以前秋の頃に南山城を訪れた事がある。
目的は南山城周辺に点在する寺院の十一面観音像の参観である。
この辺りの観音像を初めて目にして、その素晴らしさに驚いたものである。
そこで春の桜の時期はどうかと、木津川の加茂町にある海住山寺を尋ねた。
後で述べることになるが、昨年、今年と、どうも観光タクシーの運転手に恵まれない。
京都を出発して海住山寺までは、どうにか無事にたどり着く事ができた。
海住山寺は松ケ辻からの入り口が分かり難いが、今回は小さいながらも結構案内板があり楽であった。
しかし、松ケ辻からの登りは、相変わらず一本道、どうか対向車が来ないようにと祈りたくなるような細い山道である。
南天寺としても知られる海住山寺であるが、さすがにこの時期、南天はまだ早いようである。
観光の時間としては早い時間かと思ったのだが、大学の研究なのか学生が数名と教授らしき方が、すでに境内を散策していた。
本尊さまを拝まして頂いたが、いつも観音寺(普賢寺)の本尊様と比べてしまう。
好みも人によって、海住山寺の観音様と観音寺の観音様と分かれる様である。
まあ、造り方が違うので、おのずと醸し出す雰囲気が違ってくる。
しかし、特別公開の時と違って、本堂にあまり光がなく、薄暗い中での拝観であった。
もう少し、明るくても良い様に思える。
だが、十一面観音像の素晴らしさは相変わらずである。
しかしながら、私のように遠方からの者とって、そう頻繁に足を運べないのが一番の難点である。