太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

太陽電池出荷統計,もう判っても良いこと

2015-10-18 08:23:37 | 仕事に関すること

JPEAより2015年度第一四半期の出荷統計が公表された。一時期のラッシュは過ぎたように思うが、量的にはまだ少ないなりに北米がヨーロッパに代わり伸びてきた。国内向けにある程度受注残を抱えているなら海外市場を見直すチャンスでもある。FITで急成長した国内市場を夢よ再びで復活させようと思うのは少々甘い。過剰な設備や人員をピークに合わせて投資しているところは大変だが。国内に求めるべきは安定成長であり産業の米刈り場、海外で今は米が狩り場となる可能性が大(ちょっと駄洒落)。それにしても1970年初頭から太陽電池に関わってきたが、今の市場の様子は既視感がある。かって世界の市場は最初に石油危機からエネルギー対策として米国が立ち上がり、次に環境問題が提起される中、チェリノブイリの原発事故もありヨーロッパが急拡大した。日本はこの間米国のようなエネルギー対策と、ヨーロッパのような環境対策をミックスしたような低成長ながらも安定的に成長してきた。市場は基礎研究、実証試験、普及支援施策とどの地域も時期(フェーズ)は異にして同じような背景で伸びてきた。世界が同じような経緯で市場展開をしていることは拙プレゼンで2000年初頭に示したが分析不足は否めない。ここに来て既視感はある意味、またこんな事をしているのか、そろそろ過去から学ぶべきだというかっての産業人としてのぼやきでもある。こんなこととは過剰設備(不足も)、在庫(不足も)が常に市場とうまくリンクして来なかった事である。多くのベンチャー企業や新興勢力が生起し、大手企業も技術信奉がアダとなり衰えて行ったことは枚挙にいとまが無い。消えて行った企業の多くは市場の見誤りである。永遠に右肩上がりの市場は無い。しかし、過去を振り返ると有る程度市場の寿命は解るのではないかと思う。今起こっていることは過去に似たような事が必ず起こっている。それは市場を形成する要因を分析する必要がある。各国地域の政策(方針)その地域の経済状態(GDP)、エネルギー(過不足)状態、環境対策への(余裕的)取組、為替、国民の関心などを背景とし、サプライ側の技術的熟度、パリティコスト、供給能力がこれを補完する。どう考えても市場の形成や供給問題を決めるファクターはそれほど多く無い。これらを冷静に分析、解析すれば成長の短期的凹凸(波)は予測できなくとも潮流は捉えることができるのではないだろうか。私自身は何が起こるか分からない世界も嫌いではないし、分析解析は無理だがもっと頭の良いコンサルや人材豊富な大手企業ならできるのではないかと思う。この既視感の元を誰かはっきりさせてくれないだろうかと思う反面秘密にしておいて欲しいという気持ちもある。過去に目を閉じただただ明るい明日を夢想する自分と冷静に過去から学べという自分があらゆる問題で同居する。



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