アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月3日)は、ブログの更新を休みましたが、訪問者数は更新した日とほとんど変わりませんでした。

このことが確認できたので、これからは、この頻度で行こうとの意を強めました。


さて、半月ぶりの「遅読で学ぶアドラー心理学」シリーズで、今回は5回目です。

◆今までに4回ほどブログに書いていますので、ご興味のある方はお読みください。

第1回目 5月17日付けブログ 遅読で学ぶアドラー心理学:『アドラー心理学を生きる ― 勇気のハンドブック』
第2回目 6月4日付けブログ   遅読で学ぶアドラー心理学:『アドラー心理学を生きる』から【勇気】について
第3回目 6月11日付けブログ 遅読で学ぶアドラー心理学:『アドラー心理学を生きる』から【共同体感覚】について
第4回目 6月17日付けブログ 遅読で学ぶアドラー心理学:『アドラー心理学を生きる』から【ライフタスク】について


第5回目の今回は私が遅読で学んでいる『アドラー心理学を生きる ― 勇気のハンドブック』(ジュリア・ヤン、アラン・ミリレン&マーク・ブラゲン 著/今井康博・日野遼香 訳、川島書店 3,800円+税)から第2部「社会生活の勇気」の前半部分です。

アドラー心理学を生きる
―勇気のハンドブック
ジュリア・ヤン、アラン・ミリレン
& マーク・ブラゲン 著
今井 康博,日野 遼香訳
川島書店

第2部「社会生活の勇気」は、下記の6章で構成され、この本の1/3強を占めています。

第4章 仕事の勇気
第5章 愛の勇気
第6章 友情と家族のための勇気
第7章 所属の勇気
第8章 存在の勇気
第9章 精神的な幸福の勇気

理論的には、主要部分と言っていいでしょう。

この第2部からは「ソクラテス式問答」が登場します。

読者がこの問いかけに対して回答しながら読み進めることで、この本の価値が増します。

その点では、アドラー・カウンセラー養成講座 を修了している人たちがグループを形成して読書会を行うのに適している本でもあります。

この第2部の内容に話を戻すと、私は、第4章「仕事の勇気」、 第5章「愛の勇気」から重要なヒントを得ました。

第4章「仕事の勇気」には、こんなことが書かれています。

アドラー的な枠組みにおける職業は、「コミュニティにとって役に立つあらゆる種類の仕事」と定義され、 様々な遊びの活動、家事、子どもたちの学校の勉強、あるいは生涯を通じ人生における役割を果たすための有給・無休の仕事なども仕事に含まれる。

仕事のタスクのことが明確に語られています。

その後に、最初の「ソクラテス式問答」が入って、「個人の劣等感」「集団の劣等感」に続いて「新しい恐怖:プロティアン・キャリア」に入ります。

「プロティアン・キャリア」というのは、変化する能力で知られるギリシア神話の海神・プロテウスになぞらえたキャリア論で、

21世紀のキャリアは、プロテウス的で、個人によって突き動かされ、その時々の自身の内部あるいは外部の変化に応じることによって再構成される。 プロティアン・キャリア志向を持つ今日の労働者にとっての働く勇気とは、自律性、自由と成長に置いた中心的価値観、高い流動性、心理的な成功、満足感、そして仕事への専門的な関わりといった観点での成功を指す。

として、組織、昇進、低い流動性、成功の目安としての給与増、組織内部での責任の焦点を当てた伝統的なキャリア論とは一線を画しています。


第5章「愛の勇気」では、愛(love)を表す言葉を4つのギリシア語に分けて論じています。

ストルゲー・・・・親愛の情
フィリア・・・・友情愛
エロス・・・・性的な愛
アガペー・・・・神の愛

これは独創的です。

最初の3つは自然な愛、アゲペーは神からの愛、だとして、「これらの愛の4つともすべてには、愛の3つに絡み合った要素― 必要な愛、贈り物の愛、そして感謝の愛がある」と書いています。

その上で、P.70からはアガペ愛が対比表にさかんに登場し、「他者相手への関心=共同体感覚」をい1項として、エロスに基づく愛や結婚との対比が展開されます。


中間的な印象では「何だこの本は!」という、一種の違和感と共に感激を伴う『アドラー心理学を生きる ― 勇気のハンドブック』ではあります。

◆ライフタスクをテーマにペルグリーノ博士のワークショップ(通訳・日本語テキスト付き)を行います。
博士の20年にわたるご指導の中でも初開催の講座です。

5つのライフタスク  

日時:8月10日・11日(土・日) それぞれ10:00~17:00 
受講料:会員 48,600円、一般 54,000円(税込・テキストつき)

アドラーは、人生の課題(ライフタスク)を仕事、交友、愛/性の3つとして捉えていましたが、アドラーの死後30年経ってドライカースらはセルフとスピリチュアルの2つを加えました。  

この2日間のワークショップでは、その5つのライフタスクをさらに深く堀り下げるものです。  

アドラーの時代から進化の著しい現代のアドラー心理学に基づき、現代に生きる我々が日々直面するタスクをしっかりと学べる、討議、演習、デモンストレーション付きのワークショップです。 

https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/267 から詳細確認及びお申し込みができます。

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