今回は鶏足寺から己高閣へと向かいます。
己高閣はもともと己高山(こだかみやま)に創建された寺院になります。
前回で書きそびれましたが、現在の鶏足寺は旧飯福寺と示されているように、鶏足寺の別院であった飯福寺のようです。
鶏足寺の前身は、行基が常楽寺という寺を十一面観音を本尊として創建したことに始まります。
この常楽寺は次第に荒廃してしまいますが、その後最澄が己高山に入った時、雪に残る鶏の足跡に導かれ十一面観音の頭の部分を発見し、観音像を復元、再興したことからこの変わった名前がついたようです。
さて、滋賀県での寺院の代表は比叡山延暦寺ですが、己高山はこの叡山よりも古い歴史を持つ信仰の聖地とされていたようです。
鶏足寺から己高閣へは1Km弱程ののどかな山道を行きます。
意外ですが、この辺りはお茶の栽培が行われているようです。
大々的なものではありませんが、周辺の案内板に茶畑と並んで薬草畑が描かれているところを見ると、その昔は案外とお茶も薬草として扱われていたのかも知れません。
この散策道は、本当に心をゆったりとできる気持ちのよい山道です。
散策道を半分ほど行くと、山が開けてこれまた気持ちのよい平地が広がります。
周りを眺めながら進むと、野菜やら木の実などを並べた無人の露店が幾つか置かれています。
何かと世知がない世ですが、この様に信用商いが出来るのは眺めていて気持ちがいいものです。
現在の己高閣はこの平地を行くと、少し高台の丘の上にあります。
ただし、名前こそ己高閣となっていますが、外見は明らかに収蔵庫といった感じです。
周りは与志漏神社の境内かと思うのですが、この境内に薬師堂、大日堂が置かれていますが、これは神仏習合と見たほうがいいのかもしれません。
この己高閣に鶏足寺関連のものが保管されています。
記録では、鶏足寺は昭和になって一度火災に遭っていますが、幸い本尊様はじめ寺宝は、与志漏神社や己高閣に移され保管されていたため消失を免れたようです。
ここまで紹介してきたお寺の仏像の数々は、撮影禁止のため本ブログ上での写真はありません。