息子は、翌朝、まだ少し不安な様子でしたが、自ら薬を飲んで心を落ち着け、学校へと出発しました。
先生からのお電話の後、私はずっと考えていました。
黙って見守るべきなのか、息子と話をするべきなのか。
どんな風に話をしたらいいのか・・・。
その日の夜も、息子は寝室に入って1時間以上経つものの、まだ眠れずにいました。
我が家はまだ、親子3人川の字で寝ています。
息子は、2段ベッドに憧れて下が収納になっているシステムベッドを買ったものの、未だにベッドから落ちる程の寝相の悪さで、危険を感じて昼間起きてるときに寝転ぶぐらいにしか使っていません。
お陰で親は、夜中に蹴られ、腕が振り下ろされたりと、大きくなった息子の攻撃により日に日にダメージが大きくなっているのですが・・・。
眠れずにいる息子に聞いてみました。
「学校で、何か嫌なことあった?」
息子は、
「ううん。だいじょうぶ。」
と、言うだけでした。
「先生から電話あってな、〇〇のこと心配してたで。
『きもっ』って、女子に言われてたんやて。」
息子は、何も言いません。
「目が合っただけで『きもい』言うんやったら、顔あげてられへんやんな~。
こっちは見るつもりもないのに、どうせい言うねん?
学校来るなって言うことなんか?
こっちが聞きたいわなぁ!」
息子は、ちょっと驚いたように私の顔を見て、腕にぎゅ~っとしがみついてきました。
「そんなん言うのは間違ってる、人を傷つけるようなことはしたらあかん、って、
先生、女子にちゃんと話したって言ってるから、もうそんなこと言う子はおれへんで。
もし、まだ言う子がいてたら、ママか先生に言ってや。許さへんから。」
「〇〇も、人の嫌がることはしたらあかんで。
女の子は、特に体を触られたりしたら嫌やからな。」
と、言うと、
「答書くのに必死やったから、つい、ぱっとつかんでしまってん。」
と、息子は言いました。
「そやな。つかんでしまったんやな。。。
でも、女子は特に、男子に体に触れられたり、近くに寄られ過ぎただけでも嫌~な気持ちになるから、そのことは気を付けよ。
目が合っただけでどうこう言うのは、〇〇は何も悪くないからな!」
私の腕から息子の手が離れました。
自分の布団に戻り、驚いたことに、数分と経たないうちに息子の寝息が聞こえてきました。
もしかすると、一連の出来事をどうとらえたらいいのか、息子自身が理解出来ずに悩んでいたのかもしれません。
何が悪いのか、悪くないのか、反省すること、しなくていいこと、どうしたらいいのか・・・。
息子には、言葉にして明確にしてあげる必要があると思いました。
状況を判断したり、人の気持ちを推し量ったり、予想したり想像することが難しい息子。
その上、もののとらえ方が一部に集中してしまうため、全体が分かり辛い傾向があります。
分からないことが、一番の不安になるのかもしれません。