ポエ活

村田活彦のブログ。ポエトリースラム全国大会プロジェクト発動中。東北まで歩いて行く『俺の細道』も進行中。

ポエトリー・スラム・ジャパン2016開幕です!

2016年01月31日 08時01分57秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読

2016年1月31日、ポエトリー・スラム・ジャパン(PSJ)2016名古屋大会当日の朝です。ということで名古屋・栄のマクドナルドにいます。夜行バスで来たのでちょっと眠い。



ポエトリー・スラム・ジャパンはポエトリーリーディング(詩の朗読)の日本選手権大会です。優勝者は、5月末にパリで行なわれるポエトリースラムW杯に日本代表として出場します。

昨年第一回大会を開催し、出場者、観客あわせて100名以上の方にご来場いただきました。今年は東京、大阪、名古屋の3都市で地区予選を開催。そこから勝ち上がった9名が3月6日、日本代表の座をかけて全国大会に結集する、というわけ。

採点をするのは客席から選ばれた審査員。各パフォーマンスの制限時間は3分。音楽、衣装、小道具は使わない。単純といえば単純、ムチャといえばムチャなルールですね。でも、だからこそ「なんでもあり」なところがポエトリースラムの魅力ではないかな、と思うんです。



ポエトリー・スラム・ジャパンはコンテストではありません。専門家やオーソリティーがジャッジをするわけじゃないし。優勝したところで詩集が出せるとか、CDデビューできるとかでもないし(フランスには行けるけど)。言ってみれば賞品は栄誉だけ、なんです。順位も勝敗もつくけど、だからといって優劣を決めたいわけじゃない。順位より勝敗より大事なことがあると思ってます。キレイごとに聞こえますかね。でも、まあ、本心なんですよ。

もちろん、出場者は優勝を目指してエントリーしてくれるでしょう。ただ、たとえばスポーツなら、負けたときでも大切な経験になったりする。自分自身に正面から向き合い、120%のエネルギーで挑んだとき、初めて掴めるものがある。ポエトリー・スラム・ジャパンも、まっすぐな意味でスポーツでありたい。


採点基準は特にありません。ちょっとやりにくい? でもそれがいいところだと思ってます。審査員に選ばれたひとは、どうか自分の感じ方考え方で、自由に点数をつけてください。審査員に選ばれなくても、いいと思ったパフォーマンスにはぜひ盛大な拍手を。優勝じゃなくても準優勝じゃなくても、「私にとってはこの人がチャンピオンだ」と思えるパフォーマンスに出会うかもしれません。そのときは、直接その出場者に思いを伝えてもらえると嬉しいです。いや、スタッフにこそっと耳打ちでもいいですけど。はい。



そして何より大事なこと。ポエトリー・スラム・ジャパンでは、出場者も審査員も客席も、みんなが大事な参加者です。この大会をつくるのは会場に来たあなた、なんです。それぞれ「来て良かった」と思えるような、なにかを感じ取って帰れるような、そんな時間と空間を一緒につくりましょう。スタッフはそのための環境作りに精一杯、力を注ぎます。



ポエトリースラムジャパンは大会を通じて、世の中の言葉や表現がより自由で活発に、互いを尊重しあって発せられることを目指します。


お、もうこんな時間ですね。ぼちぼち参りますか。みなさん、楽しんでいきましょう!

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櫻井あすみ展「ここからの世界」谷中・さんさき坂カフェ

2015年10月24日 23時55分45秒 | 美術
よく晴れた土曜日、午前中に谷中まで行ってきました。地下鉄・千駄木駅で降りて、町歩きのご年配たちとすれ違い、ゆるやかな坂の途中にあるさんさき坂カフェまで。櫻井あすみ展「ここからの世界」。岩絵具で描かれた作品が10点、明るい店内に飾られています。

実は先日、友人からもらったフライヤーの絵にハッとさせられるものがあって、思い立ったように出かけたのでした。

日本画ってほとんど馴染みがないのだけど、「平面的な感じ」という先入観がありました。ところが、まず惹きつけられたのは尾道の町並みを描いた一点透視の作品。かと思えばキュビズム?と思うような作品もあったり。あるいは画面の中にいくつかのイメージが共存しているものもあって、同じフィフムに違う景色を焼き付けたみたいだと思ったり。

そしてなにより、岩絵具のキラキラとした質感。見ているだけなのに「手触り」を感じる。一枚ごとにいろんなイメージが広がって、その刺激が心地よかったです。

突然行ったのだけどご本人にもちゃんとご挨拶できたし。コーヒーも美味しかったし。天気の良い日は早く出かけるに限る。

芸工展2015の一環として、明日10月25日まで。


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本日のスポークンワード:ボカロ meets ポエトリーリーディング『夜の散歩』 byキャプテンミライ

2015年09月28日 23時26分34秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読
今宵はスーパームーン。ということでこんな作品をどうぞ。


   “見上げると大きな月が 
   大きな顔で笑っていた
   あんまり大きいので
   手が届きそうで
   あ、届いた”



