人が亡くなると、喪主は通夜葬儀の段取り、例えばお棺、骨壺、祭壇、写真、葉書、お返しなどを、住職や葬儀屋と相談して決めて行く。慣れないことが次から次へとやって来て、悲しむ暇もない。つまり、「葬儀とは、故人を悼み悲しむ暇を与えない、喪主のための儀式」だとつくづく思う。
人が亡くなったと聴いた時、直ちに駆けつける「とりあえず弔問」というのがあって、通夜や葬式の前に、普段着で自宅を弔問するそうである。準備のできていないてんてこ舞いの喪家に大勢押しかけるのは感心しないが、これも悲しむ暇を与えないために必要なことなのかもしれない。
イタドリ(虎杖)