「マジ?」
日本人に限らず、実は多くのアメリカ人もそう思っている。
今までトランプさんのおっかけをしていたCNNが、最近急に態度が変わったように、
もはや日本人も、面白がっている段階ではなくなって来た。
その内に消えるだろうと思われていたクルーズさんが早々に退散し、
一方、バーニーさんがなかなか消えないのは、既得権益に対する根強い反発のせいだが、
トランプ vs ヒラリーの構図になれば、バーニーさんの支持者はおそらくトランンプさんの方に行く。
確かにトランプさんは大金持ちだが、この人は土地と土建で成り上がって来た人なので、
ウォール・ストリートの右から左へ動かして金儲けを企んでるような連中は大嫌い。
勿論、MS.既得権益のようなヒラリーさんとは水と油。
こういった今までアメリカの政治界には存在していなかったタイプの人がアメリカの国家元首になったら、アメリカは、世界は、日本はどうなるのか???
日本ではあまり知られていないが、アタシがアメリカにいた頃、トランプさんは「The Apprentice」というテレビ番組のホストをやっていた。
この番組は、多くの難題・課題を乗り越えて、本社採用を目指す若者たちの行程を描いたリアリティーショーで、
その番組でのトランプさんの決めゼリフが「You're Fired! (お前、クビ!)」
つまり、ジャイアンとスネ夫(のび太という意見もあるが・・)の基本的な関係は変わらないにせよ、
その対応の仕方について、日本もマジで考えなければならなくなったのだ。
忘れてはいけないのは、彼は百戦錬磨のビジネスマンで、法的にどこまで話していいのか、どこまでしゃべってはいけないのか、そういったプレゼンとメディア・ショーアップの極意を知り尽くした人物だと言うこと。
それともう一つ、トランプさんの娘(イヴァンカ)さんは改宗したユダヤ教徒で、処世術とロビー活動に関してはかなりの強者。彼女が父親が苦手な部分をかなりカバーできる力を持っているということも、トランプさんの隠れた強みである。(旦那は広報担当)
彼が中絶発言で大失敗をやらかしたせいでウィスコンシン州で敗北し、「しょせんはトランプだぜ・・」と世間の人々を安心させたが、おそらくこのことについて、彼は娘から「お父さん、本当に大統領になる気があるの!?』と、相当こっぴどく油を絞られたはずなので、もうこのような同じ過ちは繰り返さないだろう。
(左は営業用、娘の前では普通(?)の父親である)
ちなみに日本の政治家の場合は失言で、トランプさんの場合は暴言。
これは何が違うのかと言うと、失言は単なるバカ。
暴言は法には触れないが、アメリカ人の本音に触れることだからバカに聞こえるだけ。
アメリカとメキシコの国境に万里の長城をつくればいいなどと、心では思っても誰もそれを公に言う人はいない。
だが、トランプさんはそう言いたくても言えない人たちの票をしっかりと獲得してるのである。
良くも悪くも、彼の基本は「金持ちケンカせず」。
オバマさんの場合、彼は就任当時、日本と韓国の違いが分かっていなかったが、
トランプさんの場合、中国とメキシコと日本は、基本的に同列線上の問題。
「アジアがどうなろうが、中東で何が起きようが、それはアンタラの問題だろ!大体ウチは、他国の世話を焼いてる場合なんかじゃないんだ!でも、北京にトランプタワーを建てたいと言うんだったら、近平ちゃん、相談に乗るゼ。」てなところか。
なので、日本としてはアメリカに対して「そこを何とか・・」とか「腹芸」・・と言った英語には訳せない日本独特のアプローチは、もはや通用しないことを肝に銘じておく必要がある。
例えば、以下のような日本社会における英訳不能な定例句をトランプさんに言った場合・・
「お世話になります!」 「オレがお前に何をお世話したと言うんだ?」
「よろしくお願いします!」 「何を持って来てよろしくなんだ?」
「互いにがんばりましょう!」 「その互いの条件って何なんだ?」
「お邪魔します」 「邪魔だと思うんだったら入って来るな!」
と、なる。。
アメリカが生き残るために必死なら、日本はもっと必死になるべきである。
この辺りのことは、今の世界動向と国際法とのバランスを客観的に観察すれば、トランプ以前に、そんな悠長なことを言ってる場合ではない事など、いい加減に知るべき。
そして真に注意すべきは、中国とロシアはトランプ大統領を歓迎しているという点。何故か?
例えばフィリピンには、尖閣諸島のような中国につけ込まれるスキがある島がいくつもあったにも係らず、米軍基地を全て撤退させた。
その後、自分たちだけでちゃんとやって行けたら、それで問題はなかったのだが、実際はどうなったのかと言うと、米軍がいなくなった途端、それらの島を中国に全部持って行かれてしまった。
それじゃマズイってんで、アメリカに頭を下げてもう一度再駐留してもらったものの、時既に遅し..。
こういった世界情勢に対する認識の甘さによる失敗の二の舞を、日本が踏んでもらっては実に困るのだ。
先だって、九州の教会仲間から、
「祈りの人、愛国者、行動の人、勇気と忍耐の人。彼を最初に動かす者は常に祈りであった」
という、ヘンリー・ハーレーの言葉を教えていただいた。
「隣人を自分のように愛しなさい」と、聖書が繰り返し教えているように、
自分や自分たちの国を拒否した上で、神の国が訪れるのでない。
だから、どこの国の人も、愛国者であるべきなのだ。
「そこを何とか・・」
これは神様には勿論、アメリカにだって通用しない。
こういった甘さ・曖昧さを排除して行くことから、アタシたちは始めた方が良さそうである。