先日の串本キャンプツアーはなかなか面白いものとなりました。
秋雨前線と南海上の台風とのちょうど合間にあった2日間。
海をじっくり読みながら、慎重に、
文字通り海と対話しながらツアーを進めました。
もちろん冒険ではなく、お客様をお連れするツアー。
常に余裕をもった試合運び、
いやツアー運びができるかどうかが大事なのですが、
常に先手先手で状況を読みながら、
「余裕」のある状態をキープしなければならない。
なんせキャンプ地は完全に「野生」ゾーンになるわけだから、
エスケープルートや退くタイミングも考えながら動く必要もある。
うねりの形、大きさの時間ごとの移り変わりや、
空の雲の流れ、岩を洗う潮の音などに集中しながら、
しかもピリピリすることなく、余裕をもって楽しむという試合運び。
天気や空気という言葉があるように、
海気という言葉もある。
自然はたくさんの暗号を発している。
で、天気や空気の暗号を読むように、ぼくらは海気を読むわけだ。
現場にいるとわかる。現場にいないと絶対にわからない。そういうもの。
そのうえで「余裕」を確保できない試合運びになりそうだと判断すれば、
途中で引き返すか、初めからやめておく。
基本は「こわがり」でいく。
(その判断ができなくなったら、ぼくはガイドを辞めるだろう)
それがうまくいくと、ビタっと決まったライヴ演奏のように、
文字通り自然との深い対話ができたという満足感が生まれる。
滝、洞窟、さんごシュノーケリング、外洋のエネルギー、
縄文の森の祠散策、焚火料理、お酒をくみかわし談笑などなど、
このフィールドならではのキャンプツーリングを楽しみつつ、
野性のvoice、地球の鼓動に耳を傾ける2日間でした。
(ですがこの翌日に来た台風が茨城の鬼怒川の決壊を招くほどの
大雨をもたらし、素直には「よかったー」といい難いものがあります。
被災者の方には謹んでお見舞い申し上げます)
ちなみに上記のような状況判断を学んだ上でカヤックをやりたい方は、
ぜひ一度アイランドストリームのナヴィゲーション講習を受講してみてください。
すごく面白いし、レベルも断然アップしますよ。