一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

朧月窯出し壺が音を生む

2011年03月28日 | 

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朧月窯出し壺が音を生む

 

焼き物に掛けたうわぐすり(釉薬、釉ともいう)、又は自然に掛かったうわぐすり(自然釉、自然降灰釉ともいう)は、土(粘土、素地、胎土ともいう)との収縮率の差によって、ひび(罅、貫入ともいう)が入る。

 

 作品の温度が下がるにつれて、貫入が入るのだが、その時にチンチンという音を発する。釉薬が厚いと大きな貫入が、薄いと細かい貫入が入る。

 

 MOA美術館に、宋代の青磁壺がある。ガラスケース越しによく見ると、黒く汚れた貫入と、汚れていない貫入がある。汚れていない貫入は、美術館に所蔵されてから生まれたものに違いない。

 つまり貫入は、一度に入るのではなく、時間を掛けて少しづつ入るからだ。時間経過と共に次第に少なくはなるが、千年近く経っても未だに壺の貫入は、入り続けている。

 

 


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