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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(9月8日)は日帰りで新潟市に行き、半日で某銀行新任管理者の研修を行っていました。

研修時間よりも早く着いたので、市内のカフェの前でメニューを見ていると、店員の方が呼びかけてくれて、膝まづいてオーダーを取るときに彼女の目をみたとき思わず言葉が出ました。

「目がとてもきれいですね」

彼女は即座に笑顔で返してくれました。

「コンタクトレンズですよ」
最後の「よ」の部分が強調されたところにいたづらっぽさを感じて、元気をもらえました。


さて、相手に元気を与えたり勇気づけたりするつもりが【ポジハラ】になることを讀賣新聞(オンライン 2022/09/06 05:00)の「悩む人に『元気出せ』要注意…前向き思考 押しつけ逆効果も」で読みました。
https://www.yomiuri.co.jp/life/20220905-OYT8T50151/

落ち込んでいる人に、「元気だして、笑顔でいて」などと励ますことについて「ポジティブ(前向き、肯定的)」な気持ちは大切だが、つらい時に過度に押しつけられて苦しんでいる人もいることを警告。

最近耳にする「有毒なポジティブ思考」が「ポジハラ(ポジティブ・ハラスメント)に当たりポジティブが悪いこともあることを指摘しています。

・上司から「断られても前向きに営業すれば数字も上がる」と言われ続けて、「常にポジティブであろうとして、つらいという気持ちに蓋をし何も感じなく」なり、弱音を吐けない息苦しさなどから、「死んでしまおうか」と思い詰めたという大手企業の元男性社員

・仕事などで悩む友人から「もうダメ。できない」と相談されたとき、後ろ向きな発言に耐えられず、「笑顔でいて」と励ましたが表情は沈んだままだったことを「ポジハラをしてしまったかも」と後悔する自営業の女性

の例に対して

・「つらい時に『元気を出して。前向きに頑張れば大丈夫』などと励まされると余計に落ち込む。

・「落ち込んでいる時でも、無理に明るく振る舞い、前向きでいるべきだとの理想を押しつける有毒なポジティブ思考は、心身に支障をきたす可能性もある」

・自己啓発ブームで「ポジティブ思考」が浸透したことが原因で、「ポジティブ思考は人類の進化にとって重要なものだが、『ネガティブは悪。ポジティブでいよう』という極端な認識がメディアなどの影響で根付いてしまった」

と、識者のコメントをもとに

「なぜ、ネガティブな気持ちを否定しがちなのか」については

・「日本人は、負の感情や弱みを周りにさらすことを恥とし、我慢強さが美徳とされてきた」

・SNSの影響もあるようで、他人が発信する「見栄えのいい姿」を見て、自分の弱い姿を取り繕おうとする心理がポジティブ思考を助長した可能性もあり、「表面上だけ前向きな『うわべポジティブ』な人たちが、心身の不調を訴えるケースが増えている」

と、心理カウンセラーの意見を加えて

「ネガティブな感情とどう向き合えばいいのかについては東北大学准教授(脳科学)の細田千尋さんの

・「様々な感情自体は自然な反応で良いも悪いもない」

・「不安や弱さはポジティブな気持ちで無理に隠さなくてもいい」

・負の感情を受け入れるには「今、自分は○○が原因で不安を感じている」など客観的な事実だけを 俯瞰ふかん するといい。

・親子や職場の親しい上司と部下の間でも起こりやすいポジハラに関しては、「相手を励ます際は、まずは『大変なんだね』とつらさに共感し、傾聴してほしい」

と結んでいます。


確かにアドラー心理学を学び伝える立場からしても「勇気づけ」のつもりで【ポジハラ】まがいのことをしている人を見かけることがあります。
ご用心、ご用心ですね。


私はPRESIDENT 2022年9.30号(2022年9月9日(金)発売!、税込価格:780円)の「老いていくことがとにかく不安だ」のQ&Aの際に「現実的な楽観主義」「『備えは悲観主義、行動は楽観主義』の組み合わせでいきましょう」と回答しました。

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<お目休めコーナー> 9月の花(9)



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