頭がなく,地球と月の距離の半分ほどの巨大な尾をもった彗星の撮影に成功したという。まるで日航だ,と言っては失礼だろうか。
日本航空は1月19日,会社更生法の適用を申請した。
負債総額は2.3兆円。
比べても仕方のないことだが,高校時代の国の予算が1.419228兆円(イヨイクニニハと憶えた)。
「日本沈没」ではないが,一つの国に相当する大きな組織が,浮上への努力を始める。
急回復企業=スカイマーク 《日経:'09.11.25》
日本航空(JAL)をはじめ不振が目立つ航空業界で,スカイマークが気を吐いている。2009年4~9月期の最終損益は19億円の黒字(前年同期は20億円の赤字)に急浮上。格安航空各社が導入する“世界標準機”への機材統一で採算が大きく改善した。10年の羽田空港拡張をにらみ,成長への足場を固める。
9月1日,羽田の本社格納庫でパイロット訓練用シミュレーターが稼働した。約14億円で購入した初めての自前シミュレーターだ。9月末までに機材をボーイング737-800型(177席)に統一し,これ1基ですべてのパイロットが訓練できるようになった。
従来はボーイング767型(280席)も併用していたが,10月からはB737のみの10基体制。「ダウンサイジングで搭乗率を高め,収益向上に結びつける」(財務担当取締役)
規模の小さい航空会社が機材をリース調達するには信用力の壁がある。スカイマークはネットベンチャーで財を成した西久保社長が05年9月に28億5千万円の第三社割当増資を引き受けた異例の資金調達に加え,三菱UFJ証券に対する新株予約権の発行(3億円調達)などでハンディを乗り越えてきた。
機材統一のコスト削減効果は広範囲に及ぶ。4~9月期決算で大きく減ったのが整備費。リース機材の返却の際には返却前整備が必須。B767の返却が一巡したことでこのための費用がなくなり,整備費は27億円と前年同期比ほぼ半減した。
小型のB737は1基あたりリース料がB767の約半額。1座席あたり燃費も6~7%改善。燃料価格の下落と燃費改善で4~9月期の燃料費は約30億円に半減。燃料価格が一定なら「平均搭乗率68%で利益が出る」(同取締役)。1年前なら80%近く必要だった。
4~9月期のJALと全日本空輸(ANA)の国内線搭乗率は約60%どまり。一方,スカイマークは前年同期並みの76%を維持し,上場3社の中で唯一営業黒字を確保した。機材の小型化で,地方発羽田行き便や閑散期の搭乗率が上がった。
運航収入に対する人件費比率も15%と大手より5ポイント程度低い。24日の株価は253円とリーマンショック直後の昨年9月比約2倍に上げており,それぞれ6割安,4割安に低迷するJAL,ANAと明暗を分ける。(10年1.19にJALは5円(一時は3円),スカイマークは420円)
大手2社が不採算路線の縮小・廃止に動く中でスカイマークは12月末に神戸ー那覇便を就航するなど事業拡大に動く。「営業利益率が10%ほど出る羽田発着便で固定費を賄うと,福岡-那覇なら搭乗率40~50%でも利益が出る」といい,大手2社が撤退する地方間路線への進出も検討する。
羽田発着枠の拡大で路線拡大の選択肢も広がる。世界各地で台頭する格安航空会社から学んだ“成功方程式”の真価が試される。
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