Seasons

花鳥風月を撮りつづけると季節の移り変わりがわかるかも
でも風を撮るのはむつかしいので花鳥虫月だという噂も・・・

ハマギク

2007-10-31 | 写真
ハマギク(浜菊)=【Chrysanthemum nipponicum


キク科ハマギク属

生活型:低木状多年草

わが国の本州、茨城県から青森県の太平洋側に分布しています。
日当たりの良い断崖や砂浜に自生し
高さは50~80センチになります。
葉は匙形で枝先に集まって互生し
縁に波状の鋸歯があります。
葉柄はありません。
9月から11月ごろ
長い花柄の先に白い頭状花を咲かせます。
頭花の大きさは野生キクの中では最大で6cmあります。
花が美しくて育てやすいので
古くから観賞用に利用されてきました。
江戸時代初期(1681年)に出版された「花壇綱目」に
浜菊として紹介されています。

英名は Nippon daisy

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           秋が深まりハマギクが満開に

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          長い花柄の先に白い頭状花



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古今和歌集  秋歌

世中のはかなきことを思ひけるをりに
菊の花をみてよみける
                      紀貫之
276
 秋の菊にほふかぎりはかざしてむ
 花より先としらぬわが身を






イヌタデ

2007-10-30 | 写真
イヌタデ(犬蓼、アカマンマとも)=【Persicaria longiseta

タデ科イヌタデ属

生活型:一年草

わが国の各地と朝鮮半島、中国に分布しています。
どこにでもよくある雑草です。
道端や畑、荒れ地などに生え
高さは30~40センチになります。
花期は6月から10月ごろ。
昔はアカマンマと呼んで「ままごと」にも使いました。
「オオイヌタデ(大犬蓼)」より小さくて
花穂が短くて垂れません。

英名はありません。


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古今和歌集 巻第四 秋歌上

題しらず
            よみ人しらず
246
 ももくさの花のひもとく秋の野に
 思ひたはれむ
 人なとがめそ





コセンダングサ

2007-10-29 | 写真
コセンダングサ(小栴檀草)=【Bidens pilosa


キク科センダングサ属

生活型:一年草

世界の暖帯から温帯にかけて広く分布しています。
わが国でも
すでに明治時代には
近畿地方でかなり広く帰化していました。
荒れ地や河原に生え
高さは50~100センチになります。
葉は3全裂または羽状に全裂します。
9月から11月ごろ
上部の枝先に目立たない黄色い筒状花を咲かせます。
舌状花はありません。
花後の痩果(そうか)の先端には2~4個の逆棘のある芒があり
これが動物の毛などにからまって種子が散布されます。

英名は Hairy begger-ticks, Spanish needles


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古今和歌集 巻第五 秋歌下

人の前栽に菊にむすびつけてうゑけるうた
                           在原なりひらの朝臣
268
 うゑしうゑば
 秋なき時やさかざらん
 花こそちらめ
 ねさへかれめや






セイタカアワダチソウ

2007-10-28 | 写真
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)=【Solidago altissima



キク科アキノキリンソウ属

生活型:多年草

北アメリカが原産です。
わが国では明治時代に観賞用として導入され
第二次大戦後に全国に帰化が広がりました。
川岸や荒れ地などに群生して生え
高さは2メートルほどになります。
葉は披針形で先端が尖り
短い毛があってざらつきます。
10月から11月ごろ
茎頂に大きな円錐花序をだし
鮮やかな黄色い花を咲かせます。

英名は Tall goldenrod

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古今和歌集  恋歌

題しらず

             紀貫之
583
 秋の野にみだれてさける花の色の
 ちぐさに物を思ふころかな






ヒイラギナンテン

2007-10-27 | 写真
ヒイラギナンテン=【Mahonia japonica


メギ科ヒイラギナンテン属

生活型:常緑低木

中国からヒマラヤ、台湾が原産です。
わが国へは江戸時代のはじめに渡来しました。
高さは3メートルほどになり
葉は奇数羽状複葉で「ヒイラギ」に似ています。
生活型では常緑ですが、赤や黄色に紅葉します。
3月から4月ごろ
茎頂から総状花序を数個だし黄色い花を咲かせます。
花の写真は
こちら
果実は腋果で
6月から7月に黒紫色に熟し粉白を帯びます。
果実の写真は
こちら

