美しき参道 高桐院

2010年07月23日 | 日記

京都の数ある寺院の中でも屈指の美しさをもつ参道であろうと思うのが高桐院である。ご存知であろうが、高桐院は大徳寺の塔頭の一つであり、開基は戦国時代に智将として知られる細川三斎である。

 

茶人としても知られる三斎の遺骨の一部を埋葬し、細川家の菩提寺とした高桐院は、三斎の文化人たる側面をうかがわす品が多く残されている寺院でもある。

 

方丈に対面する南庭、通称「楓の庭」も見ごたえがあるが、やはり驚かされるのは長い石畳と楓に彩られる参道である。

 

塀に囲まれた参道は、大徳寺境内から目にする事はできず、塀の外からはおおよその体を保った貧弱な竹垣の道があるだけである。しかし、この貧弱さが茶でいうところの侘びを表しているのかも知れない。


 


ところが一歩塀の中へ踏み入れると、思わず声を発しそうな光景が広がる。けっして派手でもなく、豪華でもなく、ただ簡素な造りの参道がそこにあるだけなのだ。


 


だが、この簡素さが周りの楓と相俟って醸しだす雰囲気は、人の心に抵抗なく溶け込むようで、利休七哲の一人とされる茶人三斎の力量をみるようである。


 


この参道は、あまりにも有名なのであろう。数多くのガイドブックやポスターなどに四季折々の情景が使われている。

 

今回は、時節に合わせ祇園祭の時に訪れた、雨に濡れる参道を載せてみた。
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龍安寺の苔庭

2010年07月20日 | 日記

梅雨末期の豪雨が西日本を中心に大きな被害をもたらし、梅雨が明けたようである。一気に気温があがり体温に迫る猛暑のようでもある。

 

この時期は苔がとてもきれいになる。苔というと苔寺であるが、夏の苔寺へ足を運んだ事がないため、最も印象が強い龍安寺を回顧する。


 


ご存知かと思うが、龍安寺の開基は細川勝元、開山は義天玄承で、釈迦如来を本尊とする臨済宗のお寺で世界文化遺産である。

 

衣笠山の麓にあり、通称観光道路からすぐのところにある。この観光道路は金閣寺やわら天神から嵐山へ抜ける道であり、結構利用するのだが、その度につい龍安寺へ寄り道をしてしまうのが常である。

 

龍安寺は、細川勝元が応仁の乱の一当事者であったため焼失してしまうが、その後、勝元の息子政元により特芳禅傑を招き再興している。この事から龍安寺では、特芳禅傑を中興開山としているようである。


 


現在は、十五個の石を配した枯山水の石庭で有名であるが、もともとは鏡容池を中心とし現在の京福電車の龍安寺駅近くまでの寺領で、21もの塔頭を持つ大伽藍であったようである。


 


さすれば、現在有名な枯山水も往時としては、ほんの遊び心のゆえの作庭であったかも知れない。ゆえに作庭者不明というのも頷けるところである。

 

さて、肝心の苔であるが、この石庭の西側に小振りな庭がある。この西庭の苔が夏場には見事な輝きを放っている。何故かこの苔模様にいまも強く惹かれる。




 

外国からの観光客が、この西庭に向かいながら方丈の廊下に座り込んでいる姿をよく目にする。この位置からは石庭と苔庭の両方を眺める事もできるのである。


 


龍安寺の石庭は、しばしば外国人の感性にマッチしているのかと取り上げられるが、実はこの位置の近くにはシークレットビユーポイントがある。

 

虎の子渡しといわれる枯山水であるが、外国の方は本能的にこのビューポイントを感じ取ってしまうのであろうか。


 


ここまで書くと、感の良い方はこのビューポイントが何かに気づかれると思う。

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祇園祭本来の主役 御輿渡御

2010年07月04日 | 日記

祭りとなると、やはり御輿渡御が本来の主役である。山鉾巡行があまりにも有名になりすぎたため、御輿渡御が霞んでしまっている感がある。

 

御輿渡御見物は、地元の氏子さんが多いのであろうか??


夕方
5時を回る八坂神社前には、ぞくぞくと人が押し寄せてくる。周りを見渡すと、驚くところにも人の姿がある。




 

祇園祭では、いつも長刀鉾の稚児が話題にのぼるが、祇園祭の本来の主役稚児はこのお方、久世稚児である。祭り期間中は、神の化身とされ絶大な位をもつ。

 


昼間に行われる巡行と比べると静と動と真逆で、静の巡行に対して、この御輿渡御は荒々しい暴れ御輿の感がある。



 

久世稚児の御成りにつづいて、東、西、中御座の各御輿が八坂神社前に集結し、その後氏子町内を数時間かけて渡御し、四条寺町のお旅所に納まる。


 

多くの観光客は、山鉾巡行を見終えると引き上げてしまうようであるが、実にもったいない事である。機会があれば、是非この御輿渡御も見物してほしいものである。

 

祇園祭と日を同じくして、祇園夏祭りが祇園新橋で行われるはずである。普段静かな巽橋の周りがとても賑わっている。





あと二週間もすれば、山鉾巡行である。

今年の山一番は孟宗山。

残念だが、今年の祇園祭には行くことができない。

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