番外 福島美術館

2013年09月24日 | 日記

福島県立美術館で行われていた、東日本大震災復興支援特別展「若冲がきてくれました」を観てきました。
勿論展示物の写真はありません。

 


日本でのプライスコレクションの展示は、これが最後であろうという巷の噂です。
早い時期にと思っていたのですが、結局展示期間終了間際ギリギリの19日になってしまいました。

伊藤若冲をメインとして、江戸時代のそうそうたる絵師(曽我蕭白、長沢芦雪、酒井抱一等々)の展示でした。
今でこそ天才と言われる若冲ですが、つい最近までその絵の評価は低かったようです。

その様な中で、プライス氏が収集した若冲の絵は、まさに素晴らしいに一言に尽きます。
最近になりようやく若冲の評価が再認識され、NHKではよく特集番組として若冲を取り上げています。

TVカメラを通しても、その素晴らしさは伝わりますが、やはり生にかなうものはありません。
実際に絵を観ると、写実の天才の技には驚かされるばかりです。

同行した連れ合いが、実に言いえて妙な言葉を口にしました。
「他の絵は描いているが、若冲の絵は語りかけてくる凄さがある」

若冲の絵を観てしまうと、他の絵師の絵が色あせて見えてしまうのです。
ただ、その中でも、流石と思わせられたのは、円山応挙です。

若冲が写実の天才ならば、感性の天才は応挙でしょうか。
応挙の「懸崖飛泉図屏風」からは、研ぎ澄まされた感性が空気感となって伝わってきます。

せっかく福島まで足を運びましたので、市内を少し見てきました。
たまたま浪江町の仮設住宅を目にしましたが、TVで見ているのと、実際に見た感じは全く違います。
「これは、ひどい」というのが、瞬間の印象です。震災から2年半が過ぎますが、いまだにこの状態とは驚きの一言です。

町外れに芭蕉ゆかりの「文知摺観音堂」があるとの事で寄ってみましたが、ここも除染作業のため拝観停止になっていました。

境内の中では、除染作業が現在も行われており、黒い大きな袋に包まれた除染物がいくつも置かれていました。
除染はするのだけれども、この除染した物は一体どこに片付けられるのだろうかと、複雑な気持ちになりました。

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お彼岸 平等院

2013年09月22日 | 日記

お彼岸ですね。
お彼岸とは、俗に「向こう岸」ということで極楽浄土を指すようです。
この彼岸に対峙する「此岸」という言葉は現世をさしますが、一般にあまり知られていないようです。
岸が二つありますが、ここに流れる川はご存知の三途となります。

寺院の庭には、この彼岸、此岸を表現している所が少なくありません。
平等院もその中のひとつで、鳳凰堂が此岸なれば、池に映る虚像は彼岸を表現しているといわれます。

池に映り込むお堂を観ていると、なる程と頷くほどきれいなものです。

鳳凰堂は阿弥陀堂ですが、来迎の阿弥陀と云われるように、阿弥陀如来はお迎えの如来様です。
大きな阿弥陀堂で、当時の人が来世の安泰を祈った気持ちがよくわかります。

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