おはようございます。ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
これは、アドラー心理学ベーシック・コース で「優越コンプレックス」の例として話すことです。
『勇気づけの心理学』の発刊記念の講演会をヒューマン・ギルドで行った後に、竹ちゃんで懇親会をやっていたら、1人の人がプリントを同じ席に座った人たちに配布し、
「僕は、ジュンちゃんと友だちなんです」
と言うのです。
私は、私の大学時代に「恋のハレルヤ」でデビューした、歌手の黛ジュンちゃんかと思ったら、他のジュンちゃんでした。
「私のプロフィールの2枚目を見てください」
と言うものですから、周囲の人と一緒にページをめくると、K大学経済学部のゼミで「小泉と一緒だった」と言うのです。
この時点で、時の内閣総理大臣、小泉純一郎氏と同期であることが判明しました。
大学時代のことを4-5分話したところで、私が「今でも昵懇なのですか?」と尋ねると、「今は連絡が途絶えている」とのこと。
私は、「だったら、そんなこと話題にすんなよ!」という気持ちになりました。
ところで、このように自分の知人や過去の能力や家柄を誇張して、それこそ何度も何度も語る人がいます。
アドラー心理学では、このような人の態度を「優越コンプレックス」と呼んでいます。
ところで、このような「優越コンプレックス」のことを私が監訳している『どうすれば幸福になれるか』(一光社)で著者のW.B.ウルフは、「プラス・ジェスチャー」とも表現しています。
ウルフは、実際の自分よりも大きく、偉く見えるように身につけたジェスチャーを「プラス・ジェスチャー」と名づけ、通常「優越コンプレックス」を呼ばれる性格特性の鍵を次のように書いています。
1.優越コンプレックスは、劣等コンプレックスの煙幕に過ぎない。
2.優越コンプレックスの根底をなす唯一のものは、他人に自分が自覚しているほど悪く思われたくないという願望である。
3.優越コンプレックスは、暗い路地で怖さをごまかすために口笛を吹く少年のようだ。いかにも勇敢に思えるが、決して恐怖感はなくならない。
いかがでしょうか、このような優越コンプレックスの人を身近に見ることはありませんか?
優越コンプレックスをキーワードとして周囲の人たちを眺めると、人間理解が深まります。
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