ボーカロイドによるポエトリーリーディングって珍しいかもしれません。ちょっと不安定な可愛さとダブの心地よさとが相まって、ずっと聴いていたくなります。













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本日のスポークンワード。ラッパーたちの朗読 in『デフ・ポエトリー・ジャム』

2015年09月27日 09時02分24秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読
Def Jamの創立者、ラッセル・シモンズがスタートさせたポエトリー・リーディングの番組。2002年から2007年まで、 アメリカ・HBO(ケーブルTV)で放送されました。詩人、ラッパー、俳優など、さまざまな人々が登場し詩を朗読します。

いまざっとyoutubeで検索できるだけでもエリカ・バドゥ、ローリン・ヒル、アリシア・キーズ、カニエ・ウェスト、コモン、タリブ・クウェリ、KRS-ONE、ジョージ・クリントン、ザ・ラスト・ポエッツ、ジル・スコット、ソウル・ウィリアムズ、ジェシカ・ケア・ムーア、デイヴ・シャペル…そして司会はモス・デフ! 豪華だなあ。

そのなかからひとまずヒップホップ勢。先日のSoul Campで来日していた3アーティストのリーディングをどうぞ。


ローリン・ヒル




コモン




タリブ・クウェリ








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風を追ってはいけない。ワタリウム美術館「Don't Follow the Wind」ノン・ビジターセンター展

2015年09月26日 08時38分54秒 | 美術
ワタリウム美術館の「Don't follow the wind」ノン・ビジターセンター展行ってきました。

東京電力福島島第一原発周辺の帰宅困難区域で開催中の「みに行けない」美術展、「Don't Follow The Wind(DFW)」のサテライト展示です。




え、と思われるかもしれません。今年の3月11日にはじまった国内外12組のアーティストによる国際展。それは帰宅困難区域にあるため、将来この区域の封鎖が解除されるまでみに行くことができません。どこにどんな作品が設置されているのか、関係者の一部しか知らない。しかし、確かにそこには作品がある。

ワタリウム美術館に展示されているのは、帰還困難区域内に設置された作品の関連資料、メイキング映像など。それらがガラスの向こうに並んでいます。アーティストたちの対談を素材にした、園子温による映像インスタレーションもあります。それらの資料をみながら、帰宅困難区域でひっそり開催されているはずの「本展」に想いを馳せる。これほど想像力がためされる展示もないでしょう。

この国のなかに「いま行くことができない場所」「帰ることのできない場所」があるということ。そこにこそみるべき景色があるということ。それを補うために想像力を最大限に発揮しなくてはいけないこと。入り口のアナウンスが語っていた「みることができないという現実は強い力を持っています」という言葉が印象的でした。


浪江町出身で歌人の三原由起子さんがこの日の展示ガイドをされていて、いろいろ教えていただきました。この企画を知ったのも三原さんからです。ありがとうございます。


ワタリウムのノン・ビジターセンター展は10月18日(日)まで。ただし、帰宅困難区域のDFW展はつづいています。いまこの時も。

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本日のスポークンワード。写真家にして詩人、辺口芳典

2015年09月25日 08時51分19秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読

2015年9月の夕暮れ。大阪環状線の西九条駅で降りて、安治川のほとりを、コウモリが飛ぶのをながめながらしばらく歩いていくと、昭和な匂いの残る一角に着きました。




黒目画廊。画廊といっても古いアパートがまるまる住居兼ギャラリーになっている、その2階の一室で、はじめて辺口さんの朗読を聴きました。私を含めてお客さんが4人。まるで友人の部屋に集まったみたいな雰囲気です。辺口さんは弦の張っていないギターを抱え、ピックアップセレクターのスイッチをカチカチならしながら朗読していました。

ワイルド&コンテンポラリー!!

デュッセルドルフで日本語パフォーマンスしたり、シアトルの出版社から詩集が出ていたり、そもそも写真家でもあったり。多才な方です。








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本日のスポークンワード。渋さ知らズ「本多工務店のテーマ」

2015年09月24日 08時41分56秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読
「龍のかたちの天使が降りてくる…!」

これほど魂に響くポエトリーリーディングを知らない。ぜひ一度、生で聴いてみてください。

作詞:翠羅臼/ポエトリーリーディング:南波トモコ













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ストリートから地球を回せ。“渋谷サイファー”インタビュー

2015年09月24日 02時34分45秒 | 音楽

週末の東京・渋谷、夜。ハチ公前交差点からTSUTAYA前に渡ると、地下鉄入り口わきのスペースに人だかりができている。その輪の中心にいるのはドラムやギターの生演奏、そしてそのビートに乗せてフリースタイル(即興)を披露するラッパーたち。彼らこそが「渋谷サイファー」。ネット動画で知り、あまりに面白そうだったので実際に聴きに行ったら、さらにびっくりでした。本来「サイファー」というのはラッパーたちが輪になって互いにフリースタイルをし合うことだけど、「渋谷サイファー」はその枠を軽々と超え、路上発の音楽集団として注目を集めてるんだから。どうにもウズウズしてきたので、中心メンバーのACE(エース)とCHARLES(シャルル)、ふたりのラッパーに話を聞いてきました!