英名は Japanese mahonia





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新千載和歌集  秋歌

                  永福門院
550
 秋霧のむらむら晴るる絶え間より
 ぬれて色こき山のもみぢ葉






Paul Theroux : HOTEL HONOLULU

2007-10-26 | 本と雑誌
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         Paul Theroux の2001年の作品

The Happy Isles of Oceania で述べている
離婚したあとの傷心を
Hawaii で癒しつつ綴った長編。

小説を書くのを止めたPaulが
糊口をしのぐために
HOTEL HONOLULUのマネジャーになり
その過程で
眼にしたり耳にしたりした出来事を記録するという
体裁で書かれています。

目次は以下の通りです。

01.Paradise Lost
02.Castaways
03.Birdsong
04.Rose
05.Baptism
06.The Lovers Upstairs
07.Miranda the Carpnter
08.Child's Play
09.The Limping Waiters
10.A Game of Dice
11.Love Letters in the Pending File
12.Sex, Thirdhand
13.The Prevision of Hobart Flail
14.The Key Chain
15.Madam Ma
16.Chip
17.Rose's Rival
18.The Return of Amo Ferretti
19.Crime of Passion
20.Rapture
21.Insecticide
22.Nevermann the Searcher
23.Infidel
24.The Seductress
25.Hopecraft
26.Puamana's Cat
27.Mortification
28.Naked Strabgers
29.The Widow Mrs.Bunny Arkle
30.Local Color
31.Christmas Cards
32.Ms.Furman's Honeymoon
33.Happy Funeral
34.Courtship in Manila
35.Story Time
36.Another Death
37.Joker Man
38.Trainee
39.Truck Whore
40.Hearts of Palm
41.Mr. and Mrs.Sun
42.Henry James in Honolulu
43.Rocket Men
44.The Real Thing
45.Camera Obscure
46.Domination
47.The Dream House in Kahala
48.The Happiest Man in Hawaii
49.aloha.net
50.Rain
51.Dinnertime
52.Visiting Darkness
53.Departure Gate
54.Triple Word Score
55.Love Is a Girl
56.Drop-In
57.Waterspout
58.First Love
59.The Private Party on Mauka Kea Street
60.Dog Lovers
61.A Chinese Story
62.The Sexual Life of Savages
63.Family Affairs
64.The Hook
65.Invasive Procedure
66.Aftercare
67.Full House
68.Owner's Suite
69.Human Remains
70.Hawaiian Snow
71.Brudda Iz
72.Stand-in
73.Hersay
74.An Impossible Story
75.Sand
76.Buddy's Big Night
77.The last Laugh
78.Ashes
79.New Managemant
80.Rock Happy

以上の80の短編が次から次へとつながって行くと
最後にそれらが綾なす
曼荼羅の世界が見えてきます。
地獄絵かも知れませんが・・・

ペーパーバック版で417ページの大作です。


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    これがへそ曲がりのPaul Theroux先生



ハワイで余生を送るのが
私の夢でしたが
これを読んだら
止めておいた方がよさそうな
気がしてきました。

なぜだろう
なぜかしら
あはは
あはは








ナワシログミ

2007-10-26 | 写真
ナワシログミ(苗代茱萸)=【Elaeagnus pungens



グミ科グミ属

生活型:常緑低木

わが国の本州、中部地方以西から四国、九州
それに朝鮮半島や中国に分布しています。
山地に生え
高さは2~3メートルほどになります。
小枝が棘に変形します。
葉は皮質の長楕円形で
縁が波打ち互生します。
10月ごろ、葉腋に淡い黄白色の花を咲かせます。
花弁のように見えるのは萼片です。
実は翌年の4月から5月ごろ
ちょうど苗代をつくる時期に赤く熟します。
材はねばり強く
道具の柄やいろりの自在かぎなどに使われます。

