ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

<臨時>マレーシア機MH17便・ウクライナ東部にて墜落

2014-07-20 21:38:34 | 日記
2014年7月18日、朝、ウクライナ東部にてマレーシア旅客機がミサイルにて撃墜された模様との報道に触れて大変驚きました。ウクライナ情勢についてはロシアの武力によるとも言えるクリミア地方編入事件以来、相当の関心度を持ってwatchしていたこともあり、私にとっても衝撃のニュースでした。

報道によるとミサイルを発射したのは親ロシア派であることに間違いはなさそうですが、どちらが誤認攻撃したかに関わらず、乗客乗員の計298人の命が奪われたことに対して激しい憤りを感じています。80人余りの子供達が搭乗していたことや、190人余りのオランダの人々が搭乗していたこと、また、ドイツ人やベルギー人もそれぞれ4人搭乗、イギリス人も・・・・。国籍や人数・大人子供等一人一人の命の重さに違いはありませんが、友人がいたり近しい人がいれば感情の重さに違いが出るかも知れません。

そもそも、武力によって目的を達成しようとする勢力がいる限りは、こうした悲劇は避けられないでしょう。私が2012年デンマーク、2013年ドイツでそれぞれ約3ヶ月間一家族に加わって生活を共にした経験、そして、2006年頃には中国に1年間ほど単身赴任(仕事)していたこと等も加えて考えると、各国の歴史的背景や政治体制、経済レベル、民族の違い、文化の違い、宗教の違い、言葉の壁等々があっても、民間人レベルでの付き合いには何の支障も障壁もないのです。

お互いの歴史や文化の違いを素直に認め合い、人格も尊重し合うことで信頼は醸成されます。その関係が親密になり近しすぎる関係になると「喧嘩」も時には生じるものです。親しき中にも礼儀あり・・・とも言います。一定の節度をもって付き合いさえすれば「国」の違いは感じられません。

一方で、国益や経済・防衛問題等を政治家達が論ずると「武力外交」が登場します。しかし、歴史が何度も証明しているように「武力」では根本的な解決にはならないのです。解決したかのように見えている例があるかも知れませんが、それは歪を内蔵したまま押しつぶされたままの見かけの平和なのです。いつかは歪がバランスを崩して爆発することになるのでしょう。それでは悪い歴史が繰り返されるばかりです。悲劇が繰り返されます。

今求められるのは「武力外交」ではなくて「交渉力」(真の外交力)なのです。武力を持ち出す人は外交力が欠如しているのです。日本は島国です。陸続きで国境を接しているわけではありません。ヨーロッパ諸国は多くの国が隣国と陸続きです。こうした地理的な環境が国民性にも影響が出ているのではないかと私は感じています。もっと隣国や諸外国との親密な交流を図ることが「交渉力」の向上にもつながるのではないでしょうか。

一朝一夕に解決する問題ではないでしょうが、「交渉力」を高めることこそが高度に求められる時代なのです。解釈改憲云々等と言う方法で国を武力で守ろうとする考えは歴史に学んでいないことを暴露しているも同然なのです。そのような方向に人材資源を投入するよりも海外諸国との交流を高めるための政策に投資をすべきでしょう。

私は決して海外に多くの友人を有しているわけではありませんが、数カ国の友人達との付き合いから仮説検証すると以上のような考えが妥当と信じています。

~ウクライナ情勢が平和裏に”原状”回復することを願っています。~ (原状: 元の状態の意味)

(写真: じゃがいもの花・・・・品種はアンデス・レッド)