渋谷サイファーは異種格闘技戦みたい

ー渋谷でサイファーを始めたのはいつからですか?
ACE:もともとハチ公前サイファーっていうのはあったんです。そもそもサイファーってのは別に誰ものでもないんだけど。ただそのころハチ公前は休みがちで、イベント帰りの奴らが集まってやるぐらいだった。それでサイファーやりたかったんだよね、俺が。最初、高円寺でゲリラサイファーをやったんです。スピーカーとか何もなしで。それから渋谷でもやるようになって。去年の8月ぐらいかな。その頃に路上ライブ用のスピーカーを手に入れたんですよね。それで、ハチ公前にもスピーカーとマイク持って行ったんですよ。仕切るの面倒くさいからマイク使った方がいいな、音もスピーカーから出した方がいいな、って感じで。そしたら意外と人が集まってくれた。しかも高校生だったり中学生だったり、若い子が多くて。

−その動画をネットで観ましたけど、確かに若い子多かったですね。
ACE: 15歳から19歳くらいかな。そのときは「高校生ラップ選手権」の前夜祭だったから、そこに出場する人とかが遊びに来てた。地方から来た子もいたし。それで、主催したからには保護者的な立場もあって。補導されたりしないよう気にしなきゃなんないんで8時頃に一回仕切り直したんですよ。「じゃ若い子は帰って。こっからは自己責任なんで」って。そのあと大人の部をやりますか、と。でもここで俺らが同じ場所に溜まってたら帰る子も帰らないから、移動しようってことでTSUTAYAの前に行ったら、ドラムのレルレさん(レルレ・カワグチ氏)が路上で叩いてて。

−つまり偶然なの?
ACE:偶然です。で、そのビートに合わせてフリースタイル(即興)やったら面白そうだなって思って。スピーカーとマイクセッティングして、ラップで入った。それがきっかけですね。去年の10月とか11月かなあ。

−その日の出会いがものすごく重要だったんだね。
ACE:そうっすね。面白かった。なんだ、あの風貌のドラムはって。しかもスーツケースがバスドラだし(レルレ氏はストリート演奏用にスーツケースをバスドラム代わりにしている)。その日、俺とレルレさんはそんなに喋んなかったんだけど、ツイッターで「またよろしくお願いします」「またやろうよ」みたいなやりとりをして。そこから連絡取り合って、ラッパーとかいろんな人が集まってきて今の形になったんです。やっていくうちになんか、これはやばいねって。ヒップホップの現場ではあんまり感じられないものを感じられた。それで「絶対来たほうがいいよ、超楽しいから」って仲間誘って。来てみたらみんなも「やばい」ってなった。やっぱオープンマイクで自由だし。大物から若手までいろいろ参加してくるのがクラブの中ではありえないことだった。ドラマーがメタル、ギタリストはジャズで、俺らヒップホップだから、すでに異種格闘技戦みたい。

−CHARLESも渋谷にはよく来てたんですか?
CHARLES:ハチ公前サイファーに行ってました。TSUTAYA前で始めた日はたまたま参加してなかったんですけど。ヒップホップのイベントは渋谷でやってるのがすごい多くって、私はほぼ渋谷にしか行ったことないくらいの勢い。なんかラップしに行くっていったら渋谷みたいな。

−ラップまだはじめて1年ですよね?
CHARLES:一年ちょっとですね。初めてラップというものをしたのは去年の1月。それまでラップのラの字も知らなかったんだけど、とりあえずサイファーに行けばラップできるらしいって聞いて、原宿サイファーっていうのに行ったんです。ネットで調べたら行きやすいのが新宿か原宿で。新宿サイファーって名前がなんかちょっと怖いなって思って(笑)。原宿サイファーのほうは「初心者大歓迎」「スケーターやダンサーもカモン」みたいに書いてあったんです。その場所で会ったスケーターの女の子に「サイファーやってるんですか」って声かけたんですけど、「え? ちがう」って言われて。でもその関係ないスケーターの子にお願いして、一緒にサイファーの輪に入ってもらいました(笑)。だけどその時は緊張のあまり、もう全然言葉が出てこなくて。え、言葉が出ないってことあるんだ!みたいな。面接のときより緊張しました。

−それが今や、渋谷サイファーのメインメンバーですね。
CHARLES:もう少し前の段階で今の渋谷サイファーに会ってたら、たぶん輪に入れない。たぶん一回くらいはチャレンジするんでしょうけど、心折れたりするんじゃないかな。その当時の自分だったら、「わあすごい」って普通にファンになってたと思います。

