Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

満員御礼

2010-02-04 18:17:46 | 出たもの
節分だというのに、外は雪が降っているというのに、昨夜のPoe-Tri Vol.20には過去最高の数のお客様が詰めかけてくださった。ありがたいことである。

今回、椅子が足りなくなって、バーカウンターの前や通路にまで立ち見のお客様が溢れ、また、大変申し訳ないことであるが、13名のオープンマイク枠は開場15分後には全て埋まっており、オープンマイク参加を目的にご来場くださった何人かの方には、朗読していただくことができなかった。イベント全体を通じて、ご来場頂いた方にとって少しでもより良い時空間を提供できるように、さらに工夫してゆきたいと考えている。

さて、今回のオープニングを務めてくださったのは、都内のポエトリー・リーディングシーンに実生の樹木のように深く根を下ろす、高田馬場Ben's Cafeで毎月第三日曜開催の「笑いと涙のぽえとりー劇場」主宰、服部剛さんである。



行住坐臥全てを詩に変える男、服部剛。道を歩けば歩くことが詩になり、躓いて転べば転んだことが詩になる天性の詩人、服部剛。その訥々とした朗読の世界に、満場の耳目が引き込まれてゆく。

そして、スポークンワーズ・コンピレーションCD「言葉がなければ可能性はない」の発起人、不可思議/wonderboyがついにPoe-Triに初登場。



実は今年の初ステージであったというwonderboyさん。彼のパフォーマンスに込められたメッセージの、言わば「前を向き続けるマイノリティー」のような存在に対する普遍性は、聴き手の胸を熱くさせずにはおかない。

札止めとなったオープンマイク参加者は、例によって敬称略で登場順に、

宇土八郎
土屋怜
鈴川ゆかり
イダヅカマコト
激辛正統派
川島むー
晴居彗星&もこもこ
矢ヶ崎芳也
岩井充
mido
死紺亭柳竹
ぬくみりゑ
TASKE

という面々。詩のボクシング全国チャンピオンから即興画家まで、よくも集まっていただいたものである。いつも思うけれど、こんなメンバー、私からブッキングしようと思ってもできない。毎回、オープンマイクに参加してくださる一人ひとりの方々は間違いなくPoe-Triの売りであり、財産である。

後半は、Poe-Triには今回で三回目の出演となる、「騒音天獄」主宰・福田理恵さんからスタート。



マイクを手にしてすっと座ると、もうそれだけで存在感がある。ハートビートのようなリズム・トラックを背景に、重量感のある、しかししっとりとした声と言葉を重ねてゆく。私の個人的な感想では、福田さんの過去三回の出演の中でベストのパフォーマンスであったように思う。

最後に私が、
「請求書のブルース」
「羊たちの地平」
「我慢するには少しだけ寒い夜」
の三篇を朗読した。

最初の方に書いたことの繰り返しになるが、主宰としては、今後、より一層、二時間半のイベントを通しての時空間の快適性の向上を目標に工夫を重ねていきたい。ぱっと思いついた反省点もいくつかある。

なぜくどくどそういうことを書いているかというと、帰りの電車の中であしゅりんさんとも話したのだけれど、ライヴイベントにおけるパフォーマンスに対する受け手の感想は、受け手の置かれている状況によって変化すると私は思っているからだ。ありがちな例で言えば、何も心配せずに聴くのと終電を気にしながら聴くのでは当然、感想も違うものになるだろうし、極端な話、人間のパッシヴな感性なんて、それこそその時空腹か満腹かという程度のことで微妙に揺れ動いてしまう。だからこそ、お客様が肉体的に無駄にしんどくなく、変なストレスを感じず、パフォーマンスに対して集中できる環境を整えられること。それは今後のPoe-Triの目指すべき大きな目標のひとつである。

ご来場の皆様、本当にありがとうございました。
出演者の皆様、お疲れ様でした。
3-triのスタッフの皆様、いつもお世話になっております。

次回、Poe-Tri Vol.21は、3月3日水曜に開催いたします。出演者は、川島むーさん猫道さん、市毛友里さん、そして私です。どうぞご期待ください。

そしてその前に明後日、2月6日水曜はWiCANアートセンター千葉詩亭です。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。