おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(11月7日)は、13:00~17:00に千葉県市原市の企業グループで「メンタルヘルス研修」を行っていました。
参加者は、グループの会長に社長4名を含む計14人。
とてもパワーのある集団で、3つほど、他者にない大きな特徴がありました(内容守秘義務)。
さて、仕事に関するアドラーの言葉の2回目ですが、実際は、アドラーの言葉でなくW.B.ウルフとR.ドライカースの言葉を紹介します。
・人生を先送りしてはいけない。用心しすぎ、安全すぎることで得られる配当は、退屈と自己本位だけである。 『どうすれば幸福になれるか 下』(W.B.ウルフ)
・職業としての仕事の特徴は、他の人々のためになることによって価値があるのであるから、義務という概念と関係があるように思える。 『アドラー心理学の基礎』(R.ドライカース)
・問題に直面しようと決心したら、勇気を奮い起こして「状況を改善するために、私にできることは何か」の観点から考えようとすれば、正しい道を歩めるだろう。 『人はどのように愛するのか』(R.ドライカース)
かつて『勇気づけの心理学』(金子書房)を書くために勇気に相当する英語の“courage”を英英辞典で引いたことがあります。
そこの1つには“risk‐taking ability”(リスクを引き受ける能力)と書いてありました。
勇気のない人は、慎重すぎて、人生を先送りし、用心しすぎて、安全確保のために「リスクを引き受ける能力」を発揮せずに終わってしまうことがあるかもしれません。
「石橋を叩きすげて渡らない」。その結果、安全を確保できたかもしれませんが、得られる成果もありません。代わりに退屈さを味わい、自己満足感が残るだけかもしれません。
私の好きな言葉はこれです。“No risk,no return"(リスクなくして成果なし)です。
成果を得るためには、リスクを避けて通れないのです。
仕事がしんどいこともあるでしょう。人から非難されることもあるかもしれません。
そんな時は、私の好きなダンテの言葉を繰り返せばいいのです。
「お前の道を進め。人には勝手なことを言わせておけ」
2番目の言葉は、仕事のタスクが「役割・義務・責任を伴うタスク」であることを再確認させてくれます。
そして、仕事の価値は、自分だけでなく、他の人々のためになることが特徴なのです。
3番目の言葉は意義深いです。
問題に直面しようと決心したら、問題を直視して、その本質を探ることも必要ですが、制約条件を考えたりせず、状況をパーフェクトに克服することよりも改善するために、自分のリソース(知識、経験、能力、人脈、資金、情報など)を駆使して「私にできることは何か?」と模索すると、可能性が限りなく広がってくることを教えてくれます。
アドラーおよびその弟子たちは、仕事のタスクに対しても、勇気づけの言葉を残してくれているのです。
<お目休めコーナー> 11月の花(7)