−この1年、すごい進歩ですよね。
CHARLES:去年の5月には初めてMCバトルに参加しました。環境も含めて、なんかいろいろすごい進歩です。


路上ライブは町の温かみを感じられる

−基本的なことなんですけど、サイファーっていうのは普通、ラッパーたちが集まってフリースタイルをすることですよね。ところが渋谷サイファーではドラマーやギタリストもいてお客さんもいる、路上ライブの側面もある。そもそも「渋谷サイファー」っていうのはユニット名? イベント名?
ACE:そこはですね、『名探偵コナン』で黒ずくめのボスがわからないのと同じくらいにミステリーなんですよ。
CHARLES:そこまで? けっこう難易度高い(笑)
ACE:どっちでもあるんですね。「それも自由でお願いします」って感じです。「サイファーってこんなもんなんだ」て間違って覚えられるパターンもあるかもしんないですけど。他のサイファーを見て「あれ違くない?」って思うのもまた一興。渋谷でやってるサイファーはこうなんだよ、って感じですね。
CHARLES:確かにそうですね。ヒップホップとかサイファーとか知らない人が見てくれていて。ツイッターの書き込みを見ても、渋谷サイファーでサイファーってものを知ったんだろうなっていうのも多くなりましたね。嬉しいというか、なんというか…。
ACE:でもね、そうしてくべきだと思うよ。普通のサイファーはラッパー同士のもの。スキルの高め合いやトレーニング、あるいは会話や近況報告に近いけど、メイクマネーにはつながんないんですよ。でも僕らのサイファーは投げ銭もらったりCD売ったりして、その売り上げをイベントや遠征の資金にしてるから。スピーカーも路上で稼いだお金で機能のいいやつを買って、最初のものからかなりグレードアップして。なおかつ表現っていうものの根本として「外に打ち出す」っていうのがあって。人に伝えなきゃ意味がない。要は楽しくラップもできて、好きな音楽をするためのお金も稼げて、しかもその場で反応してもらえて、自分たちの活動を広げられる。ラップっていうものが認識される。あ、これ最強じゃんっていうのがいちばんある。閉鎖的な空間だけではなく、外に自分たちから行くっていうね。

−先ほど「ヒップホップの現場では味わえないこと」という話が出ましたけど、たとえばどういうことですか?
ACE:クラブの中って、要はそれが好きな人しか来ないじゃないですか。ヒップホップが好きな人、MCバトルが好きな人。あるいは自分のイベント告知のために来てる人。それが路上だといろんな人がいる。たまたま待ち合わせをしている人だったり、ラップ超嫌いっていう人だったり、音楽はBUMP OF CHIKINしか聴きません、みたいな人だったり。そこでいきなり始めるからみんなびっくりするんですよね。賛否両論あると思うんですけど、その中に「初めてラップっていうものを聞いたけど、めちゃめちゃかっこいいです」「CD欲しいです」「どこでやってるんですか」ってまたイベントに遊びに来てくれる人がいる。老若男女問わず。気を使わない素直なリアクションがその場で見れるんで、すごい嬉しいっすね。
CHARLES:クラブだったらMCが「オー」って言ったら「オー」って言わなきゃなんないのかなって気を使う人もいるかもしれない。けど、路上だったら興味ない人は素通りしていくし、気になった人は見てくれる。60代後半くらいの女性の方がCD買ってくださって「あたしねえ、ラップすごい好きなのよ」って言ってくれたこともありました。ヒップホップのイベントって、ツイッターとかフライヤーとか、あるいは毎回クラブに行かないと情報を得られないと思う。でも路上でやっていれば、あんまりイベントに来ない人、昔はクラブに通ってたけど最近行ってない人にも聞いてもらえますよね。スーツ着た方が「ちょっと、俺もまたやりたくなっちゃった」みたいに言ってくださって、すごく嬉しかったり。
ACE:こないだ感動したのが、中野での話なんだけど、サラリーマンのひとがケンタッキーのセットを置いて「食べなよ!」って。ジュースもポーン「飲みなよ!」みたいな。ラップしながら「ありがとうございます」ってお礼言って。これはすごいぞと思ってたら雨が降ってきて。そしたらひとりの方がすぐ傘をスピーカーにかけてくれて、もうひとりがササッとふいてくれて。なんだなんだ、この街はどういうことだ? 東京ってあったかいやんけ!って。アーティスト的には「安売りしてんじゃないの」と言われるかもしれないけど、人間的な部分では路上ですごい温かみを感じれたというね。
CHARLES:イソフラボンの化粧水いただいたこともありましたね。めちゃ困ってたんで助かりました(笑)。あと、似顔絵を描いてくれた方もいました。サイファーしてる様子を描写して、ツイッターであげてくださって。いまインスタグラムやってるので、その絵をトップ画にしてるんですけど。
ACE:言い方難しいんですけど、ふれあいができる、やってる意味あるなっていうのを実感できますよね。まあでも、立ち止まって聞いてくれている時点でだいぶ嬉しいんだけどね。それこそ今日みたいなインタビューをしてもらうのも、少なくとも自分たちのアクションで何かしらの影響が及ぼされているっていうことだし。知ってる限り、今のところはそれがすごくいい方向に動いているので。

