Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

水滴の夜

2013-04-21 23:00:30 | 出たもの
悪天候の中、交通ダイヤも乱れる中、4月20日(土)の千葉詩亭・第二十一回には今回も地元千葉、東京、神奈川、埼玉、さらには栃木、山梨などからもたくさんのお客様がご来場くださった。声と言葉の時空間という、形のないもののために集まってくださった皆様に心からの感謝を。

今回のスペシャルゲストは、2012年の「詩のボクシング」全国王者、菊池奏子。


フライヤー等に掲載するために送ってもらったプロフィールの末尾に、「降りはじめの雨のようにあなたの皮膚と耳ををひそやかに潤す水滴になれますように」としたためた彼女。TREASURE RIVER BOOK CAFEの外には本当に雨が降りしきる中、息をひそめて見つめるオーディエンスの皮膚と耳に、そしてそれを通り越して心臓にまで、水滴を沁み込ませるかのように囁き声を届けてゆく。言ってみれば、「着物を着た若い女性が、小さな声でテキストを読んでいる」だけなのだが、会場のありったけの集中力を文字通り集中してしまう、全くだれることのない素晴らしい30分間。最後にはラフマニノフの旋律に乗せて自作の官能小説まで朗読。私は菊池奏子のパフォーマンスを10回以上は観ているが、この日のステージは間違いなくその中のベストだった。

オープンマイクにご参加くださったのは、

OOMさん
山原まほしさん
あおばさん
稗田恵一さん
芦田みのりさん
工藤ヒロツグさん
三木悠莉さん

という皆様であった。ある人は自作ラジオを持ち込み、ある人は即興を行い、ある人はコール&レスポンスを行う。それぞれの世界をマイクの前で展開していた。オープニングはイダヅカマコトが、ラストは私が「スピン」と「砂で山を作る」を朗読した。

オープンマイクが、閉じられたクローズドマイクであってはならないと強く思う。

ある日ある時、誰かが自分の意志でマイクの前に立つこと。その例えようもなく尊い瞬間に、千葉詩亭を通じて何度も何度も立ち会うことができたことは、主催者として大きな喜びである。偶数月の第三土曜日、千葉唯一の朗読オープンマイク、千葉詩亭。新たなゲスト、おいしい料理とともに、これからもずっと皆様をお待ちしています。次回は6月15日、その次は8月17日です。

またお会いできる日を楽しみにしております!

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