太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

未だに分からない再エネバランス

2015-11-10 12:43:35 | 仕事に関すること

FIT制度に関連してよく「太陽光偏重」だとかリードタイムの長い地熱やバイオ、風力に買取価格据え置きとか。太陽光ではトップランナー(最安値を買取単価基準)方式とか入札も検討されている。RPSの時代は最も経済的な(安い)再エネを選択(この時は電力会社に買取義務)することが必要であった。そもそも何故再エネ間でバランス良い組み合わせが必要なのか、常識だから改めて説明されないのか、非常識な私が考えてみた。

1.太陽光だけだと極端な日照不足の年に困る。

2.風力だけだと極端な風不足の年に困る。

3.水力だけだと1.の逆で干ばつの年に困る。

4.地熱はそもそも偏在により賦存量に限りがある。バイオも似たり。

(5.)系統の安定化に問題が生じる。

しかし、これらは過去の自然条件から可也科学的に確率は求められると思うが、バランスにどのように生かされているのか。本来再エネの目的はエネルギーセキュリティにあると思うが。その意味では、エネルギー源自体は国産と言えるのでセキュリティ上は変換装置(自然エネルギー→電気エネルギー)が国産であるか否か(国内に産業があるか)が大問題になるはず。バランスを取るというなら、国が産業構成まで立ち入らなければならない。太陽光でも国内に産業が無くなり全て輸入依存となるとセキュリティ上は化石燃料と変わらない。RPSの時代、安い輸入風車が記憶では8割くらいあったと思う。その時は風力発電はトップランナーとして安いと喧伝された。今は支える部品産業が多いと言われている。ブレード以外は他の産業で使われる部品が多いので当然部品産業は多いのだろう。水力やバイオ、地熱も装置の構成部品は他との共通(技術)が多い。太陽光は半導体産業に近いと言っても製造に必要な装置は大きく異なる。またパネルの構成部品もシリコン原料とアルミ枠くらいが他産業と共通で他は専用部品と言ってよい。この意味では一旦輸入依存となり国内メーカーが撤退すると国産に戻すのは至難である。再エネのバランスを言う時、国民負担や経済性、系統安定化だけに目を奪われずに、何故再エネかの基本を明らかにすべきである。其れはエネルギーセキュリティ(確保であり自給率向上)の点でどうかであると思う。エネルギー源である自然は国産であるから再エネ共通、変換装置の国産化率こそ問題である。安いからと言って海外からOEM供給させラベルだけ国産化することは経済活動として何ら問題無いが、エネルギーセキュリティ上は問題である。再エネバランスを言う時、それぞれの変換装置を作る産業育成(振興)の点を考慮しないとホルムズから東シナ海、(太平洋かも)に問題が移ることになりかねない。



コメントを投稿