−この間もダンスで飛び入りしてきた女性いましたね。
ACE:ミュージシャンの飛び入り参加っていうのも目玉の一つなんですよ。
CHARLES:トロンボーンだったり、バイオリンだったり。トロンボーンの方たちは所属団体のコンサートがあって、そのあとの飲み会でベロンベロンだったんですけど、面白そうだからって酔っ払いながらトロンボーン吹いてました。




ハプニングも含めてリアル・フリースタイル

−いま渋谷サイファーはどんなペースでやってます?
ACE:一応固定で毎週金曜、でも土曜日もイベントがない時、もしくはイベント終わりで間に合えばやってますね。たまにクラブのイベント終わりで早朝にやったり。あれも面白かったね。聴いてるのはクラブ帰りの人たちばっかで、「いつも夜見られねえから見られてよかったわ」みたいな。
CHARLES:体力的にはヘロヘロになりながら。早朝、私だったら絶対帰りたいのになっていう時間なのに足止めてくれて。中には高いヒールの人もいて、疲れてるだろうに立ち止まって見てくれるからすごいことです
ACE:面白いよね、いろいろ出会いがあって。クラブのイベントだとやる側の気持ちだけ先走っちゃって人が集まらない、ギャラが支払われないっていうことも多くて。だけど路上だと実感、達成度が半端ない。この先どうなるんだろう、夢しかねえじゃんって。つらいこともいっぱいあるんだろうけども、これから楽しみ!みたいな、早く武道館サイファーやりたいね!みたいな。武道館を吹き抜けにしてもらってね。
CHARLES:さっき「オープンな」って言われましたけど、まず即興ってことがそもそも自由感あると思うんです。それでなおかつ屋外だから。決められた箱の中で即興やるのもいいですけど、街なかで、演奏もラッパーも即興で、飛び入りもあるからさらに自由ですよね。我々も何が起きるかわからない。突然おまわりさん来ちゃったりもするし。

−おまわりさんはもちろん、困ることもたくさんあるでしょう?
ACE:困るのは雨とか。機材があんまり雨に耐えられないので、ある程度降ってしまうとできないというのがいちばんネックかな。おまわりさんに関してはもう、最近は向こうもノリノリなんですよ。たぶん、おまわりさんの中ではいま渋谷サイファーブームがきてるんじゃないかと。
CHARLES:おまわりさん同士じゃんけんして、「俺止めに行く」「いや俺行く」「俺行く」みたいなことやってると思う。
ACE:「ちょっと聴けるぜ」みたいな。おまわりさんも、職業としてこなしてるだけなんで、人間は人間だから。だんだん最近サイファー好きな人が増えてんのかなって俺は思いますね。すごい優しいっすよ。優しいって言ったら失礼かもしれないですけど、彼らは真摯に彼らの仕事をこなしていて、僕らは真摯にそれに歯向かっていくという。渋谷の街自体が活性化されつつある感じするしね。路上ライブやってる人が増えてきたので。

−おまわりさん登場みたいなハプニングにも柔軟に対応していて、それも魅力ですよね。
ACE:そうですね。それも含めて渋谷サイファー感があるというか、リアルフリースタイル。
CHARLES:おまわりさんをスタメンに入れたらどう?
ACE:こんど言ってみる?「ラップしたら」って(笑)


渋谷中心に地球サイファーを広げたい

ACE:ただ、聞きたくない人もいるじゃないですか。一回だけありましたね、文句言われたことが。その時は雨が降っていたんで、井の頭線の高架下でやってまして。ちょっと強面の体格のいいお兄さん、30代後半くらいの人が、たぶん駅に向かっていたんでしょうね。掌幻(ラッパー)とふたりでラップしていたんだけど、向こうから声が聞こえたんです。なんだろう、けっこう大きな声だな、「かっこいいよ」って言ってくれてるのかなって思ったら「うるせえよ」「んなとこでやるんじゃねえよ」って。ま、当然至極まっとうな意見ですよね。ああそうか、そうだよな、今まで言われなかったのが逆におかしいんだよな。みんながみんなあの人みたいに大声で言えるわけではないんだって思って。それに対して僕はラップでアンサーを返したんです。そしたら彼は、信号が青に変わったのにそこで言い続けて。マイクを持ってる人と持ってない人のMCバトルみたいになったんですよ。俺が8小節やる間も彼は怒鳴ってるんですけどね。「ふざけんなよ、お前うるせえよ」「おい、やめろって言ってんだろうが」っていうのに対して、俺は「うるさくてもやめらんない、これがヒップホップのサガだ」「申し訳ないけど始めたからには突っ走るしかねえんだよ」みたいなこと言ったら、そのぶんお客さんもオォーって盛り上がっちゃって。結局その人が諦めて信号渡って行ったところがその日の盛り上がりのピーク。なんだこれ、この構図複雑だな、と。
CHARLES:絶対やめる気なかったね
ACE:なかった。で、道徳的に考えるとね、エゴとエゴのぶつかり合いみたいな部分もあるじゃないですか。そもそも路上で音出して人を止めるのが道交法違反っていうのなら、普通に立ち止まってるだけでも道交法違反かよってなってしまうわけじゃないですか。路上ライブっていうと警察の厄介になるんじゃないのっていうイメージがあるけど、なんかこうもっとピースになればいいなあと思いますね。

