日々の覚書

MFCオーナーのブログ

ネットは特殊?

2008年03月03日 01時06分23秒 | 時事・社会ネタ

ネット上での騒ぎというかトラブルは、テレビ等々ではあまり報道されないのでは、と思われるが(あんまりテレビ見てないんで、すいません^^;)、新聞紙上ではちょいちょい見かける。で、昨日の新聞にこんな記事があった。

ネット上での中傷、名誉毀損問えず

ホームページで中傷されたというラーメン屋が、中傷した人間を相手取って名誉毀損の訴訟を起こしていたのだが、東京地裁は「ネット上の個人の表現行為については、従来の名誉毀損の基準を適用すべきでない」との判断から、被告にを無罪を言い渡した、という記事である。

この記事を読んでおかしいと思うのは、裁判官が無罪の理由として「内容は事実ではないが、ネットの個人利用者として要求される程度の調査は行なっている」と述べている点だ。つまり何かい、一応調べておけば、それが事実でなくても名誉毀損じゃないよ、って事になるのか? おいおい、冗談じゃないよ、と思ったのは僕だけではあるまい。

ネットでも意見が飛び交ってるけど、この裁判官はインターネットの実情を知らないのではないか、と言われても仕方あるまい。たとえ、嘘・出まかせであっても、ネット上に一旦出てしまった誹謗・中傷の書き込みというものが、どれだけの影響力を持つのか分かってないのだ。今回訴えたラーメン屋の被害がどの程度のものだったのかは知らないが、いたずら電話とかのレベルではなく、客が減ったとか売り上げが落ちたとか、相当深刻なものがあったのかもしれない。

こういう、偉い人たちが考えている以上に、ネットというのは凄いのだ。ブログに書かれた文章から、書いた人の住所・本名・職業を突き止めてしまったり、掲載された写真にある影の形から場所を特定してしまったりする連中が存在するのである。幸い、僕はまだ被害に遭ったことはないが、いつ同じ目に遭うか分からない。気ままに書いてるように見えるブログだけど、実は案外神経遣ってたりもするのだ(笑)

インターネットとは、そういう世界である。嘘でも何でも、すぐ広まってしまうのだ。被害も甚大だろう。決して、「個人の表現のレベル云々」なんて済ませてはいけない。現実の世界、例えば、新聞・雑誌といったメディアで、嘘という認識はなくても、結果として嘘の情報を流してしまったら、間違いなく名誉毀損が適用される。だが、ネットでは、それはない。この裁判官は「ホームページの記載は確実な証拠はない」としながらも、「ネットでは被害者が容易に反論できるし、個人が掲載した情報の信頼性は薄いと考えられる」と言ってるらしく、要するに他のメディアと違って、ネットは特殊なのだ、と言いたいのだろうが、これこそ認識不足というか偏見というか。反論すれば何とかなる、なんてたやすいものではない。一度、自分が被害に遭ってみないと分からないのだろう。といってもネットに対する認識がこの程度、という事はインターネットなんぞ試した事もないだろうから無駄か(笑)

さらに分からんのは、わざと嘘の情報を流した場合、及び、ろくに調査もせずにうその情報を流した場合、に限って名誉毀損を認める、と裁判官が言ってること。要するに、本人が事実だと信じていれば、何書いてもいい、ということだ。“表現の自由”という、ある意味厄介な領域に踏み込むのを恐れたのだろう。

この事件だが、民事では名誉毀損が認められ、原告が勝訴したらしい。つまり、インターネット上の中傷書き込みは、道徳的には悪い事だけど違法ではない、と言ってる訳だ。この件に限らないけど、どうも刑事と民事の違いって、納得いかないケースが多い。

ま、とにくか、今回の判決によって、個人がネット上で何を書いてもおとがめなし、というお墨付きが貰えてしまった訳だ。今後、さらに増えるだろうな。

という訳なので、皆さん気をつけて下さいね。僕も気をつけます(笑)

コメント (2)
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