいどんなお味になっているのでしょう。

おいしいのかな・・・? いや、おいしいはず!!

 

朝日新聞社では、出来立てほやほやの夕刊の他、その日の小学生新聞、それになんといっても、新聞社の前で撮った息子のクラスの集合写真を大きく載せた「朝日新聞社見学記念新聞」をいただきました。

子ども達が見学している間に作ってくださったそうで、これは、記念になります!

しかも、新聞がくしゃくしゃにならないようにクリアファイル付きで、ボールペンや缶バッチと一緒にドラえもんのビニール袋に入れて持って帰ってきました。

 

どちらの会社からも「探検ツアー」などの冊子をいただきましたが、息子の興味があるのは「マイカップヌードル」だけ

新聞を含めて他のものは、全て放ったらかしになっています。

 

息子に感想を聞いたところ、

「ず~っとマスクせんなあかんかったから、しんどかった!」

と、言っていました。

 

社会見学中にも具合が悪くなった児童が何人か途中で帰ることになり、息子の隣のクラスはとうとう学級閉鎖になってしまいました。

インフルエンザが流行り、残念なことになってしまった子ども達がたくさんいる中で、社会見学から帰って来た息子の表情はとても晴れ晴れとしていました。

 

頑張って行って、良かったね!!