(3月12日付「帰ってきました」という記事から始まる旅記録の続きです)
タイはメシがうまいです。そこらじゅうに屋台があって牛、ブタ、シーフード、チキン、野菜などなど、さまざまなに料理された食材が店先に並んでいて、店のオバちゃんに「これとこれとこれちょうだい」と伝えて白飯にぶっかけてもらえば一丁上がりです。ぶっかけメシだけでも無数のバリエーションがあるし、屋台ごとに味が違う。ほか麺類、スープ、煮物、炒め物なんでもあるし、第一活気があって楽しい。屋台のメシを食いに行くだけのタイ旅行というのも立派なひとつの旅といえると思います。
朝市などにいっても実に色んな素材がズラーっと並びに並んでいて、ずーっと見ていて飽きません。下の写真はカエルや鶏の生々しいやつですが、「うわ~キモイ」とかフヤケタことを言うなかれ。最近日本でも地産地消などと言って見直されることが多い「食材」というやつですが、日本のファーストフード化した、いつどこで生産されたのかよく分からない切り身とか冷凍食品とかをオチョボ口して食ってるほうがよほど不潔で気持ち悪い変態行為なのであって、それに比べてこっちの方は実に「メシを食う」って輪郭がはっきりしていて、非常によいです。料理好きの人とかがタイの朝市に行ってずらっと並んだ素材を見ると、もう胸がキューンとしてきていてもたってもいられなくなっちゃうんじゃないでしょうか。
日本って道路交通法や衛生上、屋台がほとんど存在しないけれど、ほんとはニートとか主婦でパートに行くのも時給安すぎてアホらしいと思ってるような人がバンバンやりゃあ面白いのになと思います。実力主義の世界で、美味しければ人はたくさんきて、儲かります。人気の屋台は人がたくさん押し寄せ、例えばおっさん一人で客のオーダー順に料理していったりするので、出てくるのが非常に遅いことも多いです。40分とか普通に待たされたりします。しかし、それでいいんです。本来メシはゆっくりと楽しみながらいただくものであって、ガーと早食いするってのはエレガントさに欠ける、非常に貧しい行為なのではないでしょうか。