幼稚園の園長さんなれば、余計なお世話だろうが、日本中の子供たちのことも考えてるし、心配もしている。
だが、責任の所在は自分の幼稚園の園児たちにあり、彼らが一番可愛いのは言うまでもない。
なので、他の幼稚園の園児から、「先生、来てよ~!!」と、言われても、彼らの幼稚園から招かれる分には問題ないが、彼らの家に直接訪問となると、何か特別な事情でもない限り、チト難しい。
特に日本には島国独特のバウンダリーがあり、アタシみたいな活動をしていると、“縄張り意識”的な次元で誤解されることが多いからだ。
その意味で、Aさん宅に伺うのは、かなり躊躇した。しかもその日は、朝からセミナーで、終わったのは夕方過ぎ。このままホテルに戻った方がどんだけ楽か。明日の礼拝準備もあるし。
そこで、行くのを諦めて、反対側の駅の方に向かって歩いていると、どこからともなく、「あっちへ行きんしゃ~~い!!」という声が聞こえて来るではないか。
「あのぉ、今からあっちへ行くと帰りが大変だし、何か雨が降って来そうだし、学びに呼ばれてるワケじゃないし、他の園児さんだし・・」 等々、言い訳としてかなり正論のつもり。
が、「何か二つの選択を迫られた時、神の意志は、たいがい自分が損すると思う方にある。」と、さっきのセミナーで自分が言ったばかりのセリフが脳裏を過ぎる。
言ってることと、やってることが違うのを、我々の専門用語で「サウる」と言う。
「確かにサウるのはマズイんだけど・・でもなぁ・・・・ええぃ、ままよ!!」と、身体を翻し、Aさん宅に向かった。こう決めたら、もう頭でアレコレ考えない方がいい。
さて、そんなことがあった二日後、Aさんが何度も電話をくれていたことに気が付いた。
すると、「今日の検診で診てもらったら、喉のポリープが消えてたんです!! お医者さんも“えぇ!?”と不思議がってましたけど、とにかくお祈りありがとうございました。来ていただいて本当に感謝でした!」 と。
本当は、今回の旅の目的にAさんのことは入っておらず、ポリープのことも行く前まで知らなかったアタシとしては、その目的意識のなさの故に、イマイチ反応の歯切れが悪い。
「救いだぁ!リバイバルだぁ!霊的覚醒だぁ!」などと言ってる割りには、霊的覚醒が必要なのは、案外当人だったりして・・。
とにかく、人間の思考と計画の限界を改めて知らされた、恥かし嬉しの出来事なのであった。
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