またまた前回の更新から大幅に間隔が空いてしまい申し訳なかったです。先頃、ニュージーランド&タスマニアから帰ってきました。脳みそにこびりついた先入観や誰かが決めつけてそれがいつの間にやら一般通念となったような無意識の領域であぐらをかいてやがる固定的イメージを取っ払い、自分の裸の触感でその土地特有の風や波や自然の息吹を捉えること。そしてそこから己自身のイマジネーションを押し広げてゆきいわゆるひとつの「感性の世界地図」を描いてゆくというライフワーク。それには自然の懐にもっとも深々と入ってゆけるカヤックでのトリップが最適だと考えると同時にそれこそがカヤックという遊びの探究すべき究極の面白さだと常日頃考えているわけですが、地球はとてつもなく広い一方、考えているだけでボーっとしてたらいつの間にやら時間は過ぎてゆく。人間だれしもいつかは年取って衰えて死んでいくわけで、とくに気力体力ともバリバリの今の間にカヤックトリップできる機会があれば無理してでもあちこち行くようにしています。で、今回は南半球のニュージー&タスマニアとなったわけです。
レンタカーを借りトランクに折りたたみカヤックをぶちこんでひた走りピンと来た場所で漕ぎまわりつつ、やはりアウトドアーするためにあるような国なので、トレッキングや釣りなども欠かすことはできない。しかもピンポイントではなくグルーっと全体的に回って概観も感覚としてつかみたいということでかなり意識的にというか私特有の貧乏性的に、あちこち行きまくりました。一日のうちで、何ヵ所かのフィールドをはしごして漕ぎつつトレッキングもする、とかそういうこともしたりしましたが、やはり先進国で、かつレンタカーの旅だから、楽でした。細かく思い起こすとバタバタ動いてるんだけど気持ちの上ではものすごくゆったりとしたトリップになりました。もっとも、レンタカー代を捻出するため宿にはほとんど泊まらずほぼテント暮らしでしたが、テントの方が薄皮一枚でその自然場所と対話している感覚があって、睡眠学習ならぬ「睡眠時無意識裡における自然との夢のジャムセッション」みたいなもので、そいつはどんな最高級ヴィラのスウィートルームよりもリッチなのでした。
そうして久しぶりにホームグラウンドの湯浅へと帰ってきたわけですが、こうやって海を眺めてますとなんと言いますかねえ、南半球も湯浅もこの青い球体の上で、「繋がっとるなあ~」という感じしますね。ウナギとウミガメと渡り鳥とクジラとカヤッキングを通して得た人間のプラネット感覚には国境はないってこと。
もちろん今回のカヤックトリップの模様もまたこのブログでおいおい更新していきます。また今回のトリップもアイランドストリームのツアーを行っていくにあたって得るものがたくさんあったのでどんどん繋げて生かせて行きたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
なお、3000枚くらい写真とったのですがそれもおいおいこのブログに載せていくことにするとしまして、ひとまずここでもパパパっと何枚か写真を下に並べておきます。よろしければクリックして拡大してごらんください。
ニュージー南島の真ん中あたりに位置する「テカポ湖」。氷河から流れてきたシリカを含んだ湖水が独特の青白さを誇っていて宝石的な美しさがある。
タスマニア東海岸、ベイ・オブ・ファイアーの海はとにかくブルーの透明感が鮮やか。
ニュージー南島・フィヨルドランドの「ファーガス湖」で釣った60cmのレインボートラウト。トラウト、とくに50cm以上のトラウトってのは、その場の自然のエレガンス、エナジー、美しさの化身のような独特の風格がある。
ニュージー南島・ミルフォードサウンドの断崖絶壁の谷間を漕いでいると何やら深海の底にいるような不思議な錯覚を覚える瞬間がある。
タスマニア北西部「スタンリー」にある「ザ・ナッツ」という岩山はタスマニアのエアーズロックとも呼ばれているがそれをカヤックの上から見たところ。エアーズロックというのは大げさだろうけど確かに古えのアボリジニーが聖地としてあがめただろう、どっしりした力感がある。さらにこの岩山の頂上に登って見る水平線は圧倒的。宇宙を思わせる圧倒的な質感の大海原が広がり、そこからドーンと突き出したこの岩山「ザ・ナッツ」そのものがひとつの宇宙船のようだと感じた。突き出たというか、まるで浮いているかのような感じがしたからね、立ってると。
ニュージー南島・フィヨルドランド「モノワイ湖」の立ち枯れた木々とそれを映し出す微動だにしない湖面。全くの無人、音のない世界で、かつ釣りをしても何も釣れず、生き物の気配すらしなかった。唯一見たのは1m以上ある巨大なウナギのみ。・・・なにやら神話的な空気が漂っていた。
タスマニア、セントクレアー湖上で迎えた朝日。湖面から立ち上る朝霧がドライアイスのように演出。
ニュージー南島「カイコウラ」沿岸にて。この入り江では周囲のすべてのものがブラウン、黄土色の色感を帯びていて(海面下でもブラウンの海藻がひしめいている)、それが青い空とすごくポップに、そして幻想的にマッチしていた。茶色という色に対してこれまで持っていたすべてのイメージを裏切る茶色・・・、色彩って不思議なものだなあと実感させられたフィールド。
ニュージー北島・トンガリロ山のトレッキング途中に出てくるエメラルド湖。現物は写真の何千倍も美しいけれどこの写真でも色の妙味は味わえる。自然の色使いってすごいなと思うね。