昨日 東京都美術館で開催されている
オルセー美術館展-19世紀 芸術家たちの楽園 に行って来ました。
覚悟はしていったものの、平日にもかかわらず大変な混雑ぶりでした。
いつものことですが、特に入口付近。
それにゴーガンの自画像のある一画ですが、ここのスペースは展示の仕方をもっと考えて
欲しいです。
この美術館は、どうも好きになれません。
狭い、暗い、閉鎖的な空間は印象派の絵画には向かないように思います。
駅舎を改装して開館したオルセー美術館は、天井が高く端から端まで見通しがきく大きな空間で、美術館自体がとても魅力的です。
ガラス張りで柔らかい外光が入り、とても鑑賞しやすい。
上階からは屋外テラスに出られて、セーヌ川の対岸にルーブル美術館が眺められます。
神戸市立博物館 は銀行の建物を転用したとか、堂々たる風格で館内も明るく広々としているように見えます。
上野とは違い、旧居留地という立地もオシャレな雰囲気ですよね。
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工業化という時代の急激な変化の中、19世紀の芸術家たちは何を拠り所に、
何を追い求めていたのか・・・・・・
この展覧会は5つのテーマで構成され、絵画、工芸、写真、デッサンが並んでいます。
Ⅰ 親密な時間
Ⅱ 特別な場所
Ⅲ 彼方へ
Ⅳ 芸術家の生活―アトリエ・モデル・友人
Ⅴ 幻想の世界へ
ルノワール 「ジュリー・マネ」 1887年
嬉しそうに安心しきってご機嫌なネコちゃん、見ているこちらも幸せになります。
ゴッホ 「アルルのゴッホの寝室」 1889年
部屋も家具も、今にもグニャグニャと形を失いそうな不安な気持ちにさせられました。
この黄色、病的で妙に落ち着きません。
ゴーガン 「黄色いキリストのある自画像」 1890-1891年
最初のタヒチ行きの数ヶ月前に描かれた作品とあります。
楽園にウキウキと旅立つ男の顔ではないですね。
どんな心境だったのか。
傲慢なほど自信たっぷりに見えますが、ただ単純に希望に満ちて、という訳ではないのでしょうね。
マネ 「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」 1872年
この絵の前にもスゴイ人垣が出来ていました。
ほとんどモノトーンなのに、明るさ・若さが感じられます。
すみれは目を凝らして見ないと分からない。
ギュスターヴ・モロー 「ガラテア」 1880年
今回、一番心を惹かれました。これは実物を見ないとね。
モネの「アルジャントゥイユの船着場」、シスレーの「洪水と小舟」も明るい光を発していましたが、
こちらはガラテアそのものが眩いばかりの発光体と化しています。
周囲にある海生植物もラメのようにキラキラ輝いていました。
美しい
しばらく見とれて動けませんでした。
印象派のオルセーというイメージで出掛けていきましたが、観終ってみると随分と違っていました。
人物を描いた作品が多かったのが意外でしたし、幻想的で不思議な作品(写真も)で魅力的なものが多く見受けられました。
もう一度観に行きたいですけれど、いつ行ったら混雑を避けられるのでしょう・・・ 無理か
西洋美術館前の梅。
まだ蕾さえ付けていない桜ですが、ピンク色が内包されていると思うと嬉しくなります。