Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

声と言葉の動物園

2012-07-05 20:12:18 | 出たもの
以前、猫道氏が「Poe-Triは道場」と言っていたが、ここ最近のPoe-Triは、どうも動物園化が著しいように思われる。主宰という立場を抜きにして、「いろんな動物がいるんだなあ」という感じで楽しく見てしまうのだが、通常、動物園というのは、捕まえてきたり購入してきたりした動物を展示する場所であるはずだ。しかし現状、第一水曜日の夜に池袋3-tri-で観察することのできる動物は、そのほとんどが、私が主体的に揃えたのではなく、何やら勝手に集まってきた動物たちである。それは正直に言うと、めちゃくちゃ大変嬉しいことである。私も園長兼動物として、今後も声と言葉の動物園をより楽しく、より緊張感を持って運営していきたいと思っている。

さて、Poe-Triはついに5年目に突入した。Vol.1から変わることなくドキドキするのは、開場してお客さんを待っている時間である。三木悠莉氏に「大島さん、開場したら『店長の目』になった」と言われたが、私は臆病なので、いまだに毎回「誰も来なかったらどうしよう・・・」と考えてしまうのである。客席が埋まってゆき、オープンマイクのエントリー用紙が埋まってゆくのを見てやっとホッとする。昨夜は30人近くのお客様にご来場いただき、オープンマイクは早々にフルエントリーとなった。平日の遅い時間なのに、本当にありがとうございます。

さて、今回のオープニングは、今村知晃!


ものすごく乱暴に言うと、「坊主頭のおっかない顔をした男が、ステージをうろうろしながら大声で猥褻なことをわめいている」だけなのだが、それを目の当たりにした人間は、気がつくとこの男がうろうろすることに、大声でわめいていることに、その猥褻な言葉のひとつひとつに、どうしようもないくらい惹きつけられていく。沸騰の15分間。

一気に温度が上昇して煮立った会場にダシと具材を投入したのは死紺亭柳竹


死紺亭柳竹は必ずどこかで噛む。必ずどこかでろれつが回らない。それは「死紺亭柳竹」という、オーディエンスの前に聳え立つ存在を構成する、もはや重要な要素である。シニカルな知性に満ちた、奥行きの深いしなやかなポップネス。そこに秘められた一匙の狂気。これぞ王道死紺亭ワールド!

後半に登場したのは初出演・三木悠莉!


なんと初めて人前で朗読したのが今年一月のPoe-Triであるという。それからというもの、テキストの面でもパフォーマンスの面でも毎月恐ろしい成長を遂げており、今回はあたかもねずみ花火を会場の隅々まで次々とボンボン放り投げるような、爆発力抜群のリーディング。その迷いのない回転の良さはまさに出色。

最後は私が、「俺の好きな女」「愛の三角関係」「小さな世界」「母の日のカーネーション」「二人で一緒に電車に乗ろう」の5篇を朗読した。

<撮影・猫道(猫道一家)>

オープンマイクは前述の通り駆け足で13枠全てが埋まってしまった。ご参加頂けなかった方には是非、次回以降にまたいらっしゃって頂ければ幸いです。20時15分までにいらっしゃればご参加いただける可能性が高いと思います。

今回の参加者は、登場順に、

黒川武彦さん


村田活彦さん


カマコさん


ともちゃん9さいさん


矢ヶ崎芳也さん


工藤さん


MELODY KOGAさん


真生さん


菊池奏子さん


五十嵐五十音さん


uraocbさん


あしゅりんさん


ジュテーム北村さん


という皆様であった。

次回、Poe-Tri Vol.50は、8月1日水曜の開催です。20時開場20時30分開演、入場料1500円+1ドリンク、全て今までと変わりません。キャストは村田活彦/uraocb/芦田みのり/大島健夫の4名です。

またお会いできることを楽しみにしております。

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