−TSUTAYA前は、そもそもこれ以上スペースがないですよね
CHARLES:そうですね。確かに、騒音というより人がたまりすぎて注意されるんですよね。おまわりさんもちょっと笑いながら「もう、君たち人気あるんだから、ハコとか借りてやりなよ!」みたいに言われて。
ACE:渋谷区が早く土地を明け渡して来れば、すべて解決するんですけどね。区長のほうに直談判を(笑)
CHARLES:いや都知事にしましょ。
ACE:ま、ていうかどっかに路上ライブ専用スペースを作ればいいんですよ。常に無料ライブやっているような場所が一ヶ所あってもいいんじゃないかなって思うけど。
CHARLES:それが変な場所に追いやられちゃったらやですけどね。
ACE:それはとりあえずTSUTAYA前ってことで。スクランブル交差点の信号変わるたびに一組ずつ交代するみたいな。いやそれじゃライブ時間が短すぎるか。なんかね、ハチ公前とかそういう広場にしちゃえばいいのにとか思っちゃうんです、自分は。ま、いろんな事情があるんでしょうけど。

−じゃあこの先、渋谷サイファーをどうしていきたいですか?
ACE:とりあえずフェスやりたいんですよ。でっかく言えば地球サイファー的な。まず渋谷から始まって、渋谷中心に地球サイファーが広がればいいかなっていう。まずは渋谷のVUENOSで9月27日にやるんですけど。

−バンドとしての渋谷サイファーはどう展開していきます?
ACE:それはまた『名探偵コナン』の黒づくめ級の謎で…って再び青山剛昌先生をパクらせていただくんですけど(笑)。ま、楽しみにしておいてくださいって感じですね。バンドとしての渋谷サイファーのCDが販売中なので、ぜひ買ってください! それと、中津川のTHE SOLAR BUDOKAN2015っていうフェスに出演決定してます。9月26日です。それこそ渋谷の路上でライブやってたら声かけていただいて、出演が決まったという。

−それはすごい!
ACE:この先、100年後も語り継がれるレジェンド・サイファーになりたいね。それぞれのメンバーがレジェンドであることはもちろんだけども。
CHARLES:はい。がんばります!

(取材・撮影:村田活彦)


<MOVIE>







<ライブ予定>

◆渋谷ストリートMUSIC FES
2015年9月27日(日)  Open 15:00/Start 16:00/Close 22:30
@渋谷VUENOS →チケット購入ページ
◆中津川THE SOLAR BUDOKAN2015
2015年9月26日(土)〜27日(日) 
※渋谷サイファーは26日“Welcome Stage SP Live”に登場。
@岐阜県中津川公園内特設ステージ
公式サイト 

<リリース情報>
◆ACE ファーストアルバム『STRAIGHT』絶賛発売中!!
ブラジル生まれ新宿育ちのラッパーACE。客演にアジカンgotch、TOC、SHUN、R-指定、輪入道 を迎えた渾身の15曲入り。
購入はこちら 


◆掌幻 ファーストEP『FORK』絶賛発売中!!
東京は下町"墨田区"で生まれ育った1989年産のゆとり世代MC、掌幻。featuringにMEKA×MUMA、Casper、OTHELLO&ぴえろ(from RoZEO Crew)!
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会田誠さん作品「改変・撤去」騒動で渦中の東京都現代美術館に行ってきました。

2015年07月28日 22時50分28秒 | 美術
東京都現代美術館「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」展に行ってきました。


この企画に参加している会田誠氏(正確には「会田家」というユニット)の作品にクレーム(たった1件らしいですけど!)がついて、美術館から改変要請があった、あるいは撤去されるかも…ということでにわかに注目されています。

「改変要請」については7月25日(土)、こちらのヤフーニュースになっています。
そして、この件について会田誠さん本人が意見を表明しているのがこちら。

私が出かけて行ったのは7月25日(土)の午前中。「万が一撤去されて観られなくなっちゃったら悔しい!」「話題になってるなら見ておきたい」という、実に俗っぽい動機でした。しかも東京都現代美術館はうちの近所なので、自転車で。





で、結論から言いますと、この企画展、めちゃめちゃ楽しかったです。そもそも会田家の作品、しかもその一部ばかりが話題になってるけど、この企画は4組のアーティストが参加してるんです。ヨーガン・レール、岡乾二郎、 会田家、アルフレド&イザベル・アキリザン、それぞれの展示が「ここはだれの場所?」というテーマに沿って展開されています。

