4、5年前から、時間をみて滋賀の寺院を拝観して回っています。
いままで拝観した滋賀のお寺は、京都に勝るとも劣らぬ見事なものばかりでした。
湖西にある大きなお寺、湖西三山とは呼ばないようですが、三井寺、西教寺、滋賀院そして湖南の石山寺といずれも大変興味深い寺院ばかりでした。
昨年は、祇園祭の折に湖東の近江八幡に足を運んだが、さすがに暑さに負けてじっくり見て回ることができませんでした。
近江八幡は、季節のよい折にもう一度足を運ぼうと思っています。
さて今回は、リベンジのつもりはもうとうありませんが、旅の目的のひとつは湖東三山狙いでした。
その最初のお寺は西明寺です。
こちらも京都からタクシーを使っての巡礼です。
西明寺までは、タクシーで京都から一時間と少しです。
なぜタクシーを使うかと疑問方もいるでしょうが、時間的な問題解決と思ってください。
公共の交通機関を使うと、交通経費は安く済みますが、時間が大幅に必要となります。
私のように、遠方からの者にとっては、時間の短縮は必須なのです。Hi
さて本題です。
京都の三尾にも同名のお寺がありますが、こちらは滋賀のお寺です。
境内に入ると、眺めのいい風景が開けます。
少し数がありそうな石段の上に山門を構えています。
この程度の石段ですと、「まぁ仕方がないな」といったところですが、後で書く予定の金剛輪寺のような石段なると、さすがに「勘弁、勘弁」となります。
山門は一見仁王門かと思いましたが、持国天と増長天の二天門でした。
周り全体の感じから、高尾の神護寺とよく似通っています。
西明寺は、平安期の庭ももっているようですが、やはり境内を入った第一印象がすべてのように感じます。
庭は、作庭の良し悪しといいますか、受ける印象は本当に難しいものがあると思っています。
著名な方が造った庭だからと、万人に受けるとは限りません。
多くの方々は、名前を聞いてなんとなく素晴らしいと思うのが落ちでないでしょうか。
この感性に対する答えが、以前書いた福島での若冲展の中に答えがありましたね。
若冲のコレクターで有名なプライス氏の言葉ですが、「絵は書いた人が誰かは重要でない。
素晴らしいと感じた絵が一番なのである」という意味の事を、入り口の最初に書かれていました。
まさにその通りと思ってしまいました。誰が書いたか、誰が造ったかなどは、重要でないのです。
自分の感性にマッチングする事が一番と思います。
このような面からすると、この西明寺は私的に素敵なお寺となります。
本堂には、頭上に干支をつけた十二神将像が置かれていますが、かなりいい仏像です。
本尊さまは、ご開帳でなければ見られず、写真だけの拝観でした。
説明された方の話では、西明寺の本尊様は、一住職一代で一度だけのご開帳とされているとの事でした。
意味がわかりますでしょうか?
いつご開帳になるかわからず、一度本尊様をご開帳すると、現在の住職が引退され、次の住職にならなければ、次のご開帳はないという事です。
通常何年毎の御開帳というのが普通で、このようなご開帳方法は初めて聞きました。
この御本尊様が、20014年4月4日から5月一杯までご開帳になるそうです。
私的には、本堂裏側に置かれている快慶作の観音様、菩薩様、これは誠に見事な仏像です。
重要文化財で国宝指定にはなっていませんが、私にとっては国宝の価値がある仏像二体でした。
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