イワシの翻訳LOVE

はしくれトランスレータ「イワシ」が、翻訳への愛をつれづれなるままに記します。

ゴルゴ38 Part XI

2008年10月17日 18時23分53秒 | 連載企画
ついに翻訳作業が一通り終了する。翻訳者によってすべての章が訳され、チェッカーのチェックも終わり、データマンも調査をやり尽くした。映画で言えば、クランクアップ。撮影はすべて終了。近所のイタリアンレストランで、華やかに打ち上げが行われる。プロデューサーから、メイン翻訳者に花束が渡された。思わず、一筋の涙が翻訳者Aの頬をこぼれ落ちる。感動的なシーンだ。誰しもが、目頭にこみあげてくる熱いものを感じている。あの人もこの人も、長かった半年間の共同作業を振り返り、美酒に酔っている。よかった、本当によかった――プロデューサーも、不可能と思われたこのプロジェクトの成功を、心から喜んでいた。宴は、いつまでも続いた(「プロジェクトX」風に)。

翌朝、著者はボストンへと帰っていった(二度と日本には来ないことを固く決意して)。マーク・○ーターセン氏も、リービ○雄氏も、再び大学で教鞭を取りはじめた(このプロジェクトのために、半年間、休職していたのだった)。翻訳者も、チェッカーも、データマンも、それぞれの仕事場に戻っていった。楽しかった祝祭の日々はあっという間に過ぎ去り、またいつもの日常が始まる。

だが、まだプロジェクトは終わりではない。むしろ、ここからがこのプロジェクトの真骨頂なのかもしれない。映画でいうところの編集作業の始まりだ。ベータ版を最終的なリリース版にするためのテスト工程、つまり訳文を練り上げ、熟成させるための作業が残っている。言うなれば、これまでは半年かけて「夜中に夢中で書いたラブレター」を作ったのだ(例え方が古い)。それを冷静な朝の眼で読み直す作業が、これからさらに半年かけて行われるのだった(続く)。

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   /ー-ニ.._` r-' |……    「風呂敷広げすぎて、オチをどうするか難しくなってきたよ(笑)......」

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