収束する気配が

　コロナもウクライナも一向に収束する気配がない。人生の最終段階でまさかこんな世の中になるとは。しかし人生でもっとも華やかで活発な時期を迎えている人に比べれば高齢者の身としては嘆くわけにもいくまい。日常生活にさほどの変化はない。殆どが自由時間で制約時間の方が少ない身としてはGoToがStay at homeに変わっても如何ほどの事か。 しかし4月は多くの人が新しい環境で人生をスタートさせる。ところが世界は戦禍とコロナ禍で様子が変わってかっての「普通」言い換えればありふれた日常を失っている。まずマイナスをゼロに戻す時間が必要となりスタートダッシュに躓くのは何とも気の毒だ。禍もあまり長く続くと出来事というより時代を作ってしまう。果たして今は後にどんな時代と称されるのだろうか。
　今日は朝から風が強く予報では雨になるらしい。気温も昨日より相当下がるようで少し肌寒い。何気なくネット記事を見ていたら高校時代の同級生の名前があった。お弁当のレシピ本を出版しかなり有名らしい。姓が変わっていたので分からなかったが旧姓を添えてあり珍しい名字だったので調べたら彼女である。何処かの航空会社でスチュワーデスになった風の噂で聞いていた。今は観光振興アドバイザーとして会社を興し都や国の委員会などで活躍しているようだ。高校時代は華やかでちょっとオシャレで田舎の学校では珍しくあか抜けていたように思う（今でもプロフィール写真は美人だが）。だからどうなんだという訳でもないが高校の同級生は多士済々である。大学は男ばかりで専門も狭い範囲に集中しているためその後の人生は似たり寄ったりである。しかし高校では彼女以外にも実に多彩な人生が見られる。高等裁判所の判事、大きな学会の会長、過労死問題の社会派弁護士、有名な女史アナ、死刑囚（執行）といった具合だ。多分中学校、小学校まで遡ればもっと人生は多様だろう。一度はバラケタ人生も皆高齢者となり再び収束していく。巣ごもりが日常となり、体力気力の衰えに反し脳細胞だけは衰えずブツブツ言ったり書いたり。過去の華やかさを思い孤独を感じるかと言えばそうでもない。やがて皆最後の一点に集中し、ポチッと消えて行く。多少寄り道回り道はあっても結局は皆おなじような軌跡を辿る。