一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1581   友逝くや色なき風の中に立ち   章子

2015年09月27日 | 

「木・火・土・金・水」を主とした陰陽五行説によると、秋を色に例えると白で「白秋」、風は「白風」である。又、秋を金属に例えると金で、風は「金風」である。

 では、秋風を白でも金でもなく「色なき風」は、どうして生まれたのか。「古今和歌六帖」に記載された紀友則の「吹き来れば身にもしみける秋風を色なきものと思ひけるかな」と使ったのが初出らしい。元々風は、つまり空気は無色透明なのだから、友則さんの言っているのが最も正しい。

 さて、そんな色なき秋風の中に、去り逝く友の魂が作者に別れを告げんと、夢でも幻影でもなく、真実すっくと立っていたという。

白萩


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