おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(9月14日)は夕方は菅 義偉(すが よしひで)氏が自民党の総裁に選出されたニュースで持ち切りでした。
アドラー心理学では、リーダーの誕生順位や家族価値を調べると、その人がどんなリーダーシップを発揮するのかある程度予測がつくので、そのことに触れてみることにします。
まずは、得られる情報網から判断すると、次のようです。
菅 義偉氏は、1948年〈昭和23年〉12月6日に秋田県雄勝郡秋ノ宮村(現在は湯沢市秋ノ宮)に4人きょうだいの3番目に生まれました。
父親のお名前は、菅和三郎(すが わさぶろう)さんで、戦前の職業は、当時の満鉄職員だったそうで、終戦により郷里の秋田県に帰り、イチゴ農家を営んでいたようです。
「満鉄」というのは、国策会社の「南満州鉄道」のことで、JR以前の国鉄以上の存在で、戦前の超有力企業でした。
政治ともかなりかかわりのある会社でした。
おそらく父親は、過去の栄光を長男の義偉氏に語っていたことでしょう。
菅氏について農家出身ばかりが強調されていますが、私は父親が満鉄職員であったことを見逃がしてはならないと思います。
また、農業に従事するようになった父親の和三郎さんは、「生活を豊かにするためには、もっと高収入の作物に切り替えなければならない」と考えたようで、「甘いだけでなく、日持ちがよくないと…」と目を付けたのが『イチゴ』だとも伝えられています。
このことは、ありきたりの農業でなく、より高い価値を見出そうと工夫に工夫を重ねるところが家族価値の中にあったのかもしれません。
お母さんは、学校の教員でもあった人で、それだけに家族価値の中に教育のウエートが大きかったとも推測されます。
年齢差はわかりませんが、4人きょうだいの性別は、女・女・男(菅氏)・男。
つまり、菅氏は中間子でもありますが、農家の長男でもあります。
長男として家族の注目の中心にいたとも思われますが、下に弟ができたことで、もしかしたら「王座からの転落」の意識が少なからずあったかもしれません。
父親の期待が自分に寄せられるけれど、母親の注目は弟に行ってしまったのを感じたかもしれません。
姉2人は、やがて高校教師になったようですが、菅氏は周囲に教師が多すぎたためか、自分は絶対に教師になりたくないと思っていたそうです。
菅氏は、母親側の家族価値にNOを言い、中学時代には部活で軟式野球にいそしんでいたようです。
菅さんは、高校を卒業したら実家の農業を継ぐことをお父さんに勧められていたようですが、家業を継ぐのが嫌で逃れるためにも上京した、と語っていたことがあるようです。
家業を継ぎたくなかった菅義偉さんが上京して就職したのがダンボール工場。
ここで明らかなのは、菅氏が父親の期待にNOの態度を示したことです。
早くは母親に、続いて父親の家族価値に反逆したことになります。
姉二人が共に高校教師になったというのは、高校卒業後、そのまま大学に行くことを許されたからでしょうが、菅氏は東京でそのまま大学に通うことができたかもしれないのに、ダンボール工場に勤めたということは、仕送りが得られないことが明白だったからに違いありません。
お金を貯めて、2年後の1969年に法政大学法学部政治学科に入学。
私はここで「政治学科」に入学したことに着目します。
卒業後の就職を考えたら、同じ法政大学でも経営学部か経済学部でもよかったはずなのに、政治学科に入ったのは、菅氏のどこかに政治への志があったとみなせます。
大学に入るや、空手道部(剛柔流)に4年間所属し、三段の段位を取得し、副将も務めていたそうです。
大学から空手を始めて三段になったというのは、並大抵なものではありません。
仲間には、子ども時代から空手をやっていた人たちがわんさといたはずです。
傍ら、大学入学後もガードマンや新聞社の雑用、カレー屋さんなどでアルバイトをしていたことが伝えられています。
+αの情報を加えると、お酒は飲めず、大学を卒業して1年間、電気設備関係の会社で営業の仕事に従事してから小此木彦三郎衆議院議員の秘書になり、その後横浜市会議員を経て衆議院議員になりました。
日課として最近でも朝夕100回の腹筋運動、朝のウオーキングを欠かさないそうです。
マスコミの情報を鵜呑みにせず私が特に注目したのは、父親の農業に従事する期待には添わなかったけれど、満鉄の職員であった父親の政治がらみの野心は子ども時代から存在していたこと、(2)中間子特有の次の性格傾向を有していること、の2点です。
・両親の注目を独占する期間がほとんどない。
・人間関係が上手。
・人生を自分で押し分けて進む傾向がある。
菅氏が中間子であって、弟がいたという誕生順位であったからこそ、年下の安倍総理を官房長官として地道に7年8カ月支えてこれたことも心理学的に大事な点です。
ここからが上に書いたことをもとにしての私の大胆な予測です。
・リーダーシップのスタイルとしては「俺に付いてこい」式の第一子型のリーダーシップではなく老若を閣僚に採り入れた調整型リーダーシップを取る。
・スタート時は安倍路線継承型を装うでしょうが、来年の任期満了後にも総理大臣に選出されれば、独自路線を打ち出す。
・アメリカの次期大統領がトランプ大統領になろうが、バイデン大統領になろうが、安倍現総理のような末子的なフォロワーシップは発揮できない。
・気骨がある人なので、韓国に対する融和策は考えられない。
たまにこうしてアドラー心理学で遊ぶのも楽しいものですね。
◆2019年5月29日から6月1日まで「安倍総理はなぜトランプ大統領と親密になれたのか?:アドラー心理学の【誕生順位】を手がかりに」という記事を書いて遊んでいました。
おつき合いください。
2019年5月29日付けブログ 安倍総理はなぜトランプ大統領と親密になれたのか?:アドラー心理学の【誕生順位】を手がかりに(1)
2019年5月30日付けブログ 安倍総理はなぜトランプ大統領と親密になれたのか?:アドラー心理学の【誕生順位】を手がかりに(2)
2019年6月1日付けブログ 安倍総理はなぜトランプ大統領と親密になれたのか?:アドラー心理学の【誕生順位】を手がかりに(3)
ここからは昨日の21:00からのことを書きます。
YouTube アドラー心理学専門チャンネル/ヒューマン・ギルドの日でした。
https://www.youtube.com/channel/
UCFSDEPGZ4kUu2a0EsTtWwmA/
「メンタルヘルスの重要性」というタイトルで永藤かおるさんが担当。
今後は、来週が連休のためお休み。
9月27日(月)は私担当の「悩み相談―子どもの噛みつき、発達凸凹」
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