日本庭園こぼれ話

日本の歴史的庭園、街道、町並み。思いつくままに
Random Talks about Japanese Gardens

京都・紅葉の中の名園(終)=南禅院(南禅寺塔頭)(改編)

2021-11-07 | 日本庭園

前記の「天授庵」に加えて、もう一ヶ所、南禅寺で紅葉の美しかった塔頭がありました。それが「南禅院」です。

南禅寺境内の一画に、ローマの遺跡と見間違いそうな、赤レンガの巨大アーチがあります。ここだけが別世界のようなそれは、明治時代の琵琶湖疏水の水路橋。(下の写真)

 

 

 

 

 

 

 

 

アーチをくぐって、石段を上ったところにあるのが南禅院です。亀山天皇の離宮跡で、南禅寺発祥の地ということ。当時の面影をよく残すといわれる池泉回遊式庭園は、深い樹林に包まれ、幽邃かつ典雅。(下の写真)

 

離宮であった前身を物語るかのように、庭園全体に雅びな雰囲気が漂っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、周囲の深い樹林が、外の喧噪を遮断し・・・

 

寺域の最奥部にあるためか、訪れる人も少なく、静寂が空間を満たしていました。 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅葉を独り占めできた南禅院庭園です。

 

****************************

南禅寺には、紅葉とは離れますが、他に、小堀遠州の代表作として著名な枯山水庭園「鶴亀の庭」のある「金地院」があります。

この庭は、全国各地にたくさんある「伝・小堀遠州作」の庭園の中で、確実な資料の残る、数少ない庭園の一つです。

また、「大方丈の庭園」も、小堀遠州作と伝わるもので、「虎の児渡し」と呼ばれる巨石の石組を配した、清々しい枯山水庭園です。