英名は Spotted elaeagnus, Thorny elaeagnus


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新古今和歌集  秋歌

               式子内親王
432
 秋の色は籬(まがき)にうとくなりゆけど
 手枕なるる閨(ねや)の月かげ







松任谷由実:Seasons Colours -秋冬選曲集-

2007-10-25 | 音楽
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      松任谷由実:Seasons Colours -秋冬撰曲集-



2007年3月7日にリリースされた
春夏選曲集に引き続き
2007年10月24日にリリースされた
デビュー35周年記念企画です。
そうですか
35周年・・・
そんなに経っちゃったのですか
あは
あは


秋と
冬にちなんだ
懐かしい
ユーミンの曲が
秋と冬
それぞれ17曲づつコンパイルされてます。

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どうですか
懐かしい曲があるでしょう。


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このアルバムは
例えてみれば
タイムマシン
あなたを
その頃に連れて行ってくれますよ
あはは
あはは。








ジョロウグモ

2007-10-25 | 写真
ジョロウグモ(女郎蜘蛛)=【 Nephila clavata



クモ綱クモ目アシナガグモ科ジョロウグモ属

夏から秋にかけて
もっとも目立つクモです。
北海道を除く日本、朝鮮、台湾、中国に分布します。

大きさは ♀ 20-30mm ♂ 6-10mm

ジョロウグモは漢字で「女郎蜘蛛」と書きますが
古代,身分の高い女官の上臈(ジョウロウ)になぞらえ名づけたとも
いわれています。

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                 背中

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                  腹

おどろおどろしい
配色ですが
これも
自然のなせる技









ノコンギク

2007-10-25 | 写真
ノコンギク(野紺菊)=【Aster ovatus var. ovatus



キク科シオン属

生活型:多年草

わが国の本州から四国・九州に分布しています。
日当たりのよい山野から亜高山帯に
ふつうに見られる野菊のひとつです。
高さは50~100cmになります。
葉は広披針形または長楕円形で
両面に短毛が生えてざらつきます。
縁には疎らに大きな鋸歯があります。
同じキク科のヨメナ(嫁菜)とともに
若葉が食用にされます。
慮種はよく似ていますが
葉がざらついているのが本種を見分けるポイントです。
8月から11月ごろ
茎頂に散房花序をだし
頭花を咲かせます。
舌状花は青紫色から淡紫色、白色などで
総苞は半球形
総苞片は3列並びです。
名前は、野に咲く紺色の「キク」ということから。

英名は Wild chrysanthemum



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             ほぼ白色の舌状花

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古今和歌集  巻第五 秋歌下

世の中のはかなきことを思ひけるをりに
菊の花をみてよみける
                          つらゆき
276
 秋の菊にほふかぎりはかざしてん
 花よりさきと知らぬわが身を


しらぎくの花をよめる
                      凡河内みつね
277
 心あてに
 折らばや折らん
 初霜のおきまどはせるしらぎくの花






フジバカマ

2007-10-24 | 写真
フジバカマ(藤袴)=【Eupatorium fortunei


キク科フジバカマ属

生活型:多年草

生育地:川の土手。
     自生のものは肥えた土の堆積した
     土手などに生える。
分布:本州(関東以西)~九州
花色:淡紅紫色、白色(総苞の色)
    栽培品は色が濃いが自生のものは淡い
    筒状花はほとんど白い。
花のつき方
   :上部で多数に分岐した先につく
花びら:舌状花なし、筒状花5個
花の大きさ:総苞長7~8mm
葉の形:長だ円形、端にするどいぎざぎざがある
     三深裂するが、上部の葉は裂けない
葉のつき方:対生
茎の高さ:1~1.5m
秋の七草のひとつで
日本のものは奈良時代に中国から渡ってきたと考えられています。
自生のものは極端に少なく
絶滅危惧種に指定されています。



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                 淡紅紫色



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           今年は白色のものより開花が遅い

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               上部の葉は深裂しない


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                  白色

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                三深裂している葉




古今和歌集 巻第四 秋歌上

これさだのみこの家の歌合によめる
                       としゆきの朝臣
239
 なに人かきてぬぎかけし
 藤袴(ふぢばかま)
 くる秋ごとに野べをにほわす


ふぢばかまをよみて人につかはしける
                        つらゆき
240
 やどりせし人のかたみか
 藤袴(ふぢばかま)
 わすられがたき香ににほひつつ


ふぢばかまをよめる
                       そせい
241
 主(ぬし)しらぬ香こそにほへれ
 秋の野にたがぬぎかけし藤袴ぞも






キバラヘリカメムシ

2007-10-23 | 写真
キバラヘリカメムシ=【Plinachtus bicoloripes



半翅目ヘリカメムシ科

体長14~18mm。
足の付け根
腹部とその縁は
黄緑の蛍光色のように見えます。
幼体は黄緑色ですが
完全な成虫になると黄色くなります。
ニシキギ、マユミなどの実に付きます。

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             4齢幼虫と5齢幼虫

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                 5齢幼虫と
             翼があるニシキギの枝

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          成虫がニシキギ(錦木)の実につく







ニシキギ

2007-10-23 | 写真
ニシキギ(錦木)=【Euonymus alatus

ニシキギ科ニシキギ属

生活型:落葉低木

木の高さは、2~3mになります。
花期は5~6月で
花色は淡緑色、花びらは4枚、大きさは6~7mmです。

果期は9月から10月で
長さ8mmの狭倒卵形のさく果です。
熟すと裂けて
朱色の皮に包まれた種子が現れます。
11月には真っ赤に紅葉します。
枝にコルク状の翼が発達するものをニシキギ
発達しないものをコマユミといいます。

英名は Burningbush

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     熟すと裂けて、朱色の皮に包まれた種子が現れる

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           紅葉というにはまだ少し早い

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          5月ごろ咲いていた地味な花




新古今和歌集  巻第四 秋歌下

紅葉透霧といふことを
                 高倉院御歌
524
 薄霧のたちまふ山のもみぢ葉は
 さやかならねどそれと見えける





McCoy Tyner

2007-10-22 | 音楽
McCoy Tyner
が来月2007年11月に来日します。

なので
Nights of Ballads & Blues
という
昔々のアルバムを聴いて
予行演習(←なんのかって?内緒でんがな うっしっし)

ライナーノートによりますと
 Recorded March 4, 1963
おお
1963年って40年以上前
えらい昔でんがな。

プレイヤーは以下の三人
 McCoy Tyner (p)
 Steve Davis (b)
 Lex Humphries (ds)

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               昔のあなたは若かった

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         この頃のレーベルはもちろんイムパルス
            後にブルーノートに移ります

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           収録されているのはこんな曲
    この中では、ブルーモンクがモンクご本人の演奏と
         全く別物になっているのが笑えます


フィラデルフィアの地縁から
1960年に始まるコルトレーン・カルテットに入って
ピアニストをしていた時代
別のバンドを組んでリーダーとして収録した3作目だそうです。
肩の力が抜けていて
のんびりして
いい感じ。

来月の生演奏が楽しみです。











オオシマザクラ

2007-10-22 | 写真
オオシマザクラ(大島桜)=【Prunus speciosa



バラ科サクラ属

生活型:落葉高木

わが国の本州、房総半島や伊豆半島
それに伊豆諸島に分布しています。
「カスミザクラ(P. verecunda)」の海岸型か
島嶼型と推定されています。
葉は楕円形から倒卵形で重鋸歯があり、互生します。
3月から4月ごろ
葉の展開とともに
芳香のある一重の白い花を咲かせます。
この若葉の塩漬けは桜餅を包むのに使われ
主に西伊豆でつくられています。

英名はありません。


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          10月、まだ冷え込む前の狂い咲き

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       上記の解説より長々しくもっともだと思える学名
              最後のMakinoは
         「日本の植物学の父」と讃えられている
            牧野富太郎博士でしょう
 



古今和歌集  巻第二 春歌下

亭子院の歌合のはるのはてのうた
                       みつね
134
 けふのみと春をおもはぬ時だにも
 立つことやすき花のかげかは