閉鎖社会

　今年の春は新しいものも試してみようと小さな庭に幾種類かの野菜の苗を植えた。何を植えたか忘れてしまったのだが妙に伸びる蔓が地面を這いまわりだして黄色い花が咲いた。カボチャを植えた覚えはない。ある日小さなスイカらしき実が生った。スイカなど育つまいとこれまで植えなかったのだがダメ元で植えたのだろう。その実がソフトボールくらいになった。明らかに黒いスイカの縞模様がはっきりと出てきた。1個だけだが大事に育ててみようと針金を巻いて実の下に敷いた。直接地面では何かに食われるかも知れない。小玉のスイカと思うがどれくらい大きくなったら収穫すべきか迷っている。結局葉物は殆んど虫に食われ例年通りミニトマトだけが鈴なりである。トマトは虫がつかず簡単であり全ての苗の元はトマトで取れそうだ。

大谷選手が第24号のHRを打った。ファンは毎打席HRを期待するが三振も悪くない。HRやヒットばかりだと相手投手は勝負をしなくなる。時々三振をする姿を見ると俺も三振が奪えるかもしれないと勝負してくる。何事も完全無欠、ネット語でいえば無双状態はあまり宜しくない。完全無欠で無双状態の総理大臣など誰も想像したくない筈だ。リーダーシップをという人も居るが適度なと付け加えるべきである。

人生も90点や100点を望むから適わぬときは不幸に思ってしまう。70点は御の字とすべきである。大阪地検の元検事正が準強制性交容疑で逮捕された。大阪地検ではトップである。特捜より上だろう。被害者は部下の女性検事らしく官舎で酒に酔ったところを犯行に及んだらしい。学生の頃からの友人が大阪高裁の判事をしていた。若い頃から各地を転々としたので長く官舎住まいだった。転勤は分かっているので家など持てないから官舎住まいだと言っていた。官舎も良い所があって一応社会からは分断されており近所に被告人の関係者などに会うリスクは減ると。年が少し離れているので検事正と接点はなかったと思うが。社会から隔絶された官舎の中検事正は森友国有地売却問題で佐川宣寿元国税庁長官らを不起訴とした時に担当していたとのこと。100点満点のキャリアを積んできて最後は欠点だ。自慢のお父さんも最後は恥晒し。被害者のプライバシーとかで事件の詳細は報じられない。文春に期待するしかないか。小さな閉鎖社会の非常識と歪みを感じずにはいられない。70点キャリアで野菜を愛でる人生でも勝つことはある。