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新人教員の退職最多-2

2009-11-10 23:14:16 | 私見
 問題は現職教員に・・・

 「新人教員の退職最多【11月5日:毎日,産経など】」の記事をどう読むか。
23,920人の採用者の内1.3%にあたる315人が正式採用を待たずして辞めたという。公務員一般職の数字がないので比較のしようもないが,
「このごろの若者は簡単に辞める」
という企業の声を耳にすると,少ないように見える。

 しかし,「教職をめざして精進を重ね,教育実習も済ませて難関を突破した」ことを考えると,この数字は多いようにも思われる。
 昭和40年代には作文教育に誘われて,敢えて小規模校や分校教育に携わることを希望した教職員が,厳しい現実との差で自死や辞職につながることもあった。
 現在は中規模校以上の学校に配属され,指導教員のもとで教科指導,校務運営に携わっているはずだから,単に「現実とのギャップ」でと片付けずにしっかりと原因を調査して教育現場や大学にもフィードバックしてもらいたい。

 ところで気になるのは,校長や副校長,主幹教諭から一般教員などに自ら希望して降任したのは179人という数字。この半数ずつを主幹教諭と副校長・教頭が占めている。
 校長は(一時は教育委員会への提出物をすべて自分で処理しなければならないという特異な学校もあったが),文書処理等は副校長以下に下命し,最終責任は自分がとるという仕組みができている。悲哀を託つのは彼らであって,雑務に追われ,この間まで同僚であった教職員の人事評価にまで加わらなければならない。
 真剣に児童・生徒の指導に取り組んできた教員ほど,「こういうことなら教諭として職責を全うしたい」ということになる。

 さて問題は,「指導力不足」と認定された教員が306人を数えたことだ。しかもその8割は40~50代のベテラン教員が占めている。306人は新人教員が職を辞した数に相当するが,彼らは現実とのギャップから自ら身を引いた。一方で『ベテラン』教員は,何も悩むことなくのうのうと20年以上もただ飯を食ってきたことになる。
 保護者は,中高年教員に当たると“ラッキー”と思うが,悲劇はその『ベテラン』教員の指導を受けることになる児童生徒で,その後遺症は,下手をすれば生涯を支配することもあるだろう。
 どこの世界にもこうした輩は存在すると思われるが,教育界では,しっかりこうした『ベテラン』教員をあぶり出してほしいものだ。
 その中心となるのが,主幹教諭と副校長・教頭であるから,彼らが働きやすいように配慮するのが,校長,教委の役目ということになるだろうか。

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