シーカヤックを本格的にやってると、
雲の流れや風の変化を捉えるといった、
自然に対する観察眼が問われてくるのですが、
ぼくの理想は
アメリカインディアンの神話なんかに描写されるような、
詩的な自然観察眼です。
先日買った本で
「おれは歌だ、おれはここを歩く」(金関寿夫訳)
というアメリカインディアン詩を元にした絵本があるのですが、
これなんかはまさに、自然のリズムとともに
生きてきた人々ならではの深い洞察に溢れていて、
読んでいて思わずハっとしてしまいます。
中でもすごいなと思った断片をひとつ、
「ああ わたしたちの大地の母よ、
ああ わたしたちの大空の父よ、
わたしたちに光の衣服を織ってください。
朝の白い光を縦糸にして、
夕方の赤い光を横糸にして
降る雨を縁ぶさにして、
空にかかる虹を縁どりにして
わたしたちに衣服を作ってください
それを着てわたしたちは、
鳥の歌う森、みどりの草原を、行くでしょう」
というのがあるわけなんですが、
服を作るのに、朝の白い光と夕方の赤い光を
それぞれ縦糸と横糸にして織ってゆく、
という着眼点・・・。
いったいどこからそんな天才的発想がわき上がってくるのだろう、と
驚かされます。
かなりの年季の入った観察眼で培われた、
年季が入っているからこそのフレッシュな感性であるってことが、
非常によく伝わってきます。
上記の詩、ちょっと繰り返し読んでみてください。
読めば読むほど凄いなと思いますよ。
こういう眼を養うために、少しでもこの領域に近づきたいと思い
ぼくはシーカヤックやアウトドアをやっているのかもしれません。