最初の展示は、ヨーガン・レールが石垣島の海岸で拾ったゴミたち。ペットボトルのフタや漁網、プラスチック製品の残骸。ところが次の部屋に足を踏み入れた瞬間、息を飲むことになります。元ゴミから作られたアート作品たち、その鮮やかさには目を見張るばかり。もちろんそれだけじゃない、地球環境への問題提起もちゃんと伝わるようになっています。去年亡くなったヨーガン・レールさんの、鮮烈なラスト・メッセージ。

岡乾二郎氏の「はじまるよ、びじゅつかん」コーナーは、小・中学生しか作品を見ることができません。もちろん私も入れませんでした。ただし、なぜ「こどもしか入れない美術館」なのか、入り口に長い説明が書かれているので、ぜひ全文読んでみてください。この説明文こそ、大人を刺激するアートと言えるんじゃないかなあ。あ、入り口の脇の方に書見台があるので、それも見逃さないで。特に高校生のひと! そこには谷川俊太郎さんの詩が置いてあって、「高校生で展示を見たい人はこの詩を音読すること」だそうです。

アルフレド&イザベルの作品は、ダンボールで作った小さな家。そしてその家がたくさん組み合わさった不思議な町のジオラマ。茶色いダンボールの町並みは、一見するとどれも同じようで、でも目を凝らしていると家ごとの個性が見えてくる。思わずスモールライトで小さくなって、そのなかに住んでみたくなる。7月中の土日祝、8月は毎日ワークショップを開催しているらしく、自分の「家」を作ることもできるそうです。参加したかったな。


そして、渦中の「会田家」。会田誠さん、妻の岡田裕子さん、長男の会田寅次郎さんによるユニットです。ニュースになってる「檄」という垂れ幕作品と、「国際会議で演説をする日本の総理大臣と名乗る男のビデオ」という映像作品は、会田家コーナーでひときわ目立っています。なんといってもでかい。まず「檄」なんですけど、筆文字で「文部科学省に物申す」なんて書いてあるから過激に見える。見えるんだけど、読んでいくと例えば「もっとゆっくり弁当食わせろ」なんていう箇所もあってなんだかちょっと妙だなあとも思うわけです。で、下にある説明プレートには「一家3人で力を合わせて一つの文章を書いたよ。3人の考えはバラバラだから変な文章になっちゃってるね」と書いてあって、ニヤリとさせられる。

そして「国際会議で演説をする日本の総理大臣と名乗る男のビデオ」。総理大臣に扮した会田氏が原稿を読みながらたどたどしい英語でスピーチをしていくというものなんですが、単に政治家を揶揄したパロディなんかじゃないですよ、これ! 後半にいくにしたがって思いもよらなかった展開になってきます。だってこの「総理」が主張してるのは「すべての国は鎖国しろ」ってことだもの。グローバリズム批判、あるいはオリエンタリズム批判だったりするわけです。そういえば最近、ボストン美術館の「モネの『ラ・ジャポネーズ』の前で着物を着よう」というイベントが、抗議を受けて中止になったというニュースがありましたよね。あの話、日本でネットニュース読んでるだけだと「なにがいけないの?」って思っちゃうんですが、たとえばこの「総理」の演説がヒントになるかもしれません。とはいえ、もちろん馬鹿馬鹿しさも忘れてないんですけどね(ちょっと伊武雅刀の『子供達を責めないで』を思い出したりしました)。

この会田家作品へのクレームは「内容が子供展に相応しくない」ということらしいんですが、それはちょっと子どもを舐めすぎじゃないでしょうか。もちろん幼稚園児には難しいかもしれないけど。小学校高学年以上、つまり週刊マンガ誌を読み始めたり、洋服は自分で選ぶようになったり、好きなバンドを追いかけ出したりするような年齢であれば十分に感じ、考えられる内容だと思います。それに、この企画展は「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」なんですから。その答えを探すことで「たとえば地球環境や教育、自由についてなど、わたしたちがこれからを生きるために考えるべき問題が、おのずと浮かび上がってくるはず」(公式サイトより)っていうんですから。そう思えばこの会田家作品こそ、企画展のテーマに真正面から挑んでるじゃないですか。


ともかく。会田家も含めて4パート、心と頭にカラフルな刺激を受けること間違いないです。なんといっても親子で行ける、あるいは小・中学生から大人まで楽しめる美術館企画なんてそれだけで貴重ですよ。私が行ったときは、思ったより人が少なくて拍子抜けしました。こんなに面白いのにもったいない! 今ならまだ空いてます。「檄」も「国際会議で演説をする日本の総理大臣と名乗る男のビデオ」も展示されてます。ちなみに今なら「きかんしゃトーマスとなかまたち」展も「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」も開催中です。現代美術館のとなりの木場公園も気持ちいいですよ(熱中症対策は忘れずに!)。

夏休みのお出かけに、ぜひ江東区木場までいらっしゃい。そして「改変とか撤去とか、冗談じゃないよ」って美術館に伝えればいいと思います。



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パリのポエトリーオープンマイクで緊張した話。

2015年05月26日 08時57分55秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読


駿河台出版社さんのサイトで書かせていただいている連載エッセイ。その一部を編集して転載します。



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こんにちは。村田活彦です。



2014年5月、パリ11区のDOWN TOWN CAFÉ(ダウンタウン・カフェ)のポエトリー・オープンステージ。いよいよ自分の名前が呼ばれた、というところからです。







緊張しながらもテーブルの間を抜けて司会者の隣へ。それだけでお客さんから手拍子が起こります。日本から来た珍しい参加者だから、というだけではないでしょう。どの詩人のときも必ず客席が湧いていましたから。とにかくオーディエンスが元気いい。このノリの良さに勇気付けられて「ボンソワール!」すると客席からも”Bonsoir!”と返ってくる。反応いいなあ。まずは一発かましてみましょうか。



Je suis venu à Paris pour faire Slam !

スラムをするためにパリに来たぜ!



歓声。拍手。おおフランス語通じた。そしてちゃんと受けた。これに気を良くして、着ていたTシャツを見せながら、



C’est le T-shirt de Slam japonaise!

これは日本のポエトリースラムのTシャツだ!



と言うとさらに歓声があがります。モヒカン頭のウッドベーシストは弦をバチバチ鳴らしながら早口で叫ぶ。「うんちゃらかんちゃらスラムオージャポン!アリガト!サヨナラ!」いや、まだ始めてないってば。しかしその意味不明の合いの手のお陰で会場の熱もさらに上がり、すっかりその気になってしまいました。



ステージといっても段差があるわけでも照明が当たっているわけでもない、お客さんの前に少しスペース空けてあるだけの場所。マイクもないけど肉声で店の端まで十分届きます。



言葉がほとばしる

この場に立つことは

君の耳に新しいひびき探す旅路

(『バジル』より)



まずは韻を多用した短いリリックを披露。モヒカン頭のジーズが、ベースを弾くタイミングを見計らっています。と思ったら、こちらが息継ぎをしたところで、どぅべべべべと鳴らしてきた。そんならこっちも緩急つけてみますか。音と声のセッション、というかボケとツッコミみたいな感じ。



きこえる 声きこえる 声なき声きこえる

僕の声 街の声 海の声 夜の声

夜を越え 海を越え 街を越え 君のもとへ

届け この声とエコー

(『声』より)



なんども朗読しているタイトルなので暗唱です。ジーズが指を鳴らし始めたのに合わせて、客席からまた手拍子。そのリズムに合わせ、私も期せずしてラップのようなリーディングに。なにこれ、すごい。間違いなく、会場中で今いちばん楽しんでるのは私でしょう! 朗読し終えるともう一度拍手と歓声に包まれます。司会者、そしてベースのジーズと握手して自分の席へ。ビギナーズラックかもしれないけど、実にいい気分。



初めてパリで朗読してみて感じたのは、なによりポエトリー・リーディングに対する敷居の低さ。そしてみんなでその場を楽しもうというフレンドリーな空気です。お客さんの半分くらいは出場者だけど、半分くらいは友達の応援、あるいはただ聴くのを楽しみに来ている人たち。私がふだん日本で参加する詩の朗読オープンマイク(オープンステージ)では観客と出演者がほぼイコールということもままあるので、新鮮です。








もともとフランスのポエトリースラムは、1990年代からアメリカの影響で広まったようです。アメリカや日本では「Slam」といえば詩の朗読競技会、つまり順位を競い合うスタイルを指すのですが、フランスでは競技会のことも「Slam」、単にポエトリーリーディングのことも「Slam」と言います。



2006年にはGrand Corps Malade(グラン・コール・マラード)」がCDデビューして一躍メジャーになりました。低音の渋い声はそれだけで引きこまれるものがあって、今もカリスマ的な人気を集めています。(彼のライブもいずれこのコラムで紹介しますね!)



さて、ダウンタウン・カフェのポエトリー・オープンステージは21時半くらいに一旦休憩。みんなそれぞれ感想を言い合ったり、お酒を注文したり。半分くらいのお客さんは帰りますが、読み足りない人は残って第二部に参加します。すべて終わるのは23時過ぎくらい。ちなみに、カウンターの前でおどけている写真の彼が主催者。もともとラッパーらしく、彼自身も第二部でパフォーマンスして客席を大いに盛り上げていました。












ひとまず自分の出番を終えてホッとひと息、生ビールを飲んでいると、両腕に見事なタトゥーの入った兄ちゃんが人の波をかき分け、声をかけてきました。「オレハ、ニホンニイタコトガアル」聞けば徳島の大学に留学していたらしい。なんだなんだ? さらに片言で言うには、今週末の土曜日にこの近所でSlam(この場合は競技会のこと)があるので、参加してみないか?とのこと。会場はいわゆるスクワット(SQUAT)、つまり人が住んでいない建物でアーティストたちが活動する「不法占拠物件」らしい…。



さて面白くなってきました。というところで、また次回。À bientôt!
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