秩父路の水子地蔵や鯉のぼり 稱子
騎馬戦の孫は前足風光る
お通じの心配無用鯉のぼり 炎火
ミディアムで三百グラム立夏哉
山雀の留まりし薬缶転がれり 豊春
冷し酒たらこ烏賊刺山葵漬
起重機の吊上げし富士五月晴れ 歩智
あじさいの五彩極めり朝の庭
何時よりか冷酒酌み合う友のゐて 章子
ときめきがちょっと欲しいな五月晴
夏まつり皮むき蜜柑の香具師の技 鼓夢
新緑や旧友と紡ぐ半世紀
冷酒や兄に少しのお説教 薪
石清水ペットボトルの口小さき
冷酒やグラスの向こうに影ふたつ 一煌
初恋は遥か彼方のアイスティー
夏実生熟せど獲れぬ高齢者 余白
警官が作りし巣床ヒナ巣立つ
初夏の少年走らす撮影隊 雲水
年頃となりし娘や桐の花