会報いしかり
第135号(令和 5年 7月8日)
いしかり手打ちそば同好会 初版発行:平成20年9月13日
〒061-3202 石狩市花川南2条6丁目256
URL:http:blog.goo.ne.jp/it sobo
蕎麦と城巡り紀行Ⅱ
藤井 哲夫
5日目、チェックアウト後、善光寺近くの愚息の官舎を訪問し、駐車場に車を入れ替えて、
2日間、これまで行ったことの無い長野県内を案内して貰うことにする。
官舎は2LDKだが単身赴任3カ所目だけに手慣れた生活が窺われ安心する。
現職時代の自分の4回の単身赴任を思い出す。まず善光寺だが4年前の秋に訪れて以来2度目である
。商家が並ぶ仲見世通りを経由し徒歩で向かう。
参道に面したガラス張りの蕎麦打ち場でライブ蕎麦打ちする店舗を覗く客も多い。
御存知の通り善光寺は飛鳥時代に創建された約1400年の歴史を刻む古刹で、
本堂は国宝である。宗派の区別なく参拝するすべての人に極楽往生を約束する寺として信仰を集めてきた。
どの宗派にも属さない寺院だが、天台宗と浄土宗の僧によって守られてきた。
真宗大谷派(東本願寺)門徒の私も参拝させて戴いた。
また、7年に一度に挙行される絶対秘仏の前立本尊御開帳は令和3年の開催予定のところコロナ禍で1年遅れの昨年実施された。
参拝前々日の4月5日、本堂入口に公開中の「びんずる尊者座像」があろうことか白昼堂々盗まれた。
長野県警の迅速果敢な捜査によって、犯人はその日のうちに松本市内でスピード逮捕され、盗まれた座像も無傷で善光寺に戻った。
なんと罰当たりなことよ。釈迦の弟子で「びんずるさん」と呼ばれる像は「患部と同じ場所を触れると病が治る」とされる「なで仏」で、
平日とは言え多くの参拝者の中、どのように盗んで持ち出せたのか?昔の癖でつい考えてしまう。
再犯防止対策を講ずるまで再展示されておらず、触れれば悪いところが快癒するという言い伝えにあやかり、
密かに頭部を中心に撫でようとしたが叶わずに残念なことではあった。
次いで県内の著名な蕎麦の産地の一つ、奥社・中社など五社で構成される戸隠神社に向かう。
参道の途中に多数軒を並べる蕎麦茶屋の一つで、戸隠竹細工のざるに盛られた戸隠蕎麦を食する。
平安時代、山岳修験者の携帯食として蕎麦粉が重宝され、江戸時代に麺状の「そば切り」が始まり、
遠来の賓客や戸隠講の人々のおもてなし料理として広がったという。
店頭に秋の新蕎麦の入荷を知らせる「そば玉」がぶら下げられており、
目を引いた。酒造会社の軒先で新酒の完成を知らせる球形のあの「杉玉」の蕎麦バージョンである。
戸隠竹細工で鼓状の土台を作り、両端の鼓の部分だけに杉玉同様に杉の葉で成型するものである。
北海道では見られない伝統のそば文化に刮目した。
中社を参拝し御朱印をいただき、今夜の宿泊地である信州渋温泉に向かう。
チェックインに早かったので近郊の「地獄谷野猿公苑」に足を延ばす。
自然の中で伸び伸びと生息し、露天温泉にも入る野猿の親子に外国人観光客も大喜びであった。
その日の宿は愚息に手配してもらった江戸時代から13代目という若い主人が継承する旅館である。
熱い温泉と美味しい料理が印象に残った。
6日目、渋温泉をチェックアウトし湯田中温泉駅で長野電鉄に乗車し小布施駅に向かった。
この電鉄会社は小田急電鉄の旧ロマンスカーやJR東の成田エキスプレスの中古車両を観光列車として再稼働させ成果を上げている。
車内も平日なのに観光客を中心に満席近い。アイデア溢れる営業戦略である。
長野市内に入ると地下鉄に変身しJR長野駅地下に乗り入れている。
地元の豪商が寺に寄進するため、江戸から招いた浮世絵師の葛飾北斎が描いたという天井画がある岩松院を拝観するために小布施駅で下車した。
「人間50年」の時代に北斎88歳の作という「八方睨み鳳凰画」の天井画は、21畳大の荘厳で褪色もなく色鮮やかな大作で見事であった。
喜寿になったなど口幅ったいと大反省である。なお、同寺は豊臣秀吉の重臣で
、関ヶ原の戦いでも勇名をはせ広島城50万石の大大名となった戦国武将の福島正則が、
幕府の謀略によって信越地方に国替え45千石に移封(左遷)させられた。
その菩提寺であり、悲運の名将は霊廟に眠っている。
長野県の最終日であり松代に向かい、松代城址、更に幕末の思想家で、
吉田松陰・勝海舟・坂本龍馬にも影響を与え学問の神様と称される佐久間象山を祭った象山神社を巡った。
7日目、(最終日)長野市内のホテルをチェックアウトし新潟港に向かう。
まず新潟県西部の上越市で高田城址公園に寄る。折から桜祭りが開催中であったが既に葉桜目前の状態。
高田城は家康の六男松平忠輝の造営であるが、三重櫓は上越市発足20周年記念事業として平成5年再建された。
次いで国道253号・国道117号経由で、関越道に入り、長岡JCTで北陸道に合流しさらに日本海東北道を北上し新発田城に到着した。
満開の桜を背景に新発田城は荘厳であった。
新発田城は明治の廃城令で、陸軍省の管轄となり第二次大戦までは歩兵16連隊が使用し、
昭和28年からは陸上自衛隊第12旅団の第30普通科連隊が駐屯している。お城と自衛隊駐屯地が隣接する稀有な城である。
「高田馬場の助太刀」の忠臣蔵・堀部安兵衛の父が、辰巳櫓の今でいう管理役人を務めていた縁の城でもある。
この旅で結局、金沢城・松本城・上田城・松代城・高田城そして新発田城の六城を、巡ったことになった。
夕方早めに新潟港フェリーターミナルに到着し、22時発の苫小牧東港行きの「ゆうかり」(18000t)に乗船した。
8日目(移動日)フェリー「ゆうかり」は、午前5時ころ秋田港に寄港し、旅客とトラックの下・上船の作業をして再出港し、
昼前、津軽海峡を通峡し太平洋に出た。波浪静かで穏やかな航海が続いた。
渡島半島恵山を左に望みながら、午後4時45分定刻通り苫小牧東港に入港した。
帰途は18時間の航海、下船後日高道・道央道経由で、午後6時無事帰宅できた。
実に走行距離は1057㎞、交通ルールを順守して交通事故にも遭遇せずに、体調も崩さずに安全に旅行することが出来た。
8日間の旅程中、雨天は一日のみ天候にも恵まれた。これも神仏のご加護と、運転交代はできないがカーナビとともに、
助手席で安全確認のサポートをしてくれた妻のお陰かも知れない。
後期高齢者として更に安全運転の励行と、蕎麦文化の理解を深めた旅であった。
初・二段位認定会江別会場
5月21日江別市でそば道初・二段位認定会が開かれました。
当会からは福島ゆかりさんが二段位に挑戦し合格しました。なお最優秀賞を受賞です。
福島 ゆかり
昨年の4月いしかりでの2段受験。エントリーはしたものの左肩を痛めて辞退。今年こそは…と意気込むも認定会が4/29。
毎年この日は職場のさとらんどの夏季営業開始イベントの日。
残念ながら、ホーム受験は叶わず、5/21江別にて受験し、皆様の励まし、助言、ご指導のおかげで無事合格致しました。
3組目で昼からの受験、1、2組を見てイメトレしていると、物の置く位置ややり方が個々違い“何が正解?”と焦りました・・迷いました・・・平常心を装いつつも、焦りました。
案の定、本番では、特訓では出来ている事が出来ない・・独特の雰囲気に吞まれました。捏ねでは3回目の水を入れるつもりが、まとまってしまい、水回し、
こんなにすんなりまとまってよい?もう不安でしかありません。
のしに入っても、周りはまだ捏ねてる。早すぎだわ~と思いながらも切りも半ばになると、皆さんと同じペースに。
切りに時間かける割にはうまくいかない・・・今後の課題です!
特訓から受験まで反省や気づきの多いそば打ちでした。
これからが、本当のそば打ちなのでしょうね・・・今後ともご指導のほどよろしくお願い致します。
市原磨さんシニア生粉打ち名人大西由美子さん最優秀賞に輝く
6月3日上砂川町で開催された「第9回北海道そば道シニア生粉打ち名人大会」で市原磨さんが見事名人位を獲得しました。
また、5月20日に江別市で開かれた「そば道北海道大会道央地区予選会」で大西由美子さんが最優秀賞に選ばれ、11月に石狩市で開かれる決勝大会の出場権を得ました。
第9回北海道そば道シニア生粉打ち名人大会を終えて
市原 磨
今年は、名人戦も4月より順調に開催され、コロナ前に戻って来た様に思います。
3年前にシニアの年齢に成りましたが、以後大会は、コロナで中止に成りました。
今回は、何とかしたいと思い参加しました。
6月3日上砂川の会場に行くと、いしかりの関係者は一人も居ませんでした。
少し時間が経ってから会員の林さんが見学に来ているのを、見つける事が出来ました。凄く気持ちが、落ち着きました。
8年位前から名人戦の挑戦が始まりました。私を、この世界に誘って下さった先輩には、感謝の気持ちで一杯です。
又、新得、長万部、北斗等々の大会で多くの友人が出来た事は、私の財産だと思います。
今回の結果に満足する事なく、日々精進して行きたいと思います。
今日までご指導頂いた皆様、ありがとうございました。今後も、よろしくお願いします。
大西 由美子
そば道北海道大会道央地区予選に参加し、予選通過したうえ、最優秀賞を頂きホッとしています。
教務部員として、初・二段位を受験する方々に、あーだ、こーだと指導員として言ってましたが、
久しぶりの40分の壁は、キツかったです(本当に)。皆様の頑張りに敬意を表します。
私もめちゃくちゃ練習しました。5月に入ってからは毎日2回打ち、今年に入ってからを含めると100kgは打ちました。
例会時に、会長始め、諸先輩の方々からの的確なアドバイスはとても勉強になりました。
苦手としていた箇所の修正の仕方等を教えて頂き、それが結果に繋がったと思います。
ひたすら打って練習して、理解していく反復練習の日々でしたが技術、所作など少しは成長したのかとなと思います。
例会は、わからない所を練習、勉強するのに素晴らしい場所です。
上段位者のそば打ちを間近で見ることかでき、すぐ聞くことができます。
みんなで楽しく、そば打ちしましょう!!