おはようございます。ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(5月12日)は、やや風邪気味で疲れを感じていたので、午後をオフの日にして、渋谷のユーロスペース2で映画 「マーラー 君に捧げるアダージョ」 を観賞しました。
この映画は、天才作曲家のマーラーと、19歳年下の妻アルマの夫婦の物語です。
(グスタフ・マーラーの写真)
マーラー 君に捧げるアダージョ
製作年 2010年
製作国 独=オーストリア
監督 パーシー・アドロン&フェリックス・アドロンの父子
マーラー役:ヨハネス・ジルバーシュナイダー
アルマ役:バーバラ・ロマーナー
物語は、オランダに滞在する精神分析医のフロイトをマーラーが訪ねるところから始まります。
ここで、ドイツ語のタイトルのMahler auf der Couchの意味が分かりました。そのまま日本語にすると、「寝椅子に横たわるマーラー」ということで、フロイトの精神分析を、ある場面では室外で、ある場面では彼の居室の寝椅子に横たわって受けながら、マーラーが自由連想法で語る内容で展開されます。
主訴はマーラーの愛する妻のアルマの不倫問題。マーラーは、新進の建築家のグロピウスから妻のアルマへの強烈なラブレターを読んでいたし、アルマも2人の関係を認めていたのです。
元々が男癖の悪いアルマと知りつつ結婚したマーラーが作曲も学んでいたアルマの作曲活動を禁じ、自分の妻として、子どもの母親として自分や家庭を支えるよう命じたことから亀裂が始まります。
おっと、この辺にしておきましょう。
この映画はほぼ実話に基づいていて、マーラーの弟子の、私の好きなブルーノ・ワルターも登場します。
グスタフ・マーラーと妻のアルマのことに関心のある方は、こちらをご覧ください(アルマ・マーラーの方は必見です)。
グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860年7月7日 - 1911年5月18日)
アルマ・マーラー(Alma Maria Mahler, 1879年8月31日 – 1964年12月11日)
エサ=ペッカ・サロネン指揮、スウェーデン放送交響楽団によるマーラーの数々の名曲がとても美しかったです。
主に使われていたのは、次の3つの交響曲でした。
第4番第3楽章
第5番第4楽章「アダージェット」
第10番「アダージョ」
映画そのものとしては、ラストシーンに盛り上がり感がなく、「お勧め」とはしませんでした。
映画というよりも物語と音楽に感動した私でした。
「あなたの音楽の中で、わたしは生き続ける」というアルマのせりふが頭に残り、今後マーラーの曲を聴くときはアルマを切り離せなくなりそうです。
未完に終わった、マーラーの交響曲第10番「アダージョ」を聴きながらブログを書き終えました。
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