ゆっくりかえろう

散歩と料理

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ゲコ亭

2013-05-07 | ランチ

 堺市にある食堂 

前々から行きたかったのですが なぜかご縁がなく こちら方面に足が向かないということもあり(和歌山や泉州にいってしまう)いけずじまいでした

 ここの営業が 朝9時から昼過ぎの売り切れまで(この日は昼前に売り切れました)

週5日しか店をあけない(火水休み)こと 6月7月8月の夏期は休みだとか それほどならと 沢山の本気のお客さんが 味を確かめてやろうと お店に殺到します。

 某グルメサイトでは 賛否両論で期待していたほどではなかったとか これくらいなら
 ほかでも食べられるという 挑戦的な意見から 素直に美味しい 一口食べてすぐ美味しいのが分かったとか(これも変だと思いますが)様々で ご飯の味というのは 判定が難しいと私は思います。

 不味いご飯は分かりますが 美味しいご飯というのは どういうものか 好みが左右しますし ご飯だけ食べても 分かりにくい(判別しにくい)と思います。

 とにかく食べてみると この日は かなり柔らかめのご飯だと自分には感じられました
。 

しかしこれが駄目だとはいえません。

 かなり微妙で 好みの範囲を出ないものだし これがここのスタンダードだといわれれば 黙るしかないのです。

 一方おかずのほうは 目だつ物を選ばず あえて地味な(だけど一番難しい)煮物をチョイス(ご飯を食べに来たのですから) 高野豆腐の煮物と 竹の子(破竹)の地鰹煮を選びました。

これが関西の味らしく 甘いめの優しい味で上品 これを食べるとご飯が生きてくる。

 ご飯は煮物にどこまでも寄り添い 邪魔をしないのに美味しさを引き立てる。

 おかずだけでなく ご飯までも美味しく感じられるというか 絶妙の味。

 もう柔らかくて好みじゃないとか いえません。 

お店の人は忙しくしていますが でも言葉使いが丁寧で お客を逸らさない。

 ご飯をよそうおかあさんの手付きを見ていると ご飯に対する扱いに 細心の注意をはらっておられました。 

ご飯をよそうときその場をすこしでも離れるときは 必ず蓋をして香りと温度を逃がさないようにされており そのばか丁寧なばかりの扱いには感心しました。 

味噌汁をよそうつかのまも お櫃の蓋を閉めるのです。

 温度や香りを逃がさないよう 美味しい味にこだわりあってこそだと思いました。

 ご飯に煮物の小鉢2品と味噌汁で いくらになるかと思っていると550円とたいへん リーズナブルなお値段で 納得してご馳走様して席を立ちました。(玉子焼きや焼き魚を取らないで 小鉢だけなら 高くはつきません)

 感謝!

 例によって 沢山はいただかず ご飯の大部分をタッパーに納めて持ち帰り 冷えたご飯をいただいて 驚きました。


 これがまあ はっきり分かるくらい美味しいのです!

 ご飯の香り 甘みがしっかりしていて これが評判の味なんだなぁと しみじみ納得しました。

 夏期休暇する前に チンチン電車に乗って ぜひもう一度行ってみたいお店です。

 お店は目立たない一膳飯屋です。

 


一鬼夜行 枯れずの鬼灯

2013-05-07 | 読書
小松エメル氏著
待望の一鬼夜行シリーズ四作目。

回を重ねて段々中身が濃く味わい深くなる本作ですが、今作はまた特にキャストが絞られて

必要最低人数で話が構成されます。

反対に妖怪は最多数ですが これは物語に関係の薄い端役ばかり

ストーリーの大半は 主人公喜蔵さんと 副主人公の猫又小春のやり取りと

四作目だけのコーナー主人公千代乃と半妖怪の藤波で構成されます。

でもこれが又 内容的に濃く充分に楽しめます。

物語は不老不死を得るというアマビエを得る為、妖怪達が血みどろの戦争を繰り広げ

これを取り締まる為 異界から降りてくる小春 それを手助けしようとする喜蔵

そして不老不死の鍵を握る枯れずの鬼灯をめぐるラブストーリー。

最後半 物語の説明の為ややもたつきますが これは構成上仕方ないこと

作者が如何にこの物話を大事にしているか分かります。

ここに来て 一作目から話が繋がりを見せているエピソードが語られ

今後の展開の波乱まで含めた期待と不安まできっちりと描かれ終わり、

正に書き下ろしらしい 整合性のある気持ちのいい終わり方です。