プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

川平湾

2008-04-07 14:11:57 | 八重山カヤックトリップ

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 石垣島に着いて最初にカヤックを漕いだのは川平湾(かびらわん)でした。古くは帆船が風待ちをした避難港で、風波をさえぎる大きな入り江状の内湾になっています。世界初の黒真珠養殖に成功した場所としても知られ、また景観的にも素晴らしく、その美しさは全国8ヶ所しかない国指定名勝地に指定されています。ただ内湾のためサンゴ礁は大方駄目になっちゃってて、また観光ズレしていて野趣に欠けるという人も少なくないです。けれど、変な工場があったり、いかつい造船所のさびた鉄骨などが風景を威圧しているといった、よくある人工物がハバを利かせた内湾というわけではないので、一日ゆったり漕ぎエメラルドグリーンを堪能する分には悪くないと思います。観光ズレしているのもほん一部分だけで、ちょっとカヤックを漕ぎ出すと濃密な緑の山々に囲まれ、すごくいい雰囲気になります。

 しかしこの日、北風と雨が結構強烈で、ゆったりどころではなく、湾をグルーっと一周するのはかなりしんどかったです。ま、いいウォーミングアップにはなりました。天候が悪いと海の色も空の色と同じになっちゃいますが、逆に、雲がかかった山々の連なる風景には神秘性があり、よかったです。陸でただ見てる分には感じないけれど、カヤックに乗って海風に身をさらし、雨粒をダイレクトに感じることによってのみ見えてくるもの。そいつを通してオレの眼球レンズに映る、雨にけぶる八重山の山々は非常に趣深かったです。

Kabira

↑晴れたらこんな感じの鮮やかな美しさが広がる。

Rastermap

↑ 川平湾の地形。一見してのんびり漕ぐのに適したフィールドだと分かる。赤い目印が出艇場所。黒真珠博物館のところの広い駐車場でカヤックを組み立て、そのすぐ目の前から出艇できる。

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↑ 天気悪かったです。北風がびゅうびゅう吹いていて、追い風になるケースではものすごく楽でしたが、逆に向かい風になるケースでは漕いでも漕いでもカタツムリのようにしか進まず、ヒイヒイ言わされました。

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↑小島が海を完全にさえぎった形の内湾なので、ちょっとやそっとの風では波が立たない。もし風に逆らって漕げず流されちゃったとしてもやがてどこかの岸に流れ着くのであまり心配ない。なので、八重山地方にフォールディングを持ってカヤックトリップしようと思われる初心者の人はまずこの川平湾で肩慣らしするのもいいかもしれない。

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↑湾の奥のほうの西側の沿岸にはマングローブ地帯が展開されている。その背後の雨にけぶった山々もいい。

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↑マングローブと言うのは塩湿地帯に生える植物の総称のことで、「ヒルギ」という植物がその代表格です。ヒルギにもたくさんの種類がありますが、八重山地方で多く見られるのはオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの三種になります。で、この写真のように細い根が千手観音の手のように水底に刺さっているやつが「ヤエヤマヒルギ」です。

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↑ 川平湾の小島と陸地の間の水路を抜けると湾の外に出ます。

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↑ しかしこの水路がちょうど風の通り道になっていて、漕ぎ上っていくのが大変でした。手を止めてこのように写真を取るちょっとの間に100mほど後退させられてしまいました。

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↑ 湾を出てもしばらくはリーフ内の穏やかなゾーンが続きます。写真の左上のほうで白波が立っているところがちょうどリーフの境目で、それより沖は大荒れとなっています。

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↑湾の防波堤のような格好になった小島の湾側はこんな感じの浜になっています。天気がよければ昼寝するのにさぞよろしいことでしょう。

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↑今回の旅の片腕、アルフェック・アリュート430。

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↑ 島は亜熱帯植物の宝庫で、たくさん色々と生い茂っていた。写真は、雨に濡れてつやつや光るクワズイモ。潤いがたっぷり感じられていい。

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島の真ん中では牛が放牧されている。石垣牛だ。

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↑ゴミはどこにでも漂着している。

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