京橋のブリジストン美術館で今日まで開催されている「カイユボット展」を昨日、見てきました。
10月くらいからその展覧会をやっているのは知っていましたが、カイユボットという画家に対する知識をなにも持っていないため、触手を動かされませんでした。
ところが先日の「日曜美術館」で特集していて、それをみて俄然、興味が湧きました。
最終日前日とあって、会場は大賑わい。じっくりみることもできないくらいでした。
カイユボットはモネやルノアールと共に印象派を代表する画家です。
けれど彼が有名なのは、そのモネやルノアールをスポンサーとして支えた経済力です。
若くして父を亡くし、その膨大な遺産を兄弟と共に受け継ぎ、それで印象派の画家たちの絵の収集をしていたのです。
45歳で没後、その収集された絵のほとんどは、パリの駅舎が美術館になったオルセー美術館に展示されています。
カイユボットの絵は、漫然と見ていたら、きっとさほどの印象は残らない絵かも知れません。
けれど日曜美術館でやっていた彼の絵画へのスタンスや、興味を持っていた写真などについて知ると、そこには深い物語性があることに気づきます。
多用している遠近法にしても、家族の食卓にしてもどこかゆがんでいます。それがみる人の心をざわつかせます。
まるで写真のような俯瞰した視点からの絵だったり、近代都市パリの新しい風俗や都市風景を光り溢れる繊細な筆致で描いた作品だったりと・・・。
それらが「都市の印象派」として、近年ではカイユボットへの関心が高まっているのだそうです。
これが今回の、日本初回顧展につながっていったようです。
お正月の準備もなにもせず、こうして展覧会などを見て歩いていることに罪悪感を覚えたのか、気がついたら帰りに雑踏の高島屋で、黒豆などおせち料理のものをいろいろ買っていました。
今日もお正月準備で、忙しい一日になりそうです。