
佐藤昭相談役を偲んで
後 藤 篤 雄
佐藤昭相談役が11月12日永眠されました。
衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。
佐藤相談役は2017年(平成29年)に会長職を勇退されたので、面識のない方も多くいらっしゃいますので、
簡単にご紹介します。
海上保安庁を退官後、記念として家族からそば打ち道具一式を送られこれを機に、
北海道新聞そば打ち教室に通った後、札幌手打ちそば愛好会に入会しました。
その後、当時の札幌手打ちそば愛好会の会長から、“石狩で会を立ち上げたら”という一言で、
2002年(平成14年)“札幌手打ちそば愛好会石狩支部”として設立しました。これが当同好会の始まりです。
2003年(平成15年)には「初段認定試験札幌大会」(野幌開拓の村武道館)の応援や石狩市各町内会、
石狩教育委員会、福祉施設などでそば打ち教室を開くなど趣味の活動から社会貢献する団体へと変容していきました。
2005年(平成17年)に今も開催している「初・二段位石狩認定会」を行いました。
当時の記録では、初段位127名、二段位15名の計142名が受験され右往左往されたようです。
今では四段位まで開催できる同好会となりました。

このように今の同好会の組織と各事業の礎を築きました。
また、全麺協北海道支部にも尽力された方です。
佐藤相談役は大変そばへの熱意にあふれた方で、そば打ちのみならず蕎麦知識の向上にも力を入れ、
200頁にも及ぶ「蕎麦雑学」なる資料を作り上げました。それは、我々のバイブルにもなってきました。
また、賄いで食べている「カレーそば」は海上保安庁時代のレシピを我々に伝授したもので大変おいしく、
今後も受け継がれていくことと思います。
同好会の20周年記念誌に寄稿されたタイトルは“一粒万倍”とあります。
「一粒の籾が万倍にも成長して実り、立派な稲穂になる」という意味です。
手打ちそばを通して、会の発展とそば文化の伝承、仲間づくり、地域づくりを願ったものと存じます。
もちろん“おいしいそばづくり”は忘れてはなりません。この意思を私たちの手で引き継いでいきましょう。
合掌

■ 五段位合格
松本 道博
このたび、3年間がかりで何とか五段位に合格することができ、大変光栄に思っています。
蕎麦打ちを始めて10年、これまでの道のりを振り返るとさまざまな経験が蘇ります。
蕎麦打ちに興味を持ったきっかけは、定年後の趣味にと軽い気持ちで地域の「そば打ち教室」に参加したことです。
そこで、手打ち蕎麦の美味しさに感動し、自分もこの技術を身につけたいと思いました。
最初は四苦八苦しながらの作業でしたがその後、何度も失敗を重ねながらも少しずつ技術を磨いていく中で、
師匠や仲間たちの支えが大きな励みとなりました。
特に、今回の受験を目指した中で得た知識や技術は、単に蕎麦を打つという行為を超えて、
自分の人生観にも影響を与えています。蕎麦打ちは一見単純に見えますが、そこには深い哲学と美学を感じます。
一つ一つの工程に込められた意味を理解することで、更に「そば道」の奥深さを実感しています。
この五段位の認定は、大きな達成感を味わったことに留まらず、
これからも精進を続けるための新たな出発点だと感じています。
今後も技術の向上を目指すと共に、次世代や地域の人々に蕎麦作りの魅力を伝え広めていきたいと思います。

田村 美知子
令和4年10月、四段位をいただいて少したった頃、仲間の一人が、或るとき「次は五段だ」と叫びました。
この一言から長い旅が始まりました。五段の先輩たちを見ても自分が合格するのは到底無理だと思い、
私が決心したことは,「兎に角、行ける所まで行く」「だめでも、悔いがないように練習する」ということでした。
しかし、認定会が近くなるに従って周囲の仲間達、先輩たちの励まし、
アドバイス、助けに後押しされて,頑張ろうという気持ちになり試験勉強が現実味を帯びてきました。
この試験の4段階の関門、小論文、筆記試験、上京しての本審査(意見発表、実技審査)は、
私にとって、どれをとっても大変な難関でした。
毎日の筆記試験の勉強では、合間に口に入れるおやつの量だけが増えていきました。
当たり前のことですが、これで大丈夫という保証はありませんし、先が見えない闘いでした。
全ては、人との競争ではなく、戦う相手はいつも自分自身でしたから苦しかったです。
また、私にとってこの挑戦の機会は1回だけで来年はないと心に決めていました。
周囲の状況、体調、あらゆることを総合的に判断しても、来年、再度挑戦することは、難しいと思ったからです。
そのような中で、朝夕、私の真剣度を見ていた主人も、次第に応援してくれるようになりました。
受験のために上京してからの2日間は怒涛のようでした。初日の意見発表は、かなり練習したはずなのに、
すらすらというわけにはいかず、後の2分間ももっと言いたいことがあったはずなのに、と悔やみ、重い心で、
1日目を終了しました。
2日目の実技審査の前に、控室で待機していた時に、他県からの女性の受験生が、突然、「昨日の田村さんの意見発表、すばらしかったですね」と話しかけてくれました。思いも、かけない言葉だったので本当にびっくりしました。
先に終わったその方は、私の発表を聴けたので、内容をとてもよく覚えておられました。
この方との語らいで、自分の気持ちを立て直して、実技に臨むことができました。
実技は、自分の中の世界ですから、集中して打つことが出来、
苦手だった最後の掃除の時間もゆったりとることができました。
今、認定証書をいただいて、沢山のお世話になった方々への感謝に溢れています。これから、会のため、仲間のため、
またより豊かな自分の人生の為にも、積極的に活動していけるように心から願っております。
皆様、応援していただき、本当にありがとうございました。

成田 直喜
5段位にチャレンジするにあたり、今年の1月末から本格的な準備に入りました。
スタート時は佐々木則子さんから年間スケジュールと学科の取り組みにつて詳しくアドバイスを頂きスタートしました。感謝です。
スタートから半年後の試験日7月13日頃はストレスの影響か4kg程太りましたが何とかクリアしました。
現在体重は△2kg戻す。
さぁ今度は実技だぁ~実技審査会は4か月後。会場は東京浅草で11月8日に実施されます。
今回審査を受ける仲間たちと粗引き粉を打つのですが中々思うようにはいきません。
気持ちは一生懸命なのですが……そこに大西先輩が練習に加わっていただき、見よう見まねで打ちまくるも何とかそばにはなるが……くずだらけ。
そこに登場して頂いたのが塚越さんでした。
気が付いたら浅草の実技会場まで同行して頂き半端ない緊張を和らげて頂きました。
私は意見発表で失態を演じてしまい落ち込んでいる私を浅草神社に行き一緒にお参りして頂きました。
「あとは神頼み」っていうことだよね。結果合格させていただき思うことは一緒に取り組んだ仲間達、
数々のご指導をして頂いた仲間達と浅草の神様に感謝ですね。
近い後将来を見据えた取り組みとして、小学生をターゲットにそば打ちの普及活動を広げ、郁々は会員増にしたい。
現在書道・武道では小学生がさかんに学んでいます。
それぞれの地域でそば教室を開催すると必ずと言っていいほど小学生又は
親子連れが参加しおり増えてきている傾向かと思います。

大西 由美子
五段位を受けると決めてから3年経ってしまいました。
私的には、打たないと安心出来ないので本当に沢山たくさん打ちました。
R 5年度は無我夢中で打ち、R 6年度は考えて打ちました。
辛くて悲しくなってしまう事もありましたが、とても楽しかったです。
学科は記憶力と言うのは1年でこんなに無くなってしまうんだと、教本を読んでも、
読んでも覚えられない地獄を見ました。
本番は実技から始まり、こんなそば、打った事がないと思うほどひどい状態で今年も落ちたかなと思いましたが、
何とか自分の番号呼ばれホッとしました。
でも、切り揃えが酷かったので、合格してもヤッターと飛び上がる事が出来ませんでした。
更なる努力が必要だと思いました。
会の方々に五段位に向けご指導頂きまして、本当にありがとうございました。
ホテルのロビーで皆さんと毎食後、特に夕食後に重たいデザートを食べながらワイワイおしゃべりし、
アドバイスを頂き楽しく、とても勉強になりました。
これからは、五段位としての品格、自覚を持って活動して行きます。


■ 4段位合格
青木 耕一
四段位認定会受験の難しさを諸先輩から聞かされて、今の技量では受験は無理と考えていましたが、
諸先輩から受験を勧められ受ける決断をしたのです。
が、特訓での練習では「麺」にならず先輩方は「粉100kg打たないと認定会合格はできない」
との激励の言葉を頂きながら、頭の中ではお金はどの位必要なのか!
練習しても中々上手くいかず何度か受験を辞めようかと口にした事もありました。
教務部長からお叱りの言葉を貰いながら練習に励んだ結果、
合格点ギリギリでしたが合格することができましたのも指導頂きました皆様のおかげです。
大変お世話になりありがとうございました。特に塚越事務局長の個別指導に感謝いたします。
40分内で終了することを目標に実技に入りましたが、加水量が足らず「麺体が固め」でしたが、
至難の業で何とか40分以内で終わることが出来ました。
何時もの「汗」対策も裏切られ数滴落ち!減点!緊張の40分でした。
受験番号1番、1組目での合格発表時に「1番」が呼ばれるかドキドキで呼ばれた時には涙がでそうでした。
代表での認定書受領は生涯での想い出になりました。
10月上旬東京出張の折「湯島天満宮(学問の神様)」に参拝してまいりました。
最後は神頼み!学問の神でしたが御利益があったようです(笑)。

終えて、普段の練習不足、基本的な項目の知識不足を痛感してますので、
諸先輩の打ち方を参考にさせていただきます(2年後は‼)。
これから昇段受験される方は諸先輩の助言に耳を傾けて、参考にしながら練習に励んでください。
基本を忠実に「美味しそば」を打ちましょう……
最後に、同好会の皆様、ご指導頂いた皆様には少しは恩返しができました!
いしかり手打ちそば同好会は素晴らしい会です。今後の運営に微力ながら協力させていただきます。
「美味しい蕎麦」作りに励みます。感謝、感謝です・・・・・・
そば粉約95kg(約8万)四段位受験に関する諸費用約16万。

■ 三段位合格
松井 道枝
無時合格して嬉しい報告を出来ました。
教務部の皆様・心配して色々ご指導してくださった皆様本当にありがとうございました。
仕事を辞め時間が出来た時は、これからはゆったり、のんびり生活したい。
手打ちそば教室に申し込んだ時は、自分で打てたら良いなくらいでした。
私の育った町は、浦臼町。ボタンそばの花が春の訪れを告げます。
祖父、父の友人がそばを打っていたので、気楽に簡単に打てるものと思っていました。
が、現実は厳しく、まともに打てない難しさ、楽しさにすっかりはまりました。
認定証を頂き思う事は 手打ちそばに出会えて良かった。
そばを通じて広がる人との繋がり、これからも大切にしていきたいと思います。
福島 ゆかり
この度は、無事三段の試験に合格する事ができました。 皆様の指導に大変感謝致します。
1.5㎏の粉の多さに苦労しました。 捏ねの量の多さ、延しの大きさ、前回2段の時の1.0㎏から全然違います。
粉に慣れるのにしばらくかかりました。やっと慣れた頃、もう10月。 あと1か月しかありません。
水加減も定まらないし、丸出しも大きくならない、いびつな4つ出し、時間内に終わらない……。
打てる時は3回打ち、課題を少しずつ解消していきました。
急に追い込んだものですから、腕が筋肉痛になりながらの試験。
年頃の方々がよく言いますが、初めてペットボトルのふたが開けられない事を経験しました。
それも試験の水のフタ……(笑)かかえながら開けましたが焦りました。
水回し、捏ね、延し、スムーズにいき過ぎ、順調すぎですべて終わって36分台でした。
全体に早いリズムで進んだのでしょうね。もう、終わって手を挙げた人がいて、
「え?まだ手を挙げるの早くない?点検点検…」と 心の中で言い聞かせ、後ろの荷台を片付け、
39分台に終了しました。
真剣に打ち込めるものがあり、目標に向かって焦りや達成感など一喜一憂できるそば打ちは辛くも楽しい。
会の仲間や先輩達も同じような経験をしているから指導も的確で、身に付きます。
この環境に感謝しながら、楽しくそば打ちをしていきたいと思います。
三上 芳信
昨年の認定会は9月3日という暑い日で、汗が止まらない中で蕎麦打ちし苦労した思いがありました。
今年は11月で暑くもなく気候にも恵まれやりやすい時期でした。
再チャレンジというプレッシャーもありましたが、仲間の応援もあり合格することができました。
居上部長をはじめ、ご指導して頂いた先輩方には大変感謝しております。有難うございました。
今回の幌加内認定会には45名の参加者で、全員40分以内で終了するというレベルの高い参加者でした。
審査委員長の講評として、水回し、捏ね練りの不足、厚さ確認不足、打粉の振りすぎ等の指導がありました。
私も切りの最後の麺を舟に入れた時、打粉がしっかり落とし切れていませんでした。
そこに審査員が回って来て「おしいね」と言われたのが耳に残っています。
失敗は成功の元と言いますので、今後に於いては、今回の課題を克服し更なる高見を目指していきたいと思います。

□市民そば打ち教室
6月から月1回開かれている市民そば打ち教室も12月7日最終回を迎えました。
なお、この日は級位認定式も行われ、次の5名の方に後藤会長から級位を授与しました。
1級:愛澤桃美さん
2級:桑原 修さん
茂木 勲さん
中村敏夫さん
3級:菊池光弘さん

■茨戸ライラックハイツそば打ち訪問
12月3日この時期恒例の茨戸ライラックハイツでそば打ちを行いました。
