QHQの独り言

アマチュア無線局JR3QHQが日々思う事を掲載します。

災害時のレピータとアマチュア無線・CQ誌の4月号

2005年04月06日 15時54分36秒 | アマチュア無線
CQ誌の4月号で興味のある記事が出ていました。
新潟中越地震を振り返って関係者のみなさんが意見を述べておられる「災害時のレピータとアマチュア無線」です。
私は、臨時に開設されたリピータが全く使われなかったと言う話を以前から聞いていました。
私にとっては、なぜ?と言う疑問が残っていました。
阪神淡路大震災の時は、わざわざ何十局も臨時局(8J3AAAから順番のコールサインの局)を開設していただき、急遽レピータの移設も許可されまた、非常用の周波数も決め頻繁に連絡を取っていたのに今回はそこまでも行かなくても、臨時のレピータで多くの交信があっても良かったのにと言う疑問です。

この記事の中で、新潟県支部長の一言ですべてが解消しました。
でも、私には「そうだったのかぁ・・・」と言うものです。
何と、みなさん非常通信を行う為に臨時に開設されたレピータは、非常通通信のみに使われるレピータでそれ以外の目的で使うことは出来ないと自主規制されていたのですね。
たぶん、支部長も言っておられましたが、生命の危険があるという場合なら、躊躇なく使ったでしょうがそうでない場合は、使う事が出来なかったと言う事のようですね。
支部長は、せっかく努力して立ち上げたレピータなのに誰も使わなかったと言うのは心苦しい思いをされたのでは無いでしょうか?私ならそのように感じます。

この現象は、これから起こりうる災害時に起こる現象のような気がします。
現在のアマチュア無線の風潮は、アマチュア無線家個人個人が監視し合い誰かが何か法に触れるような事をすれば「誰それはこんな事をしたあれは電波法違反ではないか」と責められるような事が頻繁にあるため、たとえばあのレピータを使って地震に関係のある交信をしても、誰かが「あの交信は非常通信ではない、あいつは非常通信用のレピータを使った」と言われるのが怖い為誰も使わなかったと言うことのような気がします。
良くあるのが、目的外通信について電波法違反を言うようなことです。

アマチュア無線のイベントでも目的外通信のクレームをつけられる為使う事が出来ないとか、地方のマラソン大会のボランティアで運営本部からアマチュア無線クラブに協力要請が来た時にも目的外通信の可能性がある為協力できないと断らざる得なくなるような寂しい事になっています。

せっかく自分達が得た電波を自分達の為に使う事が出来ない、せっかく得た電波を地方の社会貢献に使えない、いったい何が原因でこのような事になってしまったのでしょう。

総通は、これらの通信は目的外通信だとは言っていませんし最近では、九州総合通信局が配布している「狩猟にアマチュア無線を使う場合は以下のルールを守って正しく使いましょう」とチラシも作っています。
これは、猟犬にトランシバーを付けてはダメですよと言うことで狩猟にアマチュア無線を使ってはダメですよとは言っていません。
でも、一部のアマチュア無線家のかたは、それは猟の為に使っているのであって目的外通信だと言われるのでしょうね。

結局、一部のアマチュア無線家が自分達で法律を自己解釈して言っている事がいかにもそれが正しいかのように伝わってしまっているからです。

このような現象を早く打ち消さないと、次の災害時にも同じようなことが起こり結局何も出来なかったとなってしまいます。
これは、JARLが行う仕事のように思われます、私は事あるたびに言っていこうと考えています。
それと、やはり日常で使っている無線機やレピータが一番役に立つようですね。

ちなみに、阪神淡路大震災の時はまったくそのようなことを考えず頻繁に交信していました。
交通情報や臨時局同士のロールコールなども行われていたと記憶しています。

最後に、新潟県支部長をはじめ新潟中越地震に携わったアマチュア無線家のみなさんのご努力に敬意を表します。