アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

このところ私がこだわっている言葉に「サポート」があります。

現在、改訂作業が最終段階に入っている「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE)」では「援助」の言葉をやめて「サポート」に切り替えました。

「援助」とするとどうしても「タテ関係」が漂うし、援助される側が弱者のイメージが湧いてくるからです。

その点「サポート」を使うと、共通の目標に向かって協力し合える「ヨコの関係」の響きが強くなります。

一例を挙げますね。

全米オープンテニスで優勝した大坂なおみ選手の変身はフィジカル面の進化があったことが伝えられています。

その背後には、シャラポワ選手を長年指導していた中村豊トレーナーが6月から大坂選手の専属トレーナーとして陣営に加わったことが大きかった、と言われています。

この場合、中村豊トレーナーは、大坂なおみ選手のヘルプをしたというよりも「サポート」した、と理解した方が正確な気がしますが、いかがでしょうか?


私自身今週、こんな体験をしました。

通勤途上、家を出て2分ほど経ったところで、アパートの外階段を滑り落ちる青年を目撃しました。

頭が下、足が上の状態で、転落というより滑り落ちたのです。

私は駆け寄り声をかけました。

「大丈夫ですか?」

目が動いていて声の反応がありました。
うめき声。

「救急車を呼びましょうか?」

「大丈夫です。頭は打っていません」

「誰か呼ぶような人が必要ですか?」

「一人暮らしです」

その間、私は青年をひたすら観察していました。

年齢は25歳前後。
眼鏡をかけたままで小太り。

青年は、頭が下、足が上の上向きのままです。

「私ができることはどんなことですか?」と尋ねると、「私を起こしてくれますか?」の答えが返ってきました。

私は、青年が腰から足の部分を打っていることを確認し、抱き起すようにして立たせました。

右足首を強く打っているようですが、立ち上がることができました。

「この後、私がお手伝いできることは?」と言うと、そこで初めて青年は「ありがとうございました。助かりました。自分で階段を上がることができます」と、やや不自然な動きながら階段を上がって行きました。

私は青年を見届けて、そのまま駅に向かいました。


ここで、もし私が取り乱していたとしたら、青年の了解もなく救急車を呼ぶとか、他者に声をかけたりしたでしょう。

私にとっては、同情よりも共感の態度で接し、頭を打っているか打っていないか、が分岐点でした。

対処としては、これがよかったかどうかはわかりません。

ヘルプよりのサポートで対処した体験の1つではありました。

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