Seasons

花鳥風月を撮りつづけると季節の移り変わりがわかるかも
でも風を撮るのはむつかしいので花鳥虫月だという噂も・・・

キキョウ

2007-08-31 | 写真
キキョウ(桔梗)=【Platycodon grandiflorum



キキョウ科キキョウ属

生活型:多年草

わが国の各地をはじめ
朝鮮半島や中国北部に分布しています。
日当たりのよい草地に生え
高さは50~100センチになります。
古くは「アサガオ」と呼ばれていたそうで
山上憶良の歌

 朝顔は朝露負ひて咲くといえど
 夕影にこそ咲き増さりけり

にも登場している朝顔は桔梗であると推測されています。
お屠蘇の材料や
乾燥した根を桔梗根(ききょうこん)と呼び
たん去りの妙薬として利用されています。

英名は Baloon flower

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後拾遺和歌集  秋歌

あさがほをよめる
                和泉式部
317
 ありとてもたのむべきかは
 世の中をしらする物は朝がほの花




こちらで詠まれている「朝がほの花」は
当てにならない象徴みたいなので
昼には萎んでしまう
現代のアサガオのようです。





パンパスグラス

2007-08-30 | 写真
パンパスグラス (白銀葭) =【Cortaderia argentea


イネ科コルタデリア属

生活型:多年草

南アメリカが原産です。
広大なパンパスの平原に大群落を形成しています。
わが国へは明治時代の中頃に渡来しました。
8月から10月ごろ
長さ2~3メートルの花茎をだして
銀白色の花穂をつけます。
別名は「しろがねよし(白銀葭)」ですが
「しろすすき(白薄)」とも呼ばれるようです。

英名は Pampas grass

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玉葉和歌集  秋歌
                    永福門院
528
 尾花のみ庭になびきて
 秋風のひびきは峯の梢にぞきく





上野:国立科学博物館

2007-08-29 | まち歩き
上野にある
国立科学博物館
改装が終わったので
久しぶりに
覗いてみました。


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             昔からのおなじみ
        実物大のシロナガスクジラのモニュメント


建設当初からのステンドグラスが
きれいです。


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          日本館(本館)中央ホール中央部

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            日本館中央ホール東壁

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            日本館南階段ホール天井


化粧直しが終わった建物の見物のほかに
覗いた目的はこれ(↓)でした。

インカ、マヤ、アステカ
といっても
どれがどこのいつの時代だか
分からないままの入場で
夏休みの大混雑というのもありまして
あれまあれま
という間に
出てきちゃいました。

人身御供の習慣だとか
スペインに滅ぼされちゃう末期とか
なんだか
つらい文明だな・・・・・

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インカでは
文字がない
とか
繩の結び目で記録した
とか
習った覚えがありましたが
マヤには
象形文字があったとか。
「バカス」が単語が「最高」という意味なのを
覚えたのが収穫です
あはは
あはは





ハマユウ

2007-08-27 | 写真
ハマユウ(浜木綿)=【Crinum asiaticum var.japonicum


ユリ科ハマオモト属

生活型:常緑多年草

わが国の本州、関東地方以西から、四国、九州に分布しています。
海辺に生え、高さは50~80センチになります。
帯状の大きな葉を広げます。
7月から9月ごろ、太い花茎を伸ばして、白い花を咲かせます。
花には芳香があり
別名で「ハマオモト (浜万年青) 」とも呼ばれます。

英名はありません。



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             ハマユウの花芽

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             ハマユウの結実
       実が重いのか地面に倒れ込んでます





俊成卿女集補遺

海辺秋月
              藤原俊成卿女

 波のうへはちさとのほかに雲さえて
 月かげかよふ秋のしほ風





ブラシノキ

2007-08-26 | 写真
ブラシノキ=【Callistemon speciosus


フトモモ科ブラシノキ属

生活型:常緑中低木

原産地はオーストラリアです。
明治中期に渡来し、暖地で栽培されています。
実は、枝にリング状にずらっとついて並びます。
翌年の花はその上部に咲き、実は次々と何年も残ります。
花のあとにつく実は、その後もずっと大きくなりつづけ
7~8年は枝についていて発芽能力も持ち続けます。
もともと乾燥地が原産地のため、
極端な乾燥や山火事のときに破裂するように実が開き、
中の細かい種子が風に飛んで散布されるというしくみです。
真っ赤なブラシのように見えるのは、雄しべと雌しべです。
初夏と、同じような気候になる秋にも花を咲かせます。
和名は、花がビン洗いのブラシにそっくりなところから。
別名で「きんぽうじゅ(錦宝樹)」とも呼ばれます。

英名は Scarlet bottlebrush

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         立秋以降に咲きはじめました

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式子内親王集  秋歌
                式子内親王

 秋きぬと荻の葉風のつげしより
 思ひしことのただならぬ暮





キクイモ

2007-08-25 | 写真
キクイモ(菊芋)=【Helianthus tuberosus


キク科ヒマワリ属

生活型:多年草

アメリカ中部のグレートプレーンズ(Great Plaines)が原産です。
わが国へは江戸時代の末期に渡来しました。
塊茎にはイヌリンが含まれるため
果糖やアルコールの原料、家畜の飼料として
世界各地で栽培されています。
わが国では現在、ほとんど栽培されていませんが
野生化してあちらこちらで見られます。
高さは1.5~3メートルになり
7月から10月ごろ
黄色い花を咲かせます。

英名は Jerusalem artichoke


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山家心中集  恋歌
                西行法師

 夏草のしげりのみゆく思ひかな
 待たるる秋のあはれしられて





空蝉

2007-08-24 | 写真
これは
アブラゼミ(油蝉)=【Graptopsaltria nigrofuscata
カメムシ目(半翅目)ヨコバイ亜目(同翅亜目)セミ科
の抜け殻でしょう。


<以下は大辞林から引用>

《「うつしおみ」が「うつそみ」を経て音変化したもの》

1 この世に現に生きている人。転じて、この世。うつしみ。
・ 「いにしへもしかにあれこそうつせみも妻を争ふらしき」〈万・一三〉

2 《「空蝉」「虚蝉」などの字を当てたところから》蝉の抜け殻。
 また、蝉。《季 夏》「空蝉を妹が手にせり欲しと思ふ/誓子」


<引用終わり>


ふむふむ
せみの抜け殻
というのは
第二義だったのね。



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         空蝉の身をかへてける木(こ)のもとに
          なほ人がらのなつかしきかな
            〈源氏物語・空蝉〉











ネムノキ

2007-08-24 | 写真
ネムノキ(合歓木) =【Albizia julibrissin


ネムノキ科ネムノキ属

生活型:落葉高木

わが国の本州から四国・九州、
それに朝鮮半島や中国、南アジアに分布しています。
河岸や原野に生え、高さは10メートルほどになります。
葉は2回偶数羽状複葉で、夜になると閉じます。
名前もこの「眠の木」から。
6月から7月ごろ
枝先に淡紅色の花が10~20個集まって咲きます。
花弁は小さく、雄しべが長く突き出して目立ちます。

英名は Mimosa

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              これは実の写真

花の写真は
こちら



拾遺愚草  夏歌
             藤原定家

 うつり香の身にしむばかり契るとて
 扇の風の行へたづねば





セイヨウフウチョウソウ

2007-08-23 | 写真
セイヨウフウチョウソウ (西洋風蝶草)=【Cleome spinosa


フウチョウソウ科フウチョウソウ属

生活型:一年草

南アメリカが原産です。
高さは1メートルほどになります。
葉は掌状複葉で葉柄があり互生します。
小葉は長楕円形です。
7月から10月ごろ
茎の先の総状花序に白色やピンク
紅紫色の花を咲かせます。

英名は Spider flower


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詞花和歌集  秋歌

題しらず
            和泉式部
109
 秋吹くはいかなる色の風なれば
 身にしむばかりあはれなるらん







モミジアオイ

2007-08-22 | 写真
モミジアオイ(紅葉葵)=【Hibiscus caccineus



アオイ科フヨウ属の多年草

北アメリカの東部が原産です。
沼や湿原に自生しています。
高さは1~2メートルほどになり
8月から9月ごろ大輪の真紅の花を咲かせます。
太い根茎で越冬します。
名前は、葉が「モミジ」のように深く3~5裂して
「アオイ」の仲間ということから。

英名は Scarlet rose mallow


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新古今和歌集 巻第四 秋歌

百首歌奉りし時
               二条院讃岐
540
 散りかかる紅葉の色はふかけれど
 渡ればにごる山川の水






伝法院の鳩

2007-08-21 | まち歩き
東京浅草の
伝法院通りにあった
天水桶。

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そこに面白い意匠。

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         実際には天水桶に模したガスメーターの
             カバーの覗き窓の蓋



伝法院の「伝」の字が
餌をついばんでいるのか
何か悪だくみを相談しているのか
浅草寺につきものの
一群の鳩の絵で
書いてある
あはは
あはは






キョウチクトウ

2007-08-21 | 写真
キョウチクトウ(夾竹桃)=【Nerium indicum


キョウチクトウ科キョウチクトウ属

生活型:常緑低木

インドから地中海沿岸にかけてが原産です。
わが国へは江戸時代に渡来しました。
高さは4~5メートルほどになり
厚い皮質の葉を3枚ずつ輪生させます。
夏の間じゅう
枝の先に集散花序をだして
紅色の花を咲かせ続けます。
花色はピンクや白色もあります。
葉や樹皮には強心成分が含まれるため
食べると嘔吐や目眩、下痢などを起こします。
潮風に強いので
海岸沿いによく植栽されます。

英名は Oleander, Rose laurel



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              これは白花

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        キョウチクトウは一重の白花が好きです

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三百六十番歌合  秋歌
               式子内親王

 夕まぐれそこはかとなき空にただ
 あはれを秋の見せけるものを





オトコエシ

2007-08-20 | 写真
オトコエシ(男郎花)=【Patrinia villosa


オミナエシ科オミナエシ属

生活型:多年草

わが国の各地をはじめ朝鮮半島や中国に分布しています。
山地の草原や道ばたなどに生え
高さは1メートルほどになります。
茎には全体に毛が多く
葉は羽状に深裂したり、分裂しないものがあります。
8月から10月ごろ
茎の上部で分枝して
小さな白い花をいっぱいに咲かせます。
名前は、「オミナエシ(女郎花)」と対でつけられたもので
男性的で強壮な感じがすることから。
果実には丸い団扇のような翼があります。

英名はありません。


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新古今和歌集 巻第四 秋歌上

題しらず
               小野小町
336
 たれをかもまつちの山の女郎花
 秋とちぎれる人ぞあるらし

               藤原元真
337
 女郎花野辺のふるさとおもひ出でて
 宿りし虫の声や恋しき


おとこえしの歌がないのが残念です
あはは
あはは





ヒガンバナ

2007-08-19 | 写真
ヒガンバナ(彼岸花)=【Lycoris radiata



ユリ科ヒガンバナ属

生活型:多年草

中国南部の長江下流域が原産です。
わが国へは「イネ」が伝わった縄文晩期に渡来しました。
今では秋田・岩手県以南から
沖縄まで広く分布しています。
ただ北日本には少ないそうです。
鱗茎にはデンプンが含まれ食用にもなりますが
アルカロイドが含まれるため
十分に水に晒すことが必要です。
昔は飢饉に備えて
堤防や田んぼのあぜ道などに植えられました。
名前は、秋のお彼岸のころに咲くことから。
別名で「マンジュシャゲ(曼珠沙華)」とも呼ばれます。
線形の葉は
花の後にでて束生しますが
翌春になると枯れてしまいます。
花と葉を同時に見ることはできません。
このことから
「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味をこめて
韓国では「サンチョ(相思華)」と呼んでいます。

英名は Red spider lily, Hurricane lily

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続後撰和歌集  秋歌
               藤原定家朝臣
248
 秋とだに吹きあへぬ風に色かはる
 生田の杜の露の下草