夏場に東北や北海道、サハリンやアリューシャン列島やロシア沿海州あたりで過ごしたウミネコたちが、今年も越冬のために紀伊半島沿岸付近にもやってきました。
一方夏場に日本列島付近で過ごしたサシバ、ハチクマ、ノスリ、ハヤブサなどイーグル系の鳥たちが、台湾、フイリピン、ボルネオ、インドネシアまで越冬に向かいます。で、ここらあたりの沿岸部がその中継地点となっています。
紀伊半島西部からまず四国にわたり、さらに琉球を経て東南アジアに向かうというわけです。
時折、海上で「アサギマダラ」というアゲハチョウに似たチョウチョも見かけますが、彼らも同じく、四国経由で南方へと向かいます。
飛ぶ生き物たちは、国境線など関係なくあちこち旅します。
列島付近の島々は、彼らの止まり木のようなものです。
島から島へとはしごするぼくらシーカヤッカーの視点と渡り鳥の視点、
水のプラネット感覚と空のプラネット感覚、
似ていると思う。
あるいは、ヤポネシア(※注)の感覚。
連中を見ていると、胸に来るものがあります。
※注:ヤポネシア(Japonesia)=ヤポネシアとは、日本を太平洋の島與群の中に置いてみる視線で、メラネシア、ミクロネシアと同様、作家島尾敏雄による「JAPONIA」(日本)と「NESIA」( 島々)を結びつけた造語である。