このところ政治に関するニュースが少ない。これを平和と呼ぶのに相応しいかどうかは別にして政治小ネタを扱うブロガ―にとっては少々寂しい。北朝鮮がピョンチャンオリンピックの前日に軍事パレードを行う予定だとかで、平和の祭典に水を差すとか言っている。軍隊が一堂に会しているというのは逆に軍事的行動はしないというアッピールではないのか。パレードの先頭に南北統一国旗など掲げたらかまびすしい評論家諸子は何と言うだろう。国内では野党の体たらくに怒りを通り越して哀れみすら感じる。安全保障に対する考え方とか憲法改正に対する考えが違うと唯我独尊を誇ってどうする。70年安保の時小さなセクトが乱立し、キャンパスの内外で我こそはとメガホンでがなっていた頃を思い出す。主義主張を貫いたから立派であると褒めそやされていたところもあるが、一体どのようにして自分達の理想を実現しようとしているのか。多数を占めなければ法案一つ通らない現実をどう考えているのか。永遠の野党を目指しているのなら別だが。
新聞には連日のように国内外の格安ツアーの折り込みがある。TVでは外国人観光客が良く紹介され、日本人にはマニアックと思われる場所にも大勢押し掛けている。中国人家族旅行車には色んな所で出くわす。失礼ながら決して金持ちそうに見えない、身なりからして普通の家族である。もし日本人が家族を連れて海外旅行となると格安ツアーでもそれなりの費用は掛り簡単には出掛けられない。何故中国からこうも沢山、しかも土産まで贅沢に買いものするのだろうか。多分答えは国内旅行より手軽なのではと思う。仕事で中国には色んな所に出掛けたが、休日には現地の人が観光地を案内してくれる。トルファンでは火焔山や公河古城跡にも行ったが観光客は少ない。それどころか歴史的建造物や史跡が今にも崩れてなくなりそうな所は至るところで見た。中国では国内旅行と言っても移動手段や宿泊施設などのインフラが未整備で日本の方が安全で値段的にも行きやすいのではと思う。国内旅行より海外旅行の方が手軽なのだろう。何れ中国もインフラが整備され国内観光収入で史跡を保護するようになれば日本人観光客も多く行くだろう。広大な国だから自然景観もびっくりするような所が沢山あり、歴史的遺跡にも事欠かないはずだ。
モンゴルに出掛けた時も自然史博物館には驚いた。新しい人を連れて行くたびに案内したが、巨大な恐竜の骨や卵の化石が殆どレプリカでなく本物である。粗末な陳列をされ、床はギシギシ鳴くような建物である。見物客は極端に少ない。幕張メッセでこれを展示したら何十万の人が押し寄せるだろうと思った。夜空の星も半端ない。360度地平線スレスレまで星が輝き、そらにはこんな沢山の星があるのだと、感激した後、その多さに恐怖感すら覚える。アクセスが簡単なら日本人は山ほど訪れるだろう。草原もそうだが景色の雄大さは北海道の比ではない。年末に北陸の有名な庭園を観光したが、枝先、石の一つにまで手を加えて模された自然は執念のような不自然さを感じた。京都のお寺の庭園も箱庭のようであり、あまりにチマチマした窮屈さが感じられる(個人的感想だが)。大雑把な自然の中に暮らす外国人が感嘆する理由は分からぬでもない。非日常的なものに魅かれているのである。
観光客が増えたり、手軽に海外旅行に行けるようになることは互いの文化や歴史を知る絶好の機会である。中国が海外の観光客を誘致するためにインフラ整備に力を入れる事を望む。アメリカだって西部劇の地を見て見たい。意外と安全保障上の重要な戦略になるかも知れない。観光客が押し寄せる国にミサイルなど打ちこめない。オリンピックを標的にするテロは有るかも知れないが国として何か挑発を仕掛けるタイミングでないことは